慰謝料請求

2026/11/04

不貞行為が2回目・3回目の慰謝料はどうなる?回数によって請求金額が変わる?

不貞行為が2回目・3回目の慰謝料はどうなる?回数によって請求金額が変わる?

配偶者の不貞行為が2回・3回と繰り返されていた場合、1回だけのケースより高額な慰謝料を請求できるのでしょうか。

本記事では、不貞行為の回数が慰謝料に影響するかどうかや、慰謝料が増額・減額されやすいケースについて解説します。請求できる金額や今後の対応に悩んでいる方は参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 不貞行為が2回・3回あった場合の慰謝料への影響
  • 不貞慰謝料が増額・減額されやすい主なケース
  • 不貞行為を理由に慰謝料請求を行った解決事例

不貞行為が2回・3回あった場合、慰謝料は変わる?

不貞行為が2回・3回あった場合、1回だけのケースより慰謝料が高くなる可能性があります。行為を繰り返すほど、被害を受けた配偶者の精神的苦痛が大きいと判断されやすいためです。

ただし、不貞行為の回数に比例して金額が増えるわけではありません。慰謝料は、以下のような事情を総合的に考慮して決められます。

  • 不貞行為の回数や期間
  • 婚姻期間
  • 離婚や別居の有無
  • 不貞行為が発覚した後の対応
  • 未成年の子どもの有無
  • 夫婦関係が元から破綻していたか

不貞行為が2回・3回あったことは慰謝料額を左右する要素の一つですが、実際の慰謝料は回数だけではなく、不貞関係の全体像や夫婦生活への影響も含めて判断されることを把握しておきましょう。

不貞行為の回数が慰謝料に影響する理由

不貞慰謝料は、不貞行為によって配偶者が受けた精神的苦痛を金銭で補うものです。ここでは、回数や継続性が慰謝料額に影響する理由を解説します。

回数が多いほど精神的苦痛が大きいと判断されやすいため

不貞行為を繰り返されると、被害者は配偶者から何度も裏切られたと感じます。そのため、1回限りのケースより精神的苦痛が大きいと判断され、増額の要因として考慮されることがあります。

特に、一度発覚した後も不貞行為を続けていた場合、被害者は長期間にわたって不安や疑念を抱えることになるでしょう。配偶者を信用できなくなり、日常生活や仕事に支障が生じる可能性もあります。

ただし、回数が多いという事実だけで高額な慰謝料が認められるわけではありません。不貞行為をきっかけに離婚や別居へ至ったか、夫婦関係がどの程度悪化したかなども重要です。

継続的な関係があると悪質性が高いと見られやすいため

不貞関係が数カ月から数年にわたって続いている場合、一時的な過ちではなく、意図的に関係を維持していたと見られやすくなります。期間が長く、密会や宿泊の頻度も高いほど、夫婦関係を侵害した程度が大きいと評価されるでしょう。

不倫相手との旅行を繰り返していた場合や、日常的に連絡を取り合っていた場合も、関係の深さを示す事情と見なされる場合があります。

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不貞行為の慰謝料が増額されやすいケース

不貞慰謝料は、回数以外の事情によっても変わります。ここでは、増額方向に考慮されやすい主なケースを確認します。

不貞行為が原因で離婚に至った場合

不貞行為が原因で離婚した場合は、婚姻関係を継続するケースより慰謝料が高くなる傾向にあります。夫婦として築いてきた生活や信頼関係を失うため、精神的苦痛も大きいと考えられるからです。

一般的な目安として、離婚しない場合は50万〜100万円程度、離婚に至った場合は100万〜300万円程度とされます。ただし、これは法令で定められた金額ではありません。交渉で合意する場合と裁判所が判断する場合とでも、金額が異なることがあります。

不貞行為が原因で別居に至った場合

離婚していなくても、不貞行為をきっかけに別居した場合は、慰謝料が増額されることがあります。同居生活を続けられないほど夫婦関係が悪化した事実は、被害の大きさを示す事情になるためです。

ただし、別居していれば必ず増額されるわけではありません。不貞行為の発覚後に別居を始めたのか、それ以前から仕事や家庭の事情で別居していたのかによって評価は変わります。

単身赴任など、不貞行為とは関係のない理由による別居は、夫婦関係が壊れたことを直接示すものではありません。別居の時期や経緯を確認する必要があるでしょう。

婚姻期間が長い場合

婚姻期間が長い夫婦では、長年にわたって築かれた信頼関係や生活基盤が不貞行為によって損なわれます。そのため、婚姻期間が短いケースより精神的苦痛が大きいとして、増額の要因として考慮されることがあります。

例えば、長期間にわたって家庭を支え、老後も共に過ごす予定だったにもかかわらず、不貞行為によって離婚へ至った場合です。これまで築いてきた共同生活を失った影響は大きいと考えられるでしょう。

夫婦に未成年の子どもがいる場合

夫婦に未成年の子どもがいることも、慰謝料額を判断する際の考慮要素になり得ます。

不貞行為によって家庭環境が壊れれば、被害を受けた配偶者は子どもの生活や将来についても不安を抱えることになります。こうした事情により、精神的苦痛が大きいと評価される場合があります。

不貞行為を隠すために嘘を重ねていた場合

不貞行為の発覚後も事実を否定したり、関係を解消したと嘘をついたりしていた場合は、慰謝料が増額される可能性があります。虚偽の説明によって被害者をさらに傷つけ、精神的苦痛を拡大させたと考えられるためです。

特に、誓約書や合意書で今後は会わないと約束した後も、隠れて関係を続けていたケースでは、悪質性が高いと評価されやすいでしょう。

一方、不貞行為を否認したことだけで直ちに増額されるわけではありません。請求を争うこと自体は認められているため、証拠と明らかに矛盾する虚偽説明を繰り返したか、証拠を隠そうとしたかなどが判断材料になります。

不倫相手が妊娠・出産した場合

不倫相手との間の妊娠や出産が確認できる場合は、被害者の精神的苦痛が大きいとして、慰謝料の算定で重く考慮される可能性があります。不貞関係の深さを示すだけではなく、夫婦や家族の将来にも影響を与える事情だからです。

子どもが生まれれば、認知や養育費の支払いなどを通じて、配偶者と不倫相手との関わりが続くこともあります。被害者が将来にわたって不安や苦痛を抱える場合、その影響も考慮されるでしょう。

不倫相手に経済的援助をしていた場合

配偶者が不倫相手の家賃や生活費を負担していた場合、不貞関係の深さや継続性を示す事情と見なされることがあります。単発的な肉体関係ではなく、生活面でも密接な関係を築いていたと考えられるためです。

また家庭の生活費に充てるべき収入を不倫相手に渡していた場合、家族の生活に影響が生じることもあります。こうした支出は、被害者の精神的苦痛や行為の悪質性を判断する材料になるでしょう。

経済的援助の事実は、預金口座の取引履歴やクレジットカードの利用明細、送金記録などから確認できます。ただし、援助額がそのまま慰謝料へ加算されるわけではありません。

夫婦共有財産の使い込みや生活費の不払いがある場合は、慰謝料だけではなく、財産分与や婚姻費用などの問題として扱うこともあります。

不倫の慰謝料を多く請求することができる?増額の理由や事例を解説

不貞行為の慰謝料が減額されやすいケース

不貞行為が認められても、事情によっては慰謝料が低く算定されます。ここでは、減額や請求の否定につながりやすいケースを確認します。

不貞行為の前から夫婦関係が破綻していた場合

不貞行為が始まる前から夫婦関係がすでに破綻していた場合、不倫相手への慰謝料請求が認められない可能性があります。保護されるべき平穏な婚姻共同生活が、不貞行為の前に失われていたと判断されるためです。

例えば、長期間の別居が続き、夫婦間の交流や生活実態がなく、離婚に向けた話し合いも進んでいた場合が考えられます。

一方、会話や性生活が少なかった、夫婦仲が悪かったという事情だけでは、破綻が認められるとは限りません。別居期間、離婚協議の有無、家計や連絡の状況などから総合的に判断されます。

婚姻期間が短い場合

先述のように、婚姻期間は慰謝料額を判断する要素の一つです。婚姻期間が短い場合は、長期間にわたる共同生活を失ったケースと比べ、慰謝料が低く算定されることがあります。

ただし、婚姻期間が短いからといって、精神的苦痛まで小さいとは限りません。結婚直後から不貞行為が行われていた事情が、別の観点から重く評価される可能性もあります。

そのため、婚姻期間だけではなく、不貞行為の経緯や離婚への影響などを併せて確認することが必要です。

不貞行為の期間が短い場合

不貞関係が短期間で終わっており、回数も少ない場合は、長期にわたる関係より悪質性が低いと判断されることがあります。その結果、慰謝料が比較的低く算定される可能性があります。ただし、何カ月以内なら短期間と扱われるといった明確な基準はありません。

また発覚後に再び関係を持った場合や、妊娠に至ったケースなどでは、期間が短くても重く評価されることがあります。

不貞行為によって離婚や別居に至っていない場合

先述のように、不貞行為を原因として離婚や別居に至った場合は、精神的苦痛が大きいと判断されやすくなります。反対に、発覚後も同居と婚姻生活を続けている場合は、慰謝料が比較的低く算定されることがあります。

ただし、離婚していないからといって、精神的苦痛が小さいとは限りません。子どものために婚姻を継続している場合や、同居していても夫婦関係が大きく悪化しているケースもあります。

婚姻を続けている事実だけではなく、発覚後の生活や夫婦関係がどのように変化したのかも考慮されるでしょう。

不倫相手が既婚者だと知らなかった場合

不倫相手が交際相手を既婚者だと知らず、知らなかったことについて過失もなければ、慰謝料請求は認められない可能性があります。

例えば、交際相手から独身だと説明され、住居や生活状況からも結婚していると気づく事情がなかった場合です。マッチングアプリなどで知り合い、婚姻の事実を巧妙に隠されていたケースも考えられます。

一方、家族の存在をうかがわせる言動があったなど、既婚者だと疑う事情を認識していた場合は、過失を問われる可能性があるでしょう。

すでに一部の慰謝料が支払われている場合

不貞行為は、配偶者と不倫相手による共同不法行為として扱われるのが一般的です。そのため、すでに一方から慰謝料を受け取っている場合は、その金額が考慮されます。

配偶者から不貞行為に対する十分な慰謝料が支払われ、損害が全て補われていれば、同じ損害について不倫相手から重ねて受け取ることはできません。

ただし、離婚時に受け取った金銭に財産分与や養育費が含まれている場合もあるでしょう。どの名目で支払われたものか、合意書や示談書の内容を確認する必要があります。

請求額が相場より著しく高額な場合

請求する側は慰謝料の金額をある程度自由に提示できますが、その全額が認められるとは限りません。個別事情に照らして著しく高い場合は、交渉や裁判で減額される可能性があります。

慰謝料額は、不貞行為の回数や期間、婚姻期間、離婚・別居の有無などを踏まえて決められます。特別な増額事情がないにもかかわらず高額を請求しても、実際の精神的苦痛に見合わないと判断されることがあるでしょう。

一方、当事者同士が合意すれば、一般的な目安を上回る金額を定めることは可能です。ただし、違約金などが著しく高額で、相手に過度な負担を課す内容である場合は、その一部または全部が無効となる可能性があります。

不貞行為により慰謝料請求を行った事例

不貞慰謝料の金額は、婚姻期間や不貞関係の長さ、夫婦関係への影響などによって異なります。ここでは、事例を2つ紹介します。

慰謝料250万円を獲得した事例

50代男性のKさんは、妻と28年間にわたって婚姻生活を送り、子どももいました。しかし、妻が職場の既婚者である上司と、約7年間にわたって不貞関係を続けていたことが発覚します。発覚のきっかけは、不倫相手の妻からの連絡でした。Kさんが妻に確認したところ、妻は不貞行為の事実を認めたため、夫婦で話し合った末に離婚を決めました。

Kさんは、不倫相手への慰謝料請求について弁護士へ相談しました。不倫相手は肉体関係があったことを認めた一方、Kさん夫婦の婚姻関係はすでに破綻していたと主張し、慰謝料の減額を求めます。弁護士が交渉を重ねた結果、最終的に250万円の慰謝料を獲得できました。

慰謝料300万円を獲得した事例

30代女性のAさんは、夫と結婚して3年で、幼い子どもを育てていました。ある日、夫が不倫相手に送るはずだったメッセージを誤ってAさんへ送信したことで、不貞行為が発覚します。Aさんが夫を問い詰めると、夫は職場の同僚との不貞行為を認めました。その後すぐに夫婦は別居を始めたものの、幼い子どもがいることから、Aさんは離婚をすぐには決断できない状況でした。

そこで弁護士に相談し、不倫相手との交渉を依頼します。交渉の結果、仕事以外で夫と私的に接触しないことを不倫相手に約束させた上で、300万円の慰謝料を獲得しました。

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まとめ

不貞行為が2回・3回と繰り返されている場合は、1回だけのケースより精神的苦痛や悪質性が大きいと判断され、慰謝料が増額される可能性があります。ただし、回数に応じて一定額が加算されるわけではありません。

実際の金額は、不貞関係の期間や頻度、婚姻期間、離婚・別居の有無、未成年の子どもの有無、発覚後の対応などを踏まえて決められます。一方、不貞行為の前から夫婦関係が破綻していた場合や、不倫相手に故意・過失がなかった場合は、請求が認められないこともあります。

また、すでに配偶者や不倫相手から慰謝料を受け取っている場合は、支払われた金額や合意書の内容を確認することが必要です。前回の示談の後に再び不貞行為があった場合は、新たな不貞行為として改めて慰謝料を請求できる可能性があります。示談書に違約金の定めがある場合は、その内容も確認しましょう。

ライズ綜合法律事務所では、不貞慰謝料に関する電話やメールでの無料相談を受け付けています。請求できる金額や証拠、相手との交渉に悩んでいる方はお気軽にご相談ください。

【ご相談専用フリーダイヤル】

0120-657-001(9:00-21:00土日祝も受付中)

このページの監修弁護士

弁護士

三上 陽平(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

中央大学法学部、及び東京大学法科大学院卒。
2014年弁護士登録。

都内の法律事務所を経て、2015年にライズ綜合法律事務所へ入所。
多くの民事事件解決実績を持つ。第一東京弁護士会所属。