債務整理
2026/09/28
任意整理中にやってはいけないこととは?直前にクレジットカードを使うのはNG?

任意整理の手続き中において、普段の生活で何を控えるべきか分からず不安になる方も多いでしょう。知らずに問題のある行動を取り、債権者との交渉や和解後の返済に影響しないか心配になるかもしれません。
本記事では、任意整理中にやってはいけないことや、返済資金が不足した場合の対処法を解説します。手続きを円滑に進め、無理のない返済を続けるための参考にしてください。
【この記事で分かること】
- 任意整理中に避けるべき行動の具体例
- 生活費や返済資金が不足した場合に検討できる対処法
- 任意整理によって生じる制限と、手続き中でも制限されないこと
任意整理中にやってはいけないこと
任意整理をしても生活が極端に制限されるわけではありません。ただし、一部やってはいけないことも存在します。ここでは、特に避けるべき行動を解説します。
消費者金融などから新たに借り入れをする
任意整理中に、消費者金融やカードローンなどから新たに借り入れることは避ける必要があります。任意整理では、返済条件の緩和を目指すものの、残った金額については返済を続けることを前提とした手続きです。新たな借金をすれば毎月の支払負担が増え、当初の返済計画を維持できなくなる恐れがあります。
また返済できないことを認識しながら借り入れを申し込むと、債権者から返済意思を疑われる可能性があります。借金を別の借金で返す状態では、問題の根本的な解決にもならないでしょう。
違法業者からお金を借りる
正規の金融機関から借りられない場合でも、ヤミ金などの違法業者を利用してはいけません。「審査なし」「ブラックでも融資可能」などの広告で、資金に困っている人を勧誘する業者には注意が必要です。
違法業者は、法律で定められた上限を超える利息を請求する場合があります。返済が遅れると、本人だけではなく家族や勤務先へ連絡するなど、悪質な取り立てを受けるケースもあります。すでに利用してしまった場合は、相手の要求に従い続けるのではなく、弁護士や警察へ相談することが重要です。
SNSなどを通じた個人間融資を利用する
SNS上の「個人でお金を貸します」「即日融資します」といった投稿を通じて借り入れることも避けるべきです。個人間融資を装い、無登録の違法業者が勧誘している可能性があります。
融資の条件として、身分証明書や顔写真、勤務先、家族の連絡先などを求められるケースも少なくありません。渡した情報をインターネット上に公開されたり、犯罪に悪用されたりする危険があります。
相手の氏名や所在地が分からなければ、トラブルが起きても責任を追及するのは困難です。利息や返済条件を一方的に変更される恐れもあるため、面識のない相手からの借り入れには手を出さない方がよいでしょう。
クレジットカードの現金化をする
クレジットカードの現金化とは、ショッピング枠で商品や金券などを購入し、業者への売却や転売によって現金を得る行為です。現金化を目的としたショッピング枠の利用は、一般的にカード会社の会員規約に違反します。
一時的に現金を確保できても、後日、カード会社へ利用代金を支払わなければなりません。手数料や売却損によって、受け取った現金より大きな債務を負うことも多く、資金繰りはさらに悪化します。
現金化が発覚すれば、利用停止や強制解約、一括請求を受ける可能性もあるでしょう。その後に自己破産へ切り替えた場合は、現金化の時期や金額などによって、免責の判断で問題になることがあります。
また任意整理を依頼する直前のカード利用にも注意が必要です。日常生活に必要な少額決済が違法となるわけではありませんが、返済できないと分かりながら高額商品を購入したり、換金目的で利用したりすると、和解交渉へ悪影響を及ぼす恐れがあります。任意整理を決めた後は、カードの新規利用を控えるのが無難でしょう。
任意整理中にお金が足りなくなった場合の対処法
収入の減少や急な出費により、生活費や返済資金が不足することもあります。そのような場合には、新たな借金で補うのではなく、収支や返済計画を見直す必要があるでしょう。ここでは、資金不足に陥った場合の対処法を紹介します。
依頼している弁護士に相談する
生活費や弁護士費用、和解後の返済資金を用意できないと分かった時点で、依頼先の弁護士へ相談することが大切です。支払期日を過ぎるまで放置すると、選べる対応が限られる可能性があります。
一時的な収入減少や突発的な出費であれば、支払時期や積立方法を調整できるかもしれません。和解後の返済についても、事情によっては債権者への相談を検討してもらえる場合があります。
ただし、返済条件を必ず変更できるわけではありません。資金が不足した理由や今後の収入見込みを正確に伝え、返済を継続できるか判断してもらうとよいでしょう。
家計を見直し支出を削減する
資金不足に陥った場合は、家計全体を確認し、収入の範囲内で生活できる状態を整える必要があります。食費を無理に切り詰める前に、毎月継続して発生する固定費から見直すと効果的です。
主な見直し項目には、次のようなものがあります。
- 利用していない動画や音楽配信などの定額サービス
- 料金が高い携帯電話やインターネット回線
- 必要以上の補償が付いた保険
- 自動車の維持費
まずは預金通帳や利用明細、レシートなどをもとに、1カ月分の収支を整理します。支出の内訳が分かれば、削減できる費用を判断しやすくなるでしょう。
一方、食費や医療費など、生活や健康に欠かせない支出を過度に減らす方法は長続きしません。生活を維持できないほど返済負担が重い場合は、返済計画そのものを見直す必要があります。
公的支援制度を利用する
収入の減少や失業によって生活が困窮している場合は、国や自治体の支援制度を利用できる可能性があります。対象者や支援内容は制度ごとに異なるため、自治体の窓口や自立相談支援機関へ相談するとよいでしょう。
代表的な制度として、生活福祉資金貸付制度や住居確保給付金があります。生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯などを対象に、生活再建に必要な費用を貸し付ける仕組みです。資金の種類によっては、連帯保証人がいる場合は無利子、いない場合は年1.5%となります。
住居確保給付金は、離職や収入減少などによって住居を失った方、または失う恐れのある方に、一定の要件のもとで家賃相当額を支給する制度です。借金返済のための給付ではありませんが、住居費の負担を軽減できれば生活を立て直しやすくなります。
ただし、公的な貸付制度にも審査や利用条件があり、申請すれば必ず借りられるわけではありません。新たな返済義務が生じる制度を利用する場合は、任意整理後の返済と両立できるか依頼先へ相談すると安心です。
個人再生や自己破産を検討する
家計を見直しても返済資金を確保できず、今後も収入の回復が見込めない場合は、任意整理を続けることが適切とは限りません。個人再生や自己破産への切り替えを検討する必要があります。
個人再生は、裁判所の認可を受けた再生計画に基づき、減額された借金を原則3年で返済する手続きです。継続的な収入があり、借金を一定額まで減らせば返済できる場合に適しています。
自己破産は、裁判所から免責許可を受けることで、原則として借金の支払義務を免除してもらう手続きです。破産手続きを行っただけで債務がなくなるわけではなく、免責許可を受けなければなりません。
自己破産では一定の財産が処分される可能性もあります。どの手続きが適しているかは、借金総額や収入、財産、住宅ローンの有無などによって変わるため、弁護士と相談して判断するとよいでしょう。
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任意整理の進行を妨げてしまうNG行動
任意整理を円滑に進めるには、依頼する弁護士との密な連携や信頼関係が不可欠です。ここでは、手続きの遅延や弁護士の辞任につながりかねないNG行動を解説します。
依頼費用の積み立てを滞納する
任意整理を依頼すると、債権者への返済を一時的に止め、その間に弁護士費用を積み立てることがあります。積み立てを滞納すれば、債権者との交渉を始められず、手続きが予定通り進まない可能性があるでしょう。
費用を用意できない状態が続くと、契約を解除される場合もあります。弁護士が辞任し、その旨が債権者へ通知されれば、貸金業者などから本人への督促が再開されるかもしれません。交渉が止まることで、訴訟などの法的手続きを取られるリスクも高まります。
ただし、1回の支払い遅れによって、直ちに辞任されるとは限りません。積み立てが難しいと分かった段階で、弁護士へ事情を伝えることが大切です。
弁護士からの連絡を無視する
弁護士からの電話やメールを無視すると、必要な確認や手続きを進められなくなります。連絡内容は、家計状況の確認や書類の提出、和解条件への同意など重要なものが中心です。
連絡が取れない状態が続けば、債権者から提示された和解案への回答期限を過ぎたり、交渉が中断したりする可能性があります。長期間放置した場合は、信頼関係を維持できないとして辞任されることもあるでしょう。
すぐに回答できない内容であっても、連絡を受け取ったことや回答できる時期を伝えておく必要があります。
弁護士へ虚偽の申告をする
借入先や借金総額、収入、支出などについて、事実と異なる説明をしてはいけません。任意整理の返済計画は、本人から提供された情報をもとに検討されるためです。
実際より収入を多く申告すれば、毎月の返済可能額が高く見積もられるでしょう。一部の借入先を隠した場合は、その支払いを考慮しないまま和解条件を決めることになりかねません。
虚偽の申告が判明すると、弁護士との信頼関係が崩れ、辞任される恐れもあります。ギャンブルや浪費による借金でも、任意整理を利用できないとは限らないため、伝えにくい事情も正直に申告することが重要です。
退職や収入減などを黙っている
退職や転職、病気、勤務時間の減少などによって収入が変わった場合は、速やかに弁護士へ報告する必要があります。任意整理では、和解後も継続して返済できるかが重視されるからです。
収入が大幅に減ったにもかかわらず、従来の金額を前提に交渉を進めると、実際には支払えない条件で和解することになりかねません。和解後に返済を滞納すれば、残額の一括請求を受ける可能性もあります。
収入が増えた場合も含め、勤務先や給与に変化が生じたときは依頼先へ共有するとよいでしょう。
弁護士を通さず債権者と直接やり取りする
任意整理を依頼した後は、原則として債権者との連絡や交渉を弁護士へ任せます。本人が独自に連絡すると、進行中の交渉と食い違いが生じる可能性があるため注意が必要です。
債権者から連絡を受け、その場で返済額や支払日を約束すると、後から条件を変更するのが難しくなる場合があります。一部の債権者だけに返済すれば、他の支払いに必要な資金が不足するかもしれません。
本人宛てに連絡があった場合は、弁護士へ依頼していることを伝え、担当者へ報告します。ただし、裁判所から訴状や支払督促が届いたときは放置せず、受け取った時点で速やかに共有する必要があります。
任意整理により生じる制限
任意整理の影響は、主に信用情報を利用する契約に対して及びます。ここでは、任意整理により、その後の生活に生じる可能性のある制限を確認します。
クレジットカードの利用や更新
任意整理をすると、債務整理の事実や支払状況などが信用情報機関に登録され、クレジットカードの審査へ影響するのが一般的です。信用情報機関によって登録内容は異なりますが、新規発行は難しくなるでしょう。
任意整理の対象にしたカードは、受任通知がカード会社へ届いた後に原則として利用できなくなります。また家族カードやETCカードが付帯している場合は、併せて停止される可能性があります。
対象から外したカードも、必ず使い続けられるわけではありません。カード会社が更新時や途上与信で信用情報を確認し、利用停止や更新拒否とする場合があります。
登録期間は信用情報機関や契約内容によって異なり、契約終了後から一定期間残る情報もあります。再申込みを検討する際は、信用情報を開示して登録状況を確認するとよいでしょう。
各種ローンの利用
信用情報機関に債務整理や返済状況に関する情報が登録されている間は、住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなどの審査にも通りにくくなります。金融機関が申込者の借入状況や返済履歴を確認するためです。
また短期間に複数のローンへ申し込むと、申込履歴も情報として残ります。登録情報が消えた後も、立て続けの申込みは避けた方がよいでしょう。
一部の賃貸物件の契約
任意整理をしても、賃貸借契約が一律に制限されるわけではありません。家賃を滞納していなければ、現在の住居から任意整理だけを理由に退去を求められる可能性は低いでしょう。
ただし、新たに物件を借りる際、信販会社系の家賃保証会社を利用する場合は、信用情報の影響で審査に通りにくくなることがあります。
審査に不安がある場合は、信用情報を利用しない保証会社を選べる物件や、連帯保証人を立てられる物件を探す方法があります。また家賃をクレジットカードで支払っている方は、カードの停止に備えて口座振替などへ変更できるか確認するとよいでしょう。
任意整理中でもやってよいこと・制限されないこと
反対に、任意整理中でも行えることを紹介していきます。
収入を安定させるための転職
任意整理中でも、転職は自由に行えます。任意整理には、自己破産の手続き中に生じるような職業制限はありません。
現在より収入が増える職場や、雇用が安定している職場への転職であれば、返済を続けやすくなるでしょう。
ただし、収入が大幅に下がる場合や、歩合給の割合が高くなる場合は注意が必要です。毎月の返済額を確保できるか、転職後の手取り額と生活費をあらかじめ試算するとよいでしょう。転職した場合は、勤務先や収入の変化を依頼先の弁護士へ報告します。
生活費を抑えるための引っ越し
任意整理中でも、裁判所の許可を得ずに引っ越せます。家賃の安い物件へ移ったり、実家へ戻ったりすることは、固定費の削減に有効です。
一方、敷金や礼金、仲介手数料、引っ越し代など、まとまった費用が発生します。家賃が下がっても、初期費用によって弁護士費用や返済金を支払えなくなれば本末転倒でしょう。
新居を探す際は、前述した家賃保証会社の審査にも注意が必要です。住所変更後は依頼先へ連絡し、また郵便局への転居届や各種契約の変更手続きも忘れずに行います。
デビットカードやプリペイドカードの利用
クレジットカードが使えなくなっても、デビットカードやプリペイドカードは原則として利用できます。これらは借り入れを伴わず、一般的には信用情報を利用した審査がないためです。
デビットカードは、決済と同時に銀行口座から利用額が引き落とされます。プリペイドカードは、事前に入金した金額の範囲内で使う仕組みです。どちらも支出を管理しやすく、クレジットカードの代替手段になるでしょう。
ただし、後払い機能が付いたスマホ決済などは、新たな支払債務が生じます。任意整理中は、即時払いまたは事前チャージの範囲で利用するのが無難です。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
まとめ
任意整理中は、新たな借り入れや違法業者の利用、SNS上の個人間融資、クレジットカードの現金化を避ける必要があります。任意整理を決めた後に、返済できないと分かりながらカードを利用する行為にも注意が必要です。
また弁護士費用の積み立てを滞納したり、連絡を無視したりすると、手続きが進まなくなる可能性があります。収入や家計の状況が変わった場合は、隠さず依頼先へ共有しましょう。
資金が不足したときは、新たな借金で補うのではなく、弁護士への相談や家計の見直し、公的支援の活用を検討します。返済を継続できない場合は、個人再生や自己破産への切り替えも選択肢になります。
ライズ綜合法律事務所では、月間4,000件、年間5万件の相談実績があり、借金問題に関する相談を受け付けています。電話の他、メールやLINEからお問い合わせを受け付けており、相談料は無料です。まずはお気軽にご相談ください。
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。