債務整理

2026/09/18

個人再生の2回目はできる?条件や注意点・認められない場合の対処法を解説

個人再生の2回目はできる?条件や注意点・認められない場合の対処法を解説

過去に個人再生を利用したものの、再び借金の返済が難しくなり「2回目の個人再生はできるのだろうか」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。一度個人再生をしている状況だと、もう同じ手続きを利用できないのではないかと思ってしまう方もいるかもしれません。

本記事では、2回目の個人再生が可能なケースや確認される条件、認められにくいケース、手続きを成功させるためのポイントについて解説します。借金問題の解決方法を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 2回目の個人再生が可能な条件や、利用時に注意するべき期間制限の内容
  • 裁判所が確認する返済実績や家計状況、借金が増えた理由などの審査ポイント
  • 2回目の個人再生が認められにくいケースや、不認可となった場合の対処法と成功のポイント

個人再生は2回目でもできる?

個人再生は、一定の条件を満たしていれば2回目でも利用できます。申し立てを行う回数自体には制限は設けられていません。

ただし、給与所得者等再生を利用した場合は、認可決定の確定日から7年間、再び給与所得者等再生を申し立てられません。この期間中でも、要件を満たせば小規模個人再生であれば利用できる可能性があります。

また2回目は前回の手続き後に返済が困難となった経緯や、新たな再生計画を履行できる根拠を詳しく確認されるでしょう。小規模個人再生では、債権者の不同意によって再生計画が認可されないリスクもあります。

したがって、2回目だから絶対に利用できないわけではありませんが、前回の利用後に再度借金に困ってしまった経緯を踏まえ、準備を行う必要があります。

2回目の個人再生で確認するべき基本条件

2回目であっても、個人再生の基本的な利用条件は変わりません。ここでは、申し立て前に確認したい3つの条件について解説します。

将来にわたり継続的な収入が見込めること

個人再生は、減額された借金を原則3年間、特別な事情があれば最長5年間で返済する手続きです。そのため、将来にわたって継続的または反復して収入を得られる見込みが必要となります。

とはいっても、対象が会社員や公務員に限られるわけではありません。個人事業主やフリーランスでも、事業の継続性や過去の収入状況から安定した返済が可能と判断されれば、利用できる可能性があります。

一方、失業中で就職の見通しが立っていない場合や、収入が不安定な場合は、個人再生が難しくなるでしょう。

2回目の申し立てでは一層厳しく履行可能性が確認されるため、給与明細や源泉徴収票、確定申告書などを用い、収入が継続する根拠を示すことが重要となります。

再生計画に沿って返済できる見込みがあること

個人再生を利用するには、減額後の借金を再生計画に沿って返済できる見込みが必要です。仮に十分に思える収入があっても、生活費を差し引いた後に返済原資が残らなければ、計画の履行可能性は認められにくいでしょう。

特に2回目では、前回の返済が続かなかった原因を踏まえた計画が求められます。例えば、収入減少が原因だった場合は収入が回復したこと、支出過多が原因だった場合は家計を改善したことを示す必要があるでしょう。

借金総額が上限を超えていないこと

個人再生を利用できるのは、住宅ローン特則の対象となる住宅ローンを除き、借金総額が5,000万円以下の場合です。この条件は、1回目と2回目で変わりません。

借金総額には、原則として元本だけではなく、利息や遅延損害金も含まれます。前回の個人再生後に新たな借り入れを重ねていた場合は、申し立て時点の残高を正確に確認する必要があるでしょう。

複数の借入先があると、本人が把握している金額と実際の債務額が異なることもあります。債権者ごとの残高を整理し、上限を超えていないか確認することが大切です。

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2回目の個人再生で裁判所に確認されるポイント

2回目の申し立てでは、前回の手続き後に再び返済が困難となった経緯が確認されます。ここでは、裁判所が特に確認すると考えられるポイントを見ていきましょう。

前回どこまで返済をしたか

裁判所は、前回認可された再生計画に対し、どの程度まで返済を続けていたのかを確認することがあります。返済が止まったという結果だけではなく、それまでの履行状況や返済できなくなった時期も重要です。

例えば、数年間は計画通りに返済していたものの、病気や失業によって途中から支払いが難しくなった場合、返済意思がなかったとはいえません。予期できない事情が発生したことを資料で示せれば、経緯を理解してもらえる可能性があります。

一方、認可直後から支払いが滞っていた場合や、ほとんど返済していない場合は、計画の立て方や返済意思を疑われる恐れがあるでしょう。前回の返済履歴を整理し、支払えなくなった理由を説明できるようにしておく必要があります。

再び借金問題を抱えた理由

2回目の個人再生では、新たに借金が増えた理由や、前回の再生計画を履行できなくなった原因が確認されます。経緯を曖昧にしたままでは、同じ問題が再発すると判断されかねません。

比較的やむを得ない事情として考えられるのは、次のようなケースです。

  • 病気や怪我によって医療費が増えた
  • 倒産やリストラによって収入が減った
  • 家族の介護や看病で支出が増えた
  • 災害などで生活環境が大きく変化した

一方、ギャンブルや浪費、過度な投資が原因である場合、裁判所や債権者から厳しく見られる可能性があります。

ただし、それだけで個人再生が必ず認められないわけではありません。問題となった行動をやめ、家族による家計管理や依存症治療などの再発防止策を講じている場合は、その内容を具体的に示すことが重要です。都合の悪い事実を隠すのではなく、原因と改善状況を正直に説明する必要があります。

現在の家計収支に無理がないか

裁判所は、収入と支出のバランスを確認し、返済資金を継続して確保できるか判断します。収入に対して固定費や生活費が高過ぎる場合、再生計画を履行するのは難しいと考えられるでしょう。

そのため、申し立て前から家計を見直し、毎月の返済原資を確保することが必要です。家賃や通信費、保険料、サブスクリプションなどに削減できる支出がないか確認します。

ただし、計画上の数字を合わせるために食費や医療費を過度に低く見積もるのは適切ではありません。実際に返済を始めた後に維持できなくなり、行き詰まる可能性があるためです。

家計簿や通帳などを通じて、一定期間にわたり収支が安定していることを示せれば、再生計画の説得力が高まるでしょう。

再び返済不能になるリスクがないか

現在は返済資金を確保できていても、その状態が返済期間中に続かなければ意味がありません。そのため裁判所は、将来再び返済不能になる可能性についても確認することがあります。

例えば、正社員として一定期間勤務していることや、事業収入が安定していることは、返済継続の見込みを裏付ける要素です。一方、転職直後であったり開業して間もなかったりする場合は、今後の収入を継続できるか慎重に判断されるでしょう。

また近い将来に教育費や医療費が増える予定がある場合は、それらを含めて返済可能かを検討する必要があります。現在の収支だけを基準にすると、予定外の負担に対応できなくなるかもしれません。

2回目の個人再生が認められにくいケース

2回目の申し立てが可能でも、手続きの種類や前回の経緯によっては認可を得にくい場合があります。ここでは、代表的な4つのケースを解説します。

前回が給与所得者等再生だった場合

前回の個人再生で給与所得者等再生を利用した場合、認可決定の確定日から7年間は、再び給与所得者等再生を申し立てられません。

給与所得者等再生は、債権者の同意を得なくても再生計画が認可される可能性のある手続きです。そのため、短期間に繰り返し利用されないよう制限が設けられています。

ただし、収入などの要件を満たし、債権者の不同意が一定数に達しなければ小規模個人再生は利用できる可能性があります。

前回でハードシップ免責を受けた場合

ハードシップ免責とは、再生計画に基づく返済を一定程度行った後、本人に責任のない事情で支払いを続けられなくなった場合に、残りの債務の免責を受ける制度です。一定の要件を満たした場合に限って認められます。

前回の個人再生でハードシップ免責を受けた場合も、その決定の確定日から7年間は給与所得者等再生を利用できません。またハードシップ免責後に再び借金問題を抱えた場合、裁判所は前回返済できなくなった理由と、その後の生活状況を確認するでしょう。前回と同様の問題が残っていれば、新たな再生計画の実現性を疑われる可能性があります。

小規模個人再生で債権者から反対された場合

小規模個人再生では、再生計画案について債権者の意見を聞く段階があります。不同意と回答した債権者が一定数に達すると、再生計画は認可されません。

具体的には、不同意とした議決権者が半数以上となった場合、または不同意とした議決権者の債権額が議決権総額の2分の1を超えた場合です。人数と債権額のどちらか一方の条件に該当すると、手続きは成立しません。

特に大口債権者がいるケースでは、その1社の不同意だけで債権額の要件に該当することがあります。2回目で同じ債権者が含まれている場合、過去の経緯から反対される可能性も否定できないでしょう。

1回目と同じ内容の再生計画案を提出した場合

前回の再生計画を履行できなかったにもかかわらず、収入や支出がほとんど変わっていない計画を提出すると、再び返済が行き詰まると判断される恐れがあります。

2回目の申し立てでは、前回失敗した原因を解消した上で作成した現実的な再生計画を提出することが望ましいです。収入不足が原因であれば安定した収入を得ていること、支出過多が原因であれば家計を改善した事実を反映させます。

また毎月の返済額を確保できても、余裕がほとんどない計画では不測の出費に対応できません。前回と同じ失敗を防ぐには、ある程度の余裕を持たせる必要があるでしょう。

2回目の個人再生が認められない場合の対処法

2回目の個人再生が不認可となっても、借金問題を解決する方法がなくなるわけではありません。ここでは、不認可後に検討できる4つの対処法を紹介します。

不認可の理由を確認する

不認可決定を受けた場合は、まず理由を正確に把握する必要があります。原因によって、その後に取るべき対応が異なるためです。

例えば、小規模個人再生における債権者の不同意が原因なら、給与所得者等再生を選択できるかを検討します。返済能力が不十分と判断された場合は、家計や返済額を見直さなければなりません。

その他、収入の継続性、提出資料の不足、再生計画案の内容などが問題となるケースもあります。問題点を解消せずに再申し立てを行っても、同じ理由で不認可となる可能性が高いでしょう。

裁判所の判断内容を確認し、改善できる問題なのか、それとも別の債務整理を選ぶべきなのかを整理することが重要です。

即時抗告を検討する

再生計画の不認可決定に納得できない場合は、即時抗告によって上級裁判所の判断を求められます。申立期間は、不認可決定の告知を受けた日から2週間です。

即時抗告が行われると、高等裁判所が不認可決定の妥当性を審理します。裁判所の法令解釈や事実認定に誤りがあると判断された場合には、不認可決定が見直される可能性があります。一方、単に返済能力が不足していると判断されれば、結論が変わらないこともあるでしょう。

申立期間が短いため、不認可決定を受けたら早めに弁護士へ相談し、抗告する合理的な理由があるか判断する必要があります。

再生計画を見直して再申し立てを検討する

不認可の原因を解消できる場合は、再生計画を見直した上で再度申し立てる方法もあります。ただし、同じ内容のまま申し立てても、認可を得るのは難しいでしょう。事情が変わった旨や、計画を見直した点が分かるようにしなければなりません。

また提出資料に不備があったときは、必要な書類をそろえ、説明不足だった点も補います。前回の問題が解消されたことを客観的に示せる状態にしておくことが重要です。

なお、再申し立てを行うと、裁判所費用や弁護士費用などが改めて発生する可能性があります。費用や手続きにかかる負担も踏まえ、再申し立てが適切か検討した方がよいでしょう。

自己破産への切り替えを検討する

継続的な収入がなく、減額後の借金も返済できない場合は、自己破産への切り替えが選択肢となります。自己破産では、免責許可決定を受けると、税金などの非免責債権を除き借金の支払義務が免除されます。

個人再生とは異なり、免責許可を得られれば返済を続ける必要はありません。そのため、収入が大幅に減少した方や、家計を見直しても返済原資を確保できない方に適している場合があります。

一方、一定以上の価値がある財産は、原則として処分の対象です。持ち家や高額な自動車などを所有している場合は、手放さなければならない可能性があるでしょう。

収入や財産、今後の生活などを考慮し、個人再生と自己破産のどちらが適しているか判断することが大切です。

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2回目の個人再生を成功させるためのポイント

2回目の個人再生では、前回と同じ問題を繰り返さないための準備が欠かせません。ここでは、申し立て前に取り組みたい4つのポイントを解説します。

借金が増えた原因を整理しておく

前回の手続き後に借金が増えた原因や、返済が難しくなった経緯を時系列で整理しておきます。原因が曖昧なままでは、有効な再発防止策も立てられません。

病気や失業などが原因の場合は、診断書、離職票、収入資料など、事情を裏付ける書類を用意します。家族の介護や災害などが影響しているときも、客観的な資料があると説明しやすいでしょう。

浪費やギャンブルなどが原因であれば、事実を隠さず、現在は行っていないことを示す必要があります。家計を家族に管理してもらう、利用限度額を設ける、専門機関に相談するといった対策も有効です。

原因と改善策を一体として説明できれば、同じ問題が再発する可能性は低いと判断してもらいやすくなります。

家計を見直して返済原資を確保する

再生計画を履行するには、返済に充てる資金を毎月安定して残す必要があります。申し立てを決めてから一時的に節約するのではなく、継続可能な家計を作ることが大切です。

まずは家計簿を作成し、固定費と変動費を整理します。家賃や保険料、通信費などの固定費を削減できないかを検討してみましょう。

残業や副業、転職などで収入を増やすのも選択肢の一つです。ただし、実現していない収入を前提に返済計画を作ると、計画の実現性を疑われる可能性があります。

給与明細や通帳によって、改善後の家計が一定期間続いていることを示せる状態にするのが理想です。急な医療費や修繕費なども考慮し、余裕を持った返済額を設定する必要があります。

債権者の反対リスクを事前に確認する

小規模個人再生を利用する場合は、債権者ごとの債権額や過去の対応を確認しておきます。大口債権者が不同意とする可能性が高ければ、再生計画が成立しないリスクがあるためです。

特に、前回と同じ債権者が含まれている場合は、再度の減額に反対される可能性も考えられます。ただし、債権者がどのように回答するかを事前に確実に予測することはできません。

そのため、不同意が生じた場合の影響を債権額と人数の両面から確認しておくことが重要です。給与所得者等再生を利用できる場合は、可処分所得額に基づく返済額なども含めて比較します。

各手続きのメリットだけではなく、返済額や認可要件も踏まえ、自身の状況に適した方法を選ぶ必要があるでしょう。

弁護士に相談して手続き方針を立てる

2回目の個人再生では、前回の手続き内容や返済状況を踏まえて方針を決める必要があります。早い段階で弁護士に相談すれば、利用条件や不認可となるリスクを整理しやすくなるでしょう。

弁護士には、申立書や再生計画案の作成、必要資料の確認、裁判所とのやり取りなどを依頼できます。小規模個人再生と給与所得者等再生のどちらが適しているかについても、債権者の構成や返済額を踏まえた助言を受けられるでしょう。

まとめ

個人再生には原則として利用回数の上限がないため、一定の条件を満たせば2回目も申し立てられます。ただし、給与所得者等再生の認可決定やハードシップ免責の決定が確定してから7年間は、給与所得者等再生を再び利用できません。

2回目の手続きでは、前回の返済実績、再び借金問題を抱えた理由、現在の家計、将来の返済可能性などが確認されます。前回の失敗原因を整理し、生活状況が改善したことを客観的な資料で示す必要があるでしょう。

不認可となった場合は理由を確認した上で、即時抗告や再申し立て、自己破産への切り替えなどを検討します。どの方法が適しているかは、収入や財産、債権者の構成によって異なります。

2回目の個人再生を検討している方は、早めに専門家へ相談することが大切です。ライズ綜合法律事務所では、月間4,000件、年間5万件の相談実績を有し、多くの借金問題に対応してきました。電話・メール・LINEからのお問い合わせに対応しており、相談料は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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このページの監修弁護士

弁護士

久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。

弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。