債務整理

2026/09/16

債務整理後でもデビットカードは作れる?審査や発行時のポイント・注意点とは?

債務整理後でもデビットカードは作れる?審査や発行時のポイント・注意点とは?

「借金返済が厳しいけれど、債務整理でカードが使えなくなるのは困る」と悩んでいる方も多いでしょう。いわゆるブラックリストへの登録と天秤にかけて迷うのも無理はありませんが、放置するのは危険です。債務整理後でもクレジットカードのような与信審査が原則不要のデビットカードなどの代替手段を活用すれば、生活に支障は出にくいといえます。

本記事では、債務整理によるクレジットカードへの影響やデビットカードの活用法を解説します。この記事を読むことによって、生活再建に向けた判断基準と具体的な行動プランが明確になるでしょう。

【この記事で分かること】

  • 信用情報機関への事故情報登録に伴うカード解約・利用制限の仕組み
  • ブラックリスト入りの期間中でもデビット機能付きカードを発行できる理由
  • 過去の整理対象を避ける選び方や口座残高・月額決済に関する注意点

債務整理をするとクレジットカードはどうなる?

住宅費や日々の生活費によって借金の返済負担が膨らみ、債務整理を検討している方も多いでしょう。保有するクレジットカードが債務整理後どうなるのかは、多くの方が気になる問題です。

実際のところ債務整理後は、原則として一定期間、カードの利用や新規契約に制限がかかります。また手続きの対象に選んだカードだけでなく、対象外としたカードや付随する家族カードなども含め、利用停止や強制解約といった処分が行われるのが一般的です。

まずは、債務整理がクレジットカードに及ぼす具体的な影響や既存の契約が強制的に解除されるタイミング、使えなくなる付帯カードの範囲について、実際の信用情報の仕組みを交えながら解説します。

信用情報機関に事故情報が登録され使用・新規作成ができなくなる

債務整理とは、法律に基づいて借金の減額や免除を求める手続きのことです。具体的には、弁護士が債権者と直接交渉をして将来の利息をカットしてもらう任意整理、裁判所を通じて借金を圧縮してもらう個人再生、全ての返済義務を免除してもらう自己破産などの手続きがあります。これらの債務整理を行う場合、個人の経済的信用を記録・管理する信用情報機関(CIC・JICC・KSCなど)に事故情報が登録されます。これが、いわゆる「ブラックリスト入り」と呼ばれる状態です。

登録期間は、手続きの完了や完済から基本的には約5〜7年間であり、この間は各カード発行会社の審査に通らず、原則として新たなクレジットカードの作成や既存カードの使用が難しくなります。例えば、買い物をするためにお店でカードを提示したり、インターネット通販の決済画面で情報を入力したりしても、信用情報の審査落ちによって決済を断られるケースがあるのです。

契約中のクレジットカードはほとんどの場合強制解約となる

弁護士に債務整理を依頼し、クレジットカード会社に受任通知が送付された場合、対象のカードは強制解約となり利用できなくなります。また、債務整理の対象から意図的に外したクレジットカードも、カード会社が定期的な与信審査をした際(途上与信)や更新のタイミングで信用情報機関の事故情報を確認した際に、利用停止となる可能性が高いです。

例えば、債務整理を行っていない会社の特定のカードだけを手元に残したとしても、数カ月後の途上与信でブラックリスト入りの状態であることが発覚し、突然使えなくなる恐れがあります。後から慌てることのないよう、受任通知を送る前に、未払いの残高や自動引き落としの有無などを細かく確認しておくことが重要です。

自分が本会員のETCカードや家族カードも使えなくなる

自分が本会員として契約しているクレジットカードが債務整理によって利用停止や強制解約となった場合は、それに付随して発行されたETCカードや家族向けに発行されている家族カードも、同時に使えなくなります。

例えば、父親が本会員として発行した家族カードを子どもが買い物などに利用していると、本会員の信用が失われた時点で、家族側のカードも同時に利用できなくなります。そうなると、ある日突然、家族がお店のレジや有料道路の料金所でカードが使えず困惑するなどの事態に陥る可能性が高いです。

トラブルを避けるためには、付帯カードの利用もできなくなる旨を、弁護士の手続きが始まる前に家族へ共有しておかなくてはなりません。

債務整理後(ブラックリスト入りの状態)でもデビットカードなら使用・新規作成が可能

債務整理によってクレジットカードが強制解約されてしまった後でも、デビットカードであれば新規作成をして決済に利用できます。ここからは、ブラックリスト入りの期間中における生活の利便性を維持する手段として、デビットカードについて詳しく解説します。

デビットカードとは?

デビットカードとは、実店舗やインターネットなどの支払い端末で決済した瞬間に、ひも付けられた銀行口座から利用額をすぐに引き落とすことで、支払を完了させられる仕組みのカードです。

例えば、口座残高が5,000円の状態で1万円の買い物をしようとお店でデビットカードを提示した場合、その場で決済エラーとなって支払を完了させられません。

債務整理後でもデビットカードを作成できる理由

デビットカードは、カード会社が代金を一時的に立て替えるという仕組みではありません。そのためクレジットカードとは異なり、カードを発行する際に信用情報機関へ照会することはなく、金融事故情報が登録(ブラックリスト入り)されていても、原則として作成可能です。

例えば自己破産の免責が確定した直後の期間、あるいは任意整理の手続き中であっても、銀行口座の残高からその場で即時決済するという特性上、過去の信用トラブルに関係なくカードを発行してもらえます。銀行にとっては立て替えリスクがないため、信用情報を理由として発行を制限していないのが一般的です。

デビットカードを作成するために必要なもの

デビットカードを作成するためには、引き落とし元となる銀行口座の開設が欠かせません。口座開設時には運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が求められます。

例えば、スマートフォンアプリを使用してインターネット上で手続きを完結させる場合は、これらの書類をカメラで撮影して送信するだけで完了します。手続きがスムーズに進めば、数日から1週間程度でカードが自宅に届くでしょう。

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債務整理後にデビットカードを作成するメリット

デビットカードを活用することで、クレジットカードを失った後でも不便を感じることなく健全なお金の使い方を身に付けながら、安定した生活を再建していくことができます。具体的な利点を3つ紹介します。

家計管理がしやすくなる

デビットカードは口座残高の範囲内でしか利用できないため、クレジットカードのように「使い過ぎて後から高額な請求が来る」といった事態を防ぐことが可能です。これにより、債務整理後の生活再建期間においても、予算内での計画的な家計管理が容易になります。

例えば、毎月の生活費として5万円を専用の口座にあらかじめ入金しておけば、その金額を超えた支出を物理的にブロックして無理のないやりくりを徹底できます。現金払いと同じ感覚でリアルタイムに口座残高が減るため、現在の経済状況を常に正確に把握しながら、手元の資金の範囲内で計画的な生活習慣を身に付けることが可能です。

ECサイトでのショッピングに利用できる場合がある

デビットカードには、銀行のキャッシュカードをそのまま使用できる「J-Debit」と、VISAやJCBなどの国際ブランドが付いている「ブランドデビット」の2種類があります。

ブランドデビットであれば、実店舗だけでなく、Amazonなどのインターネット通販サイト(ECサイト)でも、クレジットカードと同様にカードの番号を入力して決済に利用可能です。これにより、クレジットカードがなくてもインターネットショッピングの利便性を維持できます。

例えば、代引き手数料を無駄に支払う必要がなくなる他、注文と同時に支払いを完了させることで、スムーズに商品を発送してもらうことが可能となります。現代の生活においてインターネットでの買い物やオンラインサービスの利用は欠かせませんが、クレジットカードを契約できないブラックリスト入りの期間中であっても、デビットカードがあればデジタル決済の恩恵をそのまま受けられるでしょう。

お得なキャンペーンやポイントの対象となる

デビットカードを利用することで、各銀行やカード発行会社が提供するキャッシュバックやポイント還元の対象となることが多いです。現金で支払うよりお得に買い物ができ、日々の節約にもつながるというメリットがあります。

例えば利用金額の0.5%が毎月自動的に口座へ現金として払い戻される銀行を選ぶと、普段通りに買い物をするだけで、効率よく生活費を浮かせることが可能です。現金での支払いを重ねただけでは還元を受けられませんが、デビットカードを賢く日常の決済に取り入れれば、生活再建に必要な貯蓄のペースを少しずつ早めることができるでしょう。

債務整理後にデビットカードを作成・発行する手順

デビットカードの作成手続きはシンプルで、以下のステップを順番に進めるだけで比較的簡単にカードを入手可能です。

国際ブランド(VISA、JCBなど)が付帯したカードを選ぶ

クレジットカードのように幅広い店舗やインターネット通販などで利用したい場合は、国際ブランドが付帯したブランドデビットを選びましょう。例えば、VISAのマークが付いているデビットカードを選んでおけば、国内外のVISA加盟店にて、クレジットカードと同じように決済することが可能です。

金融機関で口座を開設する

デビットカードを利用する際には引き落とし口座が必要なので、まずは希望する金融機関で口座開設の手続きを行わなくてはなりません。債務整理後であっても金融機関の口座開設はブラックリスト入りの影響を受けないため、通常通り手続きを進めることが可能です。例えば、主要なインターネット銀行のWebサイトから申し込んだ際は、来店不要で数日程度で口座を用意できます。

デビットカードの申し込みをする

口座開設の申し込みと同時に、デビットカード機能付きのキャッシュカードを選択します。現在は店舗窓口だけでなく、インターネットやアプリからでも簡単に申し込みが可能です。例えば、マイページにログインして切り替えボタンを押すだけで手続きが完了します。

なお、すでに口座を持っている銀行でデビットカードの追加発行を申し込む方法もあります。

債務整理後にデビットカードの発行手続きをスムーズに進めるためのポイント

デビットカードは、原則としてクレジットカードのような与信審査なしで発行できますが、申し込みの手順や金融機関の選び方を誤った場合、手続きがスムーズに進まなくなるため注意が必要です。トラブルを未然に防いでカードを入手するためには、事前の準備と確認をしっかりと行いましょう。

債務整理の対象とした金融機関での申し込みは避ける

デビットカード自体には信用情報の審査はありませんが、過去に債務整理の対象とした金融機関での口座開設や申し込みは避けるべきです。金融機関内部の独自データに過去のトラブル情報が残っており、デビットカードの発行を断られる場合があるからです。債務整理とは関係のない金融機関を選ぶことをおすすめします。

例えば過去に特定の地方銀行のローンを任意整理の対象に含めていた場合、その銀行で新しくデビットカードを申し込んでも、社内審査によって発行が見送られるリスクが高いでしょう。一度も取引がない別のインターネット銀行などへ申し込むのが賢明です。

口座開設時の本人確認など銀行の基本要件を確実に満たす

デビットカードを発行するためには、銀行口座の開設審査を通過する必要があります。本人確認書類の提出を正確に行う、反社会的勢力に該当しないなど、各金融機関が定める口座開設の基本要件をしっかりと満たすことが発行のためのポイントです。

例えば引っ越し直後で運転免許証の住所変更手続きを済ませていない場合、申し込みフォームに入力した現住所と添付書類の記載が一致しないため、書類不備として口座開設を断られてしまいます。氏名や生年月日などの入力情報に誤字脱字がないかを送信前に細かく確認し、正しい書類を提出することが不可欠です。

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債務整理後にデビットカードを利用する際の注意点

デビットカードは、ブラックリスト入り期間中の生活を支える非常に便利な決済ツールですが、クレジットカードとは異なる独自の制限が存在します。後で困らないように事前に把握しておくことが重要です。

口座残高以上の支払いはできない

先述の通りデビットカードは決済と同時に引き落とされる仕組みなので、銀行口座の残高が1円でも不足していると、決済エラーとなり利用できません。これは家計管理のしやすさにつながる反面、クレジットカードのように「翌月払いでとりあえず買う」ということができない状態でもあります。

例えばレジでの会計時に合計金額が5,000円であるのに対し、ひも付いている銀行口座の残高が4,990円しか残っていなかった場合は、その場でカードの承認が拒否されて支払いに失敗してしまいます。メインカードとして日常的に使う場合は、スマートフォンの銀行アプリなどで残高を小まめに把握する習慣が不可欠です。

一部の月額料金の支払いには利用できない

携帯電話料金やインターネット回線料金などの月額サービスでは、デビットカードによる支払いに対応していない場合があります。近年は対応する事業者が増えているものの、格安SIM事業者や一部のインターネットプロバイダーでは、支払方法をクレジットカードに限定しているケースも存在します。利用を検討しているサービスがある場合は、事前に対応状況を確認しておきましょう。

例えば格安SIMや地域限定のインターネット回線サービスへ申し込む際、デビットカードを登録できず、決済画面でエラーとなることがあります。こうした場合は、口座振替や払込票による支払いなど、事業者が指定する別の支払方法を利用する必要があります。

クレジットカードのようなキャッシング機能や分割払いは利用できない

デビットカードには、現金を借り入れできるキャッシング機能は付いていません。また支払い方法は一回払いのみで、クレジットカードのように、分割払いやリボ払いを利用して支払いを先延ばしにすることは不可能です。

例えば店頭で高額な家具を購入する場合に、店員へ「2回払いでお願いします」と伝えてデビットカードを出しても、システム上、一括での即時引き落としにしか対応していないため処理できません。手元に一括で支払える自己資金が十分でない状態では、買い物ができないことを覚えておきましょう。

債務整理後でも使用できるその他のカード

債務整理によってクレジットカードを失ってしまっても、日常生活のキャッシュレス決済を補う手段はデビットカードだけではありません。審査不要で手軽に利用できる便利な選択肢は、他にも残されています。

【交通ICカードなど】プリペイド式・デポジット式のカード

PASMOやSuicaなどの事前チャージ式プリペイドカードは、入会審査が不要で作成・利用可能です。またETCカードが使えなくなった場合の代替として、事前にデポジット(保証金)を預けることで作れるETCパーソナルカードなども活用できます。

毎日の通勤や買い物には駅の券売機などでチャージした交通系ICカードを使い、車を運転する際はETCパーソナルカードを車載器に挿入すれば、クレジットカードがなくてもこれまで通りの移動や決済をスムーズに行うことが可能です。

【家族カードなど】他の人が契約しているクレジットカードの与信枠

債務整理によるブラックリスト入りは本人の信用情報にのみ影響するため、配偶者や家族の信用情報に影響することはありません。そのためカード会社の基準にもよりますが、家族が契約しているクレジットカードの家族カードを発行してもらえば、クレジットカード決済を続けることが可能な場合があります。

例えば安定した収入がある配偶者が本会員として契約しているカードがあれば、そこから追加で家族用のカードを発行してもらうことで、通常のクレジットカードと同様の利便性を得ることができます。

まとめ

債務整理後にクレジットカードを失っても、デビットカードなどを賢く活用すれば、日常生活の利便性を大きく損なうことなく前を向いて生活を送ることが可能です。カードが使えなくなる不安から手続きを先延ばしにしていると、遅延損害金が膨らみ続け、給与の差し押さえなどのリスクが高まるので注意が必要です。

どういった手続きが適しているのか分からず悩んでいる方は、弁護士法人ライズ綜合法律事務所へお気軽にご相談ください。当事務所には月間4,000件、年間5万件の相談実績があります。メールやLINEなどでの無料相談にも対応しておりますので、まずは一歩を踏み出してみませんか。

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このページの監修弁護士

弁護士

久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。

弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。