債務整理

2026/04/08

債務整理のデメリットとは?メリットとの比較や手続きを行うリスクを解説

債務整理のデメリットとは?メリットとの比較や手続きを行うリスクを解説

「毎月の返済はできているが元金が減らない」「カードが使えなくなるのは困る」。そんな不安から一歩踏み出せずにいる方も多いでしょう。債務整理にはデメリットがありますが、解決を先延ばしにすると状況が悪化する恐れがあります。

本記事では、債務整理において生じるデメリットおよび生活への具体的な影響を、メリットと比較しながら解説します。

【この記事で分かること】

  • 債務整理の基礎知識と3つの手続きの概要
  • 信用情報や資産への具体的な影響
  • 債務整理を行うことにより想定されるリスク

債務整理の基礎知識

まずは、債務整理とは何か、覚えておきたい基礎知識を紹介します。

債務整理とは?

債務整理とは、一言で説明すると「法的手段または交渉を通じて借金問題を解決する方法」です。

民法上「債務」は、相手方に「〇〇する(しない)義務」を指します。とくに、債務整理と呼ばれるケースでは、金銭消費貸借契約に基づき負担した債務(借りたお金の返済義務)が債務の一例です。

まずは、債務整理の方法や対象になる借金(債務)の種類について、概要を紹介します。

債務整理の対象

詳しくは後述しますが、債務整理の手段としては、以下のように3つの方法があります。それぞれ対象となる借金が異なるため、一例を紹介します。

【任意整理】

債権者との話し合いで、利息分の減額・返済回数の調整を行う方法です。主に、以下の借金が対象となります。

  • 銀行のカードローン
  • 消費者金融からの借入
  • クレジットカードの支払い

住宅ローンや自動車ローンは、債務整理ができないことはないものの、住宅に対する不動産担保権の実行(競売)や所有権留保に基づく車の引き上げのリスクがあるため、一般的には任意整理の対象とはしません。

【自己破産】

裁判所の手続きによって、債務の支払いを免除してもらう方法です。一部の例外を除き、次のような種類の債務が免責の対象となります。

  • 銀行のカードローン
  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • 消費者金融からの借入
  • クレジットカードの支払い
  • 奨学金
  • その他個人からの借入

自己破産では、住宅ローンや自動車ローンも免責の対象になります。ただし、この場合住宅や自動車は失う可能性があります。

【民事再生(個人再生)】

民事再生(個人再生)も、自己破産と同じく裁判所の手続きによる債務整理方法です。自己破産と異なるのは、自己の財産の管理処分権を失わずに、債務の減免を図ることができる点です。

民事再生(個人再生)では、次のような借金が債務整理の対象となります。

  • 銀行のカードローン
  • 自動車ローン
  • 消費者金融からの借入
  • クレジットカードの支払い
  • 奨学金
  • その他個人からの借入

住宅ローンはこれまで通り持ち家に住み続けながらの債務整理が可能です。また、自動車ローンを個人再生で整理すると、原則、ローンの残っている自動車は回収されます。

債務整理の対象にならない債務

債務整理を行ってもすべての支払い義務がなくなるわけではありません。法律上、返済義務が免除されない債権を非免責債権と呼び、これらは債務整理の対象としては適しません。

なぜなら、破産法により免責を認めるべきではないと規定されているからです。例えば、自己破産で借金がゼロになっても、以下の支払いは継続する必要があります。

  • 税金・公課:住民税、所得税、国民年金保険料など
  • 養育費・婚姻費用:子供の生活費など
  • 損害賠償金:悪意で加えた不法行為に基づくもの
  • 罰金:刑事事件の罰金など

つまり、滞納した税金や養育費を帳消しにする目的で債務整理を行うことはできません。

※参考:e-Gov 法令検索.「破産法」.”第二百五十三条”.

https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075#Mp-Ch_12-Se_1-At_253 ,(参照2025-12-11).

債務整理の主な3つの概要

債務整理には主に3つの手続きがあり、借金額や収入、資産状況によって適した方法が異なります。

ここではメリット・デメリットの比較に入る前に、それぞれの法的な仕組みや費用の目安といった概要を解説します。

任意整理

任意整理は、裁判所を通さずに、弁護士などの専門家が代理人となって債権者()と直接交渉を行う手続きです。

国が定める法的手続きではないため、柔軟な解決が可能です。具体的には、将来発生する利息(将来利息)のカットや、遅延損害金の免除を求め、残った元金のみを3~5年(36回~60回払い)程度で分割返済する和解を目指します。

【弁護士に依頼した場合にかかる費用(税込)】

弁護士費用

着手金2万円~

+減額報酬10%程度、解決報酬金など

費用総額

5万円~

※費用は2025年12月11日時点の目安です。

着手金は債権者1社当たりの金額なので、整理する対象の社数によって総額が変動します。例えば、1社だけの整理よりも、3社の整理を依頼する場合の方が弁護士費用の総額は高くなります。

依頼から手続き完了までの期間はおおむね6カ月程度です。

任意整理の費用について、詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

任意整理の費用相場は?弁護士へ依頼する際の料金は分割払いできる?

民事再生(個人再生)

民事再生(個人再生)は、裁判所に申し立てて、法定弁済基準により借金を大幅に減額してもらう手続きです。借金の総額や保有資産に応じて、元本を5分の1~10分の1程度に圧縮し、原則3年(最長5年)で分割返済します。

手続きには、自営業者なども使える小規模個人再生、および会社員向けの給与所得者等再生の2種類があります。

【弁護士に依頼した場合にかかる費用(税込)】

弁護士費用

30~60万円程度

裁判所費用

2万5,000円~

個人再生委員が選出される場合はプラス15~25万円程度

費用総額

50~90万円程度

※費用は2025年12月11日時点の目安です。

例えば、住宅ローン特則を利用することで、住宅ローンの返済は続けながらそれ以外の借金を減額して持ち家を守ることが可能です。

依頼から手続き完了までの目安は、6カ月から1年程度です。

民事再生(個人再生)の費用について、詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

個人再生の費用はいくらかかる?相場や払えない場合の対処法は?

自己破産

自己破産は、裁判所に申し立てを行い、支払い不能であることを認めてもらい、借金の返済義務をすべて免除(免責)してもらう手続きです。一定以上の価値がある財産は処分され、債権者への配当に充てられますが、借金はゼロになり以降の返済は不要となります。

保有資産の状況により、手続きは大きく2つに分かれます。

(1)同時廃止事件

財産がほとんどない場合の手続き。開始決定と同時に手続きが終了するため、費用も期間も抑えられます。

(2)管財事件

一定の財産がある場合の手続き。破産管財人が選任されて、財産の調査・管理・処分などを行います。

【弁護士に依頼した場合にかかる費用(税込)】

弁護士費用

30万~60万円程度

裁判所費用

1万~80万円

同時廃止事件:1~2万円

少額管財事件:20万~30万円程度

通常管財事件:50万~80万円程度

費用総額

30万~160万円程度

※費用は2025年12月11日時点の目安です。

例えば、収入が全くなく返済の目処が立たない場合や、借金額が大き過ぎて個人再生でも返済が不可能な場合に選択されます。

依頼から手続き完了までの期間は6カ月~1年程度です。

自己破産の費用について、詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

▼自己破産の費用相場は?弁護士に相談する場合の金額や手続きの流れを解説

毎月の返済が
不安になってきた方へ

いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です

  • 相談料は何度でも0円
  • 分割払い対応
  • 最短で即日取り立てストップ

債務整理のメリット

債務整理を行うメリットは、借金の返済負担を軽減、あるいは無くせることです。

それぞれの手続きにより、以下のような負担軽減が期待できます。

  • 任意整理:将来利息のカット、毎月の返済額の減額
  • 民事再生(個人再生):法定の弁済基準に基づく大幅な減額。ただし、総債務額に応じた最低弁済額は残る
  • 自己破産:免責により借金の返済義務が免除。ただし、税金や国民年金保険料など非免責債権は除く

また弁護士に依頼することで、さらにメリットを得られます。例えば、受任通知の送付により取り立てが止まることが挙げられます。

依頼を受けた弁護士が受任通知を債権者に送付し、先方に到達すると、貸金業法の規制により債権者からの電話や訪問での直接の督促が制限されます。

例えば、毎日のように鳴っていた督促の電話が止まるだけでも、精神的な負担は大きく軽減され、冷静に生活再建について考えられるようになるでしょう。

債務整理のデメリット

ここからは、債務整理のデメリットについて解説します。

ブラックリストや保証人への影響といった、手続きを行う上で避けられない制度上の不利益が存在します。

ブラックリストに載る

債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報として登録されます。これがいわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。

事故情報が登録されると、個人の信用力が著しく低下したと判断されます。リストから削除されるまでの期間の目安は、手続きや信用情報機関によって異なりますが、おおむね以下の通りです。

  • 任意整理:完済から5年程度
  • 民事再生(個人再生):手続き開始決定から5~7年程度
  • 自己破産:免責許可決定から5~7年程度

例えば、この期間中は、後述するクレジットカードの作成やローンの審査において不利になります。

保証人が返済の義務を負う

借金に連帯保証人や保証人が設定されている場合、債務整理を行うと保証人に迷惑がかかる可能性があります。

民事再生・自己破産の場合は、本人が返済不能であることを認める手続きのため、債権者は保証人に対して残額の返済を請求します。

一方、任意整理の場合は、保証人が付いている借金を除外して整理を行うことで保証人への請求を回避することが可能です。しかし、保証人が付いている借金を含めて整理する場合、合意に至らなければ保証人に請求が行きます。

例えば、奨学金の保証人になってもらっている親族がいる場合は、自己破産をすると親族へ請求が行くため、事前に十分な説明と対策が不可欠です。

手続きや依頼に費用がかかる

借金を整理するためとはいえ、手続き自体に一定の費用がかかるのもデメリットです。

任意整理を行う場合は弁護士費用(着手金や報酬金)、民事再生や自己破産をする場合は弁護士費用に加えて裁判所へ支払う予納金などが原則としてかかってきます。

例えば、自己破産の管財事件となった場合、数十万円単位の予納金を準備しなくてはなりません。ただし、多くの法律事務所では費用の分割払いに対応しており、受任通知により返済が止まっている間に費用を積み立てる形で支払うことが一般的です。

債務整理を行うリスク

債務整理は膨らんでしまった借金の問題を解消するのに役立ちますが、手続きを行うことで一定の不利益や制約が発生することもあります。

ここでは、前述のデメリットに伴い、生活上で具体的にどんな影響が出るのかを詳しく解説します。

クレジットカードを作れなくなるリスク

先述のように、債務整理を行うとブラックリストに登録されるため、その期間中はクレジットカードの新規作成が極めて困難になります。また現在利用中のクレジットカードについても、途上与信(カード会社による定期的な信用情報のチェック)や更新のタイミングで利用停止となり、強制解約されるリスクが高いです。

例えば、公共料金や動画配信などのサブスクリプションサービスの支払いをカード払いにしている場合、決済ができなくなるため、口座振替やコンビニ払いへの変更手続きが必要になります。なお、銀行口座から即時に引き落とされるデビットカードや、事前にチャージするプリペイドカードであれば信用情報の審査がないため、代替手段として利用可能です。

ローンが組めなくなるリスク

同様にブラックリストに登録されている間は個人の信用力が低下していると見なされ、各種ローンの審査に通りにくくなります。

(1)自動車ローン

マイカーローンが組めないため、車を購入する場合は現金一括払いや、販売店独自の自社ローンなどを検討する必要があります。

(2)住宅ローン

新規契約はもちろん、既存ローンの借り換えも難しくなります。

(3)教育ローン

子供の進学費用などで利用する国の教育ローンや銀行のローンも審査対象です。

またスマートフォンの端末代金の分割払いも割賦契約なので審査があり、利用できないケースが多いです。例えば、高額な最新機種を購入する際は、一括払いを求められる可能性があります。

家や車、預金に及ぶ処分や回収のリスク

債務整理の手続きによっては、現在所有している財産を手放さなければならないリスクがあります。

主な財産への影響を一覧表で比較します。

手続きの種類

家(持ち家)

預金・その他財産

備考

任意整理

交渉対象から外せば残せる

ローン支払い中の場合、対象から外せば残せる

基本的に影響なし

交渉対象から外せば財産を残せる場合がある

民事再生(個人再生)

住宅ローン特則の利用で残せる可能性あり

ローン支払い中の場合、引き揚げられる可能性が高い

一定額以上の財産価値は返済額に反映されるが、処分は必須ではない

清算価値保障原則(自己破産した場合よりも不利にならないようにするためのルール)により財産価値が返済額に反映される

自己破産

原則処分(競売など)

査定額が20万円を超える場合などは処分の対象

99万円以下の現金などを除き、一定以上の財産は処分される

換価・配当のため一定以上の財産が処分対象となる

例えば、任意整理であれば、車と住宅のローンは払い続け、カードローンの借金だけ整理するといった柔軟な対応が可能で、財産を守れる可能性が高いです。ただし、新規の借り入れが制限されるなどの影響があります。

官報に掲載されるリスク

民事再生(個人再生)や自己破産を行う場合、手続きの情報が官報という国の機関紙に掲載されます。掲載される情報は、氏名や住所、手続きの種類、管轄の裁判所名などです。

ただし、官報は法律の専門家や信用情報機関、市役所の税担当者など一部の職種の人が業務上確認するものであり、一般の方が日常的に読む媒体ではありません。そのため、近所の人や友人に、官報を通じて債務整理の事実が知られてしまうリスクは現実的にはさほど大きくないといえます。

なお、任意整理は裁判所を通さない手続きのため、官報に掲載されることはありません。

家族や会社に知られるリスク

家族や会社に裁判所や弁護士から直接通知が行くことはほとんどありませんが、以下のような変化から間接的に知られてしまうリスクがあります。

(1)書類や郵便物

自宅に届いた弁護士や裁判所からの郵便物を家族に見られた。

(2)家計の変化

クレジットカードが突然使えなくなったり、ローンの審査に落ちたりして怪しまれた。

(3)会社への借金

勤務先から借金をしており、それを債務整理の対象にした場合。通知が会社に届くため、知られる可能性が高いです。

任意整理であれば「会社からの借金は整理対象から外す」「郵便物は弁護士事務所留めにする」といった対策が可能です。また官報にも載らないため、比較的身の回りに知られにくい手続きといえます。

毎月の返済が
不安になってきた方へ

いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です

  • 相談料は何度でも0円
  • 分割払い対応
  • 最短で即日取り立てストップ

まとめ

債務整理にはブラックリストへの登録やローン制限といったデメリットがありますが、かといって借金を放置すれば給与の差し押さえなど、生活基盤を揺るがすより大きなリスクに直面します。大切なのはそれぞれのデメリットを理解した上で、許容できる範囲の手続きを行い、少しでも返済の負担を軽減させることです。

ライズ綜合法律事務所は、月間約4,000件、年間約5万件の豊富な相談実績に基づき、厳密なシミュレーションを行っています。安易な提案はせず、メリットとデメリットを詳細に比較検討し、適切な解決策をご提示します。

相談は何度でも無料です。「どうしていいか分からない」という段階でも問題ありません。まずは専門家の視点を取り入れ、解決への第一歩を踏み出しましょう。

【ご相談専用フリーダイヤル】0120657001(9:00-21:00 / 土日祝も受付)

無料相談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ| ライズ綜合法律事務所

このページの監修弁護士

弁護士

三上 陽平(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

中央大学法学部、及び東京大学法科大学院卒。
2014年弁護士登録。

都内の法律事務所を経て、2015年にライズ綜合法律事務所へ入所。
多くの民事事件解決実績を持つ。第一東京弁護士会所属。