債務整理
2026/08/18
任意整理で対象外になるクレジットカードはある?使えるクレジットカードは?

任意整理では、手続きの対象にする借入先を選べるため、クレジットカードを対象外にすることも可能です。公共料金や携帯電話料金の支払いに使っているカードを残したいと考える方もいるでしょう。
しかし、任意整理をすると信用情報に影響が生じるため、対象外にしたカードも将来的に使えなくなる可能性があります。突然カードが使えなくなると、毎月の支払いや日常生活に支障が出ることもあるため注意が必要です。
本記事では、任意整理で対象外にしたカードが使えなくなる理由や、対象にしたカードの扱い、事前にやるべきことについて解説します。任意整理後の支払い方法に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- 任意整理でクレジットカードを対象外にできる仕組みと、対象外にしたカードが使えなくなる可能性
- 任意整理の対象にしたカードの扱いと、家族カード・ETCカード・ポイントへの影響
- クレジットカードが使えなくなる前に必要な準備と、任意整理後に使える代替の決済方法
任意整理で対象外になるカードはある?
任意整理では、最初から対象外になるクレジットカードが決まっているわけではありません。
任意整理は、整理する債権者を個別に選べる手続きです。そのため、複数のカード会社から借り入れがある場合でも、全てのカードを必ず対象にする必要はありません。
例えば、公共料金や携帯電話料金の支払いに使っているカードを一時的に残すため、特定のカード会社を対象外にすることは可能です。
ただし、対象外にしたカードを今後も使い続けられるとは限りません。カード会社は、契約中の利用者に対して定期的な審査を行ったり、カードの更新時に信用情報を確認したりすることがあります。
その結果、対象外にしたカードであっても、利用限度額の引き下げ、利用停止、更新不可などにつながる可能性があります。任意整理ではカードを対象外にできますが、これまで通り利用し続けられるとは考えない方がよいでしょう。
任意整理の対象にしたカードの扱い
任意整理の対象にしたクレジットカードは、基本的に利用できなくなります。
カード会社は、弁護士や司法書士から受任通知を受け取ると、利用者の返済が難しくなっていると判断します。そのため、ショッピング枠やキャッシング枠の利用を停止し、その後に強制解約とするのが一般的です。
また影響は本人名義のカードだけではありません。家族カードやETCカード、貯まっていたポイントやマイルにも影響する可能性があります。
利用停止・強制解約となる
任意整理の対象にしたクレジットカードは、弁護士や司法書士からの受任通知がカード会社に届いた時点で、利用停止になるのが一般的です。
受任通知とは、弁護士や司法書士が債務整理に着手したことを債権者に知らせる通知です。カード会社は受任通知を受け取ると、新たな利用によって未回収額が増えることを避けるため、カードの利用を止めます。
利用停止のタイミングはカード会社によって異なりますが、即日または数日以内に使えなくなるケースがあります。その後、1~3カ月程度で強制解約となることもあります。
一度強制解約になると、そのカードを再び使うことはできません。任意整理の対象にするカードは、手続き後に利用できない前提で考えておきましょう。
家族カードやETCカードも利用できなくなる
任意整理の対象にしたクレジットカードに家族カードやETCカードが紐づいている場合、それらのカードも利用できなくなります。
家族カードは家族が使うカードであっても、本会員の契約に基づいて発行されています。利用代金の支払い義務も基本的には本会員が負うため、本会員のカードが利用停止や強制解約になれば、家族カードも連動して使えなくなります。
ETCカードも同様です。クレジットカードに紐づくETCカードは、本体のカード契約が停止されると利用できなくなる可能性があります。
家族が家族カードを使っている場合、カードが使えなくなったことで任意整理の事実を知られる可能性もあります。手続き前に、対象にするカードへ家族カードやETCカードが付帯していないか確認しておきましょう。
ポイントやマイルを失効する
任意整理によってクレジットカードが強制解約されると、そのカードに貯まっていたポイントやマイルも失効する可能性があります。
クレジットカードのポイントやマイルは、カード契約に付随するサービスです。そのため、カードが利用停止または強制解約になると、ポイント交換やマイル移行ができなくなることがあります。
貯まっているポイントやマイルがある場合は、任意整理を依頼する前に使い切るか、他のサービスへ移行できるか確認しておくとよいでしょう。
ただし、任意整理の直前に高額な買い物をしたり、換金目的でポイントを使ったりすると、後の手続きに影響する可能性があります。判断に迷う場合は、弁護士や司法書士に相談してから対応しましょう。
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任意整理でクレジットカードが使えなくなる前にやるべきこと
任意整理をすると、対象にしたクレジットカードは基本的に使えなくなります。また対象外にしたカードであっても、将来的に利用停止や更新不可になる可能性があります。
ここでは、任意整理でクレジットカードが使えなくなる前にやるべきことを解説します。
各種支払い方法を変更しておく
クレジットカードで毎月の支払いをしている場合は、任意整理を始める前に支払い方法を変更しておきましょう。
カードが利用停止になると、そのカードに設定していた引き落としもできなくなります。支払い方法を変更しないまま放置すると、公共料金や携帯電話料金、保険料、サブスクリプション料金などが未払いになる可能性があります。
任意整理前に確認しておきたい支払いは、主に以下の通りです。
- 電気、ガス、水道などの公共料金
- 携帯電話料金やインターネット料金
- 家賃や管理費
- 生命保険料や損害保険料
- 動画配信サービスなどのサブスクリプション
- 通販サイトやアプリ内課金の定期支払い
これらの支払いは、銀行口座からの自動引き落としや、振込用紙を使ったコンビニ払い、銀行振込などに変更できる場合があります。
変更手続きには日数がかかることもあるため、任意整理を依頼する前に、どの支払いをどのカードに設定しているのか確認しておきましょう。
新たな借り入れや決済を控える
任意整理を検討している段階では、クレジットカードによる新たな借り入れや決済をできるだけ控えましょう。
対象外にしたカードであっても、利用を続ければ支払うべき金額は増えていきます。毎月の返済負担が重くなり、生活再建が難しくなる可能性があります。
また任意整理の直前にカードを使い続けると、債権者との交渉に影響することがあります。支払えないことを分かっていながら新たに利用したと判断されると、和解交渉が難しくなる恐れがあるためです。
後から自己破産や個人再生へ方針変更する場合も、手続き直前の借り入れや高額決済が不利に扱われる可能性があります。
キャッシュレス決済が必要な場合は、クレジットカードではなく、デビットカードやプリペイドカード、銀行口座からチャージするスマホ決済などを検討しましょう。
任意整理の対象外にしたカードも使えなくなる理由
任意整理では、手続きの対象にするカード会社を選べます。しかし、対象外にしたカードを任意整理後も使い続けられるとは限りません。
ここでは、対象外にしたカードが使えなくなる主な理由について解説します。
信用情報機関に事故情報が登録されるから
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。
信用情報機関とは、クレジットカードやローンなどの契約内容、支払い状況、借入残高などを管理している機関です。カード会社や貸金業者は、審査の際に信用情報を確認します。
任意整理をした事実や延滞、契約終了などの情報が登録されると、カード会社は返済能力に不安があると判断する可能性があります。その結果、対象外にしたカードであっても、利用停止や強制解約につながることがあります。
途上与信で利用者の信用情報を確認するから
対象外にしたクレジットカードが使えなくなる理由の一つに、途上与信があります。
途上与信とは、カード会社が契約中の利用者に対して行う審査のことです。クレジットカードは発行時だけではなく、利用開始後も信用情報や利用状況を確認される場合があります。
カード会社が途上与信で任意整理後の状況を把握すると、対象外のカードで支払い遅れがなくても、利用限度額の引き下げや利用停止につながることがあります。
途上与信のタイミングや判断基準はカード会社によって異なります。そのため、任意整理後すぐに使えなくなる場合もあれば、しばらく使える場合もあります。
ただし、使えている期間があるからといって、今後も継続して使えるとは限りません。
カードの更新時にも信用情報を確認される
クレジットカードには有効期限があります。有効期限を迎えると、カード会社は新しいカードを発行するかどうかを判断します。
この更新時にも、利用状況や支払い状況、信用情報などが確認される場合があります。そのため、任意整理後しばらく対象外のカードを使えていたとしても、更新のタイミングで新しいカードが発行されない可能性があります。
対象外のカードで毎月遅れずに支払っていても、信用情報に事故情報や延滞情報が残っていれば、更新審査に通らないことがあります。この場合、有効期限までは使えても、その後はカードを利用できなくなります。
公共料金や携帯電話料金の支払いに設定している場合、更新されないことに気づかないまま支払いが止まる恐れもあります。任意整理後は、早めに代替の支払い方法へ切り替えておきましょう。
任意整理後にクレジットカードの代わりとして使える決済方法
任意整理後は、クレジットカードを利用できなくなる可能性が高くなります。ただし、全ての支払いを現金に戻す必要はありません。
デビットカードやプリペイドカード、電子マネー、QRコード決済などを使えば、任意整理後もキャッシュレス決済を利用できる場合があります。高速道路を利用する方は、ETCパーソナルカードも選択肢になるでしょう。
|
決済方法 |
主な特徴 |
注意点 |
|
デビットカード |
銀行口座から即時引き落とされる |
残高を超えて利用できない |
|
プリペイドカード |
チャージ残高の範囲で利用する |
月額料金に使えない場合がある |
|
電子マネー・QRコード決済 |
スマホやカードで支払える |
チャージ方法や対応店舗の確認が必要 |
|
家族カード |
家族が本会員となるカードを利用する |
家族の理解と利用ルールが必要 |
|
ETCパーソナルカード |
クレジットカードなしでETCを利用できる |
デポジットを預ける必要がある |
|
デポジット型クレジットカード |
保証金を預けて利用する |
審査があり、必ず発行されるわけではない |
任意整理後の決済方法を選ぶ際は、新たな借金を増やさないことが重要です。後払いではなく、口座残高やチャージ残高の範囲で使える方法を中心に検討しましょう。
デビットカード
デビットカードは、支払いと同時に銀行口座から利用額が引き落とされるカードです。
クレジットカードのような後払いではないため、原則として口座残高を超えて利用できません。国際ブランド付きのデビットカードであれば、実店舗やオンラインショップで使える場合もあります。
ただし、分割払いやリボ払いには対応していません。また一部の月額制サービスやガソリンスタンド、高速道路料金などでは利用できない場合があります。利用前に、支払い先がデビットカードに対応しているか確認しておきましょう。
プリペイドカード
プリペイドカードは、事前に現金や銀行口座などからチャージし、残高の範囲内で利用するカードです。
あらかじめ入金した金額の範囲でしか使えないため、支出を管理しやすい点がメリットです。国際ブランド付きのプリペイドカードであれば、実店舗やオンラインショップで利用できる場合もあります。
一方で、公共料金や携帯電話料金、動画配信サービスなどの月額制サービスでは使えないこともあります。残高不足になると決済できないため、日常の買い物や一時的なネット決済など、用途を限定して利用するとよいでしょう。
電子マネーやQRコード決済
電子マネーやQRコード決済も、任意整理後に使いやすい決済方法です。
現金や銀行口座からチャージして使う方式を選べば、クレジットカードがなくても利用できます。チャージ残高の範囲内で支払うため、新たな借金を増やさずに日常の買い物をしやすいでしょう。
ただし、サービスによってはクレジットカードを登録しなければチャージできないものもあります。銀行口座、ATM、コンビニでの現金チャージなどに対応しているか確認しておきましょう。
また利用できる店舗や支払い上限額はサービスによって異なります。普段利用するスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどで使えるかも確認しておくことが大切です。
家族が本会員となる家族カード
任意整理後に自分名義のクレジットカードを作れない場合でも、家族が本会員となる家族カードを利用できる可能性があります。
家族カードは、本会員のクレジットカードに追加して発行されるカードです。利用代金は、原則として本会員の口座からまとめて引き落とされます。
ただし、必ず発行されるわけではなく、カード会社の審査や規約によっては作れない場合もあります。また利用明細は本会員に確認されるのが一般的です。
利用する場合は、家族の理解を得た上で、利用目的や上限額を事前に決めておきましょう。
ETCパーソナルカード
任意整理によってETCカードが使えなくなった場合は、ETCパーソナルカードが代替手段になります。
ETCパーソナルカードは、クレジットカードを契約しなくてもETCを利用できるカードです。申し込み時にデポジットと呼ばれる保証金を預け、通行料金は登録した金融機関の口座から引き落とされます。
ただし、デポジットは保証金であり、毎月の通行料金の支払いに充てられるものではありません。また通行料金の引き落としができないと利用停止になる可能性があるため、口座残高には注意が必要です。
デポジット型クレジットカード
デポジット型クレジットカードは、事前に保証金を預けて利用するクレジットカードです。
一般的なクレジットカードと同じように、実店舗やオンラインショップでの支払いに利用できます。カードによっては、ETCカードを発行できるものもあります。
ただし、任意整理後でも必ず発行されるわけではありません。申し込み時には所定の審査があります。また保証金とは別に年会費がかかる場合もあるため、保証金の金額、利用限度額、年会費などを確認した上で検討しましょう。
毎月の返済が
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任意整理後に新しいクレジットカードを作れるのはいつ?
任意整理後に新しいクレジットカードを作れる時期は、一律に決まっているわけではありません。
ただし、任意整理をすると信用情報に影響が生じるため、一般的には任意整理の対象となった借金を完済してから5年程度は、クレジットカードの審査に通りにくいとされています。
例えば、JICCでは、契約日が2019年10月1日以降の場合、債務整理などの取引事実に関する情報は、契約継続中および契約終了後5年以内が登録期間とされています。
※参考:日本信用情報機構.「信用情報の内容と登録期間」.
https://www.jicc.co.jp/credit_info/registration/index.html ,(参照2026-08-15).
ただし、信用情報から事故情報が消えたからといって、必ずクレジットカードを作れるわけではありません。カード会社は、収入、勤務先、勤続年数、他社からの借入状況、過去の取引履歴なども踏まえて審査を行います。
新しいクレジットカードを作りたい場合は、まず信用情報を確認し、家計を安定させた上で申し込むようにしましょう。
任意整理でのブラックリストは何年で消える?期間はいつから5年?
任意整理後にクレジットカードを申し込むときのポイント
任意整理後にクレジットカードを申し込むときは、事故情報が消える時期を確認しておくことの他、申し込み方にも注意が必要です。
ここでは、任意整理後にクレジットカードを申し込むときに気を付けたいポイントを紹介します。
申し込み前に信用情報を開示して確認する
任意整理後にクレジットカードを申し込む前に、信用情報機関へ開示請求をして、現在の登録状況を確認しておきましょう。
信用情報には、クレジットカードやローンの契約内容、支払い状況、借入残高、申し込み履歴などが登録されています。任意整理に関する情報や延滞情報が残っている場合、審査に通りにくくなります。
信用情報機関には、主にCIC、JICC、KSCがあります。クレジットカード会社や貸金業者、銀行などは、それぞれ加盟している信用情報機関が異なるため、必要に応じて複数の機関で確認しましょう。
短期間に複数のカードへ申し込まない
任意整理後にクレジットカードを申し込む際は、短期間に複数のカードへ申し込まないようにしましょう。
クレジットカードの申し込みをすると、カード会社が信用情報を照会します。その照会履歴は信用情報に登録されます。CICでは、申込情報が照会日から6カ月間保有されます。
短期間に複数の申し込み履歴があると、カード会社から返済能力や資金状況を慎重に確認される可能性があります。申し込む場合は、自分に合ったカードを1枚に絞り、審査に通らなかった場合は一定期間を空けて再度検討しましょう。
任意整理をした会社や関連会社を避ける
任意整理後にクレジットカードを申し込む場合は、過去に任意整理をしたカード会社や、その関連会社を避けることも検討しましょう。
信用情報機関に登録された事故情報は、一定期間が経過すると削除されます。しかし、カード会社の社内には、過去の取引情報が残っている場合があります。
このような社内情報は、信用情報機関の登録期間が過ぎた後も、審査に影響することがあります。また同じグループに属するカード会社や関連会社でも、過去の情報が審査に影響する場合があります。
ただし、関連会社を避ければ必ず審査に通るわけではありません。信用情報、収入、他社借入、支払い状況などを整えた上で、無理のない範囲で申し込みましょう。
まとめ
任意整理では、整理する債権者を個別に選べるため、特定のクレジットカードを対象外にすることは可能です。
しかし、対象外にしたカードを今後も使い続けられるとは限りません。任意整理をすると信用情報に影響が生じるため、途上与信やカード更新時の審査によって、対象外のカードも利用停止や更新不可となる可能性があります。
また任意整理の対象にしたカードは、受任通知が届いた時点で利用停止となり、その後に強制解約されるのが一般的です。家族カードやETCカード、ポイントやマイルにも影響するため、手続き前に支払い方法や代替手段を確認しておきましょう。
任意整理後は、デビットカード、プリペイドカード、電子マネー、QRコード決済などを活用すれば、クレジットカードがなくても日常の支払いに対応できる場合があります。
任意整理をすべきか迷っている方や、クレジットカードが使えなくなった後の生活に不安がある方は、弁護士に相談することをおすすめします。
ライズ綜合法律事務所では、借金問題について月間4,000件、年間5万件の相談実績があります。電話やメール、LINEでの相談に対応しており、相談料は無料です。任意整理でどのカードを対象にすべきか、対象外にしたカードが使えなくなった場合にどう備えるべきか不安な方は、お気軽にお問い合わせください。
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。