債務整理
2026/09/16
過払い金請求でブラックリストに載る?載らないケースと回避する対策を徹底解説

「過払い金はあるかもしれないが、請求でブラックリストに載りカードが使えなくなるのは困る」と悩む方は少なくありません。しかし「過払い金請求=ブラックリスト入り」という認識は間違いです。一定の条件を満たせば、ブラックリストに載らずに過払い金の返還を受けることが可能です。
本記事では、ブラックリストに載るケース・載らないケースの明確な違いや回避する対策を解説します。一読すれば不安が解消され、損をしない正しい判断基準が身に付くでしょう。
【この記事で分かること】
- 過払い金請求でブラックリストに載らないケースの条件
- 残債やカードの枠によってブラックリストに載ってしまうケース
- ブラックリスト入りを回避するための具体的な対策
過払い金請求をすると「ブラックリスト」に載ってしまうの?
過払い金請求とは、消費者金融やカード会社へ、法律の上限を超えて支払い過ぎた利息の返還を求める手続きのことです。法律上は不当利得返還請求権に基づく請求に当たります。2010年6月に改正貸金業法が完全施行され、いわゆるグレーゾーン金利が撤廃されました。そのため、それ以前に契約した借金については、過払い金が発生している可能性が生まれました。
借金に悩む方にとって、過払い金の請求はメリットが多いように見えますが、請求をしたことによってブラックリストに載るという情報も世の中には多いです。しかし、この返還請求は、過去の違法な金利での取引を見直すための正当な法的権利です。
現在の借入状況や完済しているかどうかによって、今後の生活への影響は明確に分かれます。まずは自身の状況と、信用情報機関に事故情報が登録される正確な仕組みについて、正しく理解を深めていくことが大切です。
※参考:金融庁・消費者庁.「多重債務者相談の手引き」.
https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/20110831-1/01.pdf ,(参照2026-06-19).
そもそもブラックリストとは
そもそも、ブラックリストとはどういったものなのでしょうか。
実は、ブラックリストという名簿そのものが存在しているわけではありません。信用に対する悪影響が大きい情報(金融事故情報)が信用情報機関に記録された状態のことを、一般的にブラックリスト入りと呼んでいます。国内の主な信用情報機関は、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つです。
クレジットカードの支払いまたは金融機関のローンなどを利用した場合に、その取引履歴が信用情報機関に記録されます。その後、借金の滞納や法的な債務整理などがあった際、それらの情報ももれなく記録される仕組みです。
例えば、毎月引き落とし日が指定されているクレジットカードの支払いを、カード会社へ全く連絡しないまま2カ月以上連続で延滞してしまったケースが、これに該当します。カード会社が個人信用情報機関に事故情報を報告した後に、記録される流れです。記録が残っている期間内は、他社の金融機関で新規の契約審査を受けても返済リスクが高いと判断され、審査に落ちる可能性が高いです。
なお、自身の信用情報はいつでも開示して確認できます。
過払い金請求をしたからといって必ずブラックリストに載るわけではない
「過払い金請求ではブラックリストに載るのでやめた方がよい」と聞くことがありますが、一律で事故情報が登録されるわけではありません。先述の通り、過払い金請求は、過去に違法な高金利で支払い過ぎていた利息を手元に取り戻す正当な権利です。
金融機関との取引が正当な権利行使として扱われれば、信用情報機関に事故情報が登録されるリスクは原則としてありません。過払い金請求そのものが事故情報の登録理由になるわけではなく、重要なのは、請求時点で借金が残っているかどうか、また過払い金によって残債を完済できるかどうかです。
ブラックリストを恐れずに過払い金を請求するためには、自身の現在の借入状況や残債の有無についてあらかじめ正確に把握しておくことが大切です。事前に状況を確認することで、不要なリスクを避けやすくなるでしょう。
過払い金請求をしてもブラックリストに「載らないケース」
過払い金請求では、タイミングを正しく見極めて手続きを進めることで、ブラックリストに載るリスクを回避しながら返還を受けることが可能です。借金は多いけれど毎月の支払いは問題なくできている方、または過去に大きな負担を感じながら全て返し終えた方にとっては、大きな安心材料となる仕組みが整っています。
信用情報を無傷のまま守れるため、手続き後に新規のクレジットカードを作りたい方や、マイホームのための住宅ローンを組むことを予定している方でも、過払い金を請求したからといって経済的な問題につながることはないでしょう。
過払い金請求を行っても、信用情報に傷を付けずに完結できる具体的なケースを2つ紹介します。
- すでに借金を完済してから過払い金請求を行う場合
- 返済中だが、発生した過払い金で現在の借金残高を完済できる場合
すでに借金を完済してから過払い金請求を行う場合
過去に利用していた借金をすでに完済している状態で過払い金返還請求を行うケースでは、個人信用情報に事故情報が記録されることはありません。完済済みの取引に関連する正当な返還請求であるため、ブラックリスト入りを一切気にすることなく手続きが可能です。例えば、5年前に最後の返済を終えて口座を完全に解約している消費者金融に、今になって過払い金の有無を調査して請求するような状況が該当します。手元に戻った過払い金は自由に使うことが可能です。
返済中だが、発生した過払い金で現在の借金残高を完済できる場合
借金を返済中であっても、発生した過払い金を現在の借入残高に充てた結果、借金がゼロになる場合であれば、ブラックリストには載りません。
例えば、現在の借金残高が30万円残っているものの、専門家が引き直し計算をした結果、50万円の過払い金が発生しているような状況が該当します。引き直し計算とは、過去の取引内容を、現在の利息制限法で定められた上限金利に基づいて計算し直すことです。
この際は発生した過払い金で30万円の借金がその場で相殺され、完済扱いとなるため、任意整理によるブラックリストには載りません。また差額の20万円を手元に取り戻せ、今後の月々の返済負担からも完全に解放されます。
なお、過去の延滞によって登録された事故情報が、過払い金請求を行っただけで直ちに削除されるわけではありません。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
過払い金請求でブラックリストに「載ってしまうケース」
借金を現在進行形で返済している方が過払い金請求を行うケースでは、事前の確認を怠ると、減額交渉とみなされ、ブラックリスト入りするリスクを伴います。ブラックリスト入りを避けるには、どのような条件が重なると事故情報として扱われるのか、仕組みを正しく把握しておくことが不可欠です。
ブラックリストに載る可能性がある、具体的なケースを2つ紹介します。
- 返済中で過払い金を相殺しても借金が残ってしまう場合
- 同じクレジットカードのショッピング枠に残債がある場合
一つずつ見ていきましょう。
返済中で、過払い金を相殺しても借金(残債)が残ってしまう場合
戻ってきた過払い金よりも現在の債務が多く、借金が残ってしまう場合は、単なる過払い金の回収ではなく借金の減額交渉を行ったとみなされます。このケースでは個人信用情報機関に金融事故情報が登録され、ブラックリスト入りする可能性があるでしょう。
例えば、現在の借金が100万円ある状態で過払い金請求をした結果、過払い金が40万円しか発生しておらず、相殺しても60万円の借金が残る状況が該当します。この残った借金について利息のカットまたは分割払いの再交渉を行う行為が、任意整理に該当するため、信用情報機関に事故情報が登録される原因となるのです。過払い金の計算方法は複雑なため、専門的な知識がないまま概算で考えていると、このような状況に陥るリスクがあります。
同じクレジットカードの「ショッピング枠」に残債がある場合
クレジットカードのキャッシング枠で過払い金が発生している場合も、注意が必要です。同じカードのショッピング枠に残債があると、発生した過払い金はショッピング枠の借金との相殺が行われます。キャッシング枠とショッピング枠を切り離して手続きすることはできないため、相殺した結果ショッピング枠の残高が残ってしまえば、こちらも任意整理扱いとなりブラックリストに載ってしまうでしょう。
例えばクレジットカードのキャッシング枠に40万円の過払い金があり、同じカードのショッピング枠に、普段の買い物やスマートフォンの割賦代金などのリボ払いが50万円残っているような状況が該当します。相殺しても10万円のショッピング枠が残るため、結果として任意整理扱いになり、ブラックリストに載ることになるのです。
【注意】過払い金で完済できる場合でも手続き中は一時的に載る可能性がある
信用情報の扱いは契約状況や業者の判断によって異なるため、計算上は過払い金で借金が完済できる見込みであっても、過払い金請求後に一時的にブラックリストに載る場合があります。
例えば、最終的には過払い金で現在の借金が完全に相殺されると見込んで請求を行い、その後に他社で新規の自動車ローンやスマートフォンの分割契約を申し込むような状況では、悪影響が生じるでしょう。
手続き中の信用情報への反映が気になるようであれば、事前に弁護士へ確認した上で、新たなローンや分割契約の申込時期を慎重に判断すると安心です。
事故情報が登録される期間の目安(約5~7年)
過払い金請求によってブラックリストに載った場合、その金融事故情報が登録される期間は、対象の借金を全て支払い終えて完済した時点から数えて約5~7年です。永久に残るわけではなく、信用情報機関ごとに定められた一定期間が経過した後、情報は自動的に消去されます。
例えば、過払い金の返済を受けた後に残った借金を3年かけて毎月コツコツと支払い続けて完済したとすると、完済日から数えて約5~7年は情報が残り続けます。過払い金請求のタイミングから考えると、約8~10年かかる計算です。
繰り返しになりますが、手続きに踏み切る前に正確な引き直し計算を行い、借金が残るリスクがないか、事前に専門家と確認しておくことが重要です。
まずは自身の状況を冷静に分析し、焦らずに適切な解決策を選択しましょう。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
過払い金請求によりブラックリストに載ることの生活への影響
手続きの結果として信用情報機関に事故情報が登録された場合、私たちの日常生活に支障を来す制限が発生します。主な制限は以下の通りです。
- 新たなクレジットカードの作成や既存のクレジットカードの利用ができなくなる
- 住宅ローンや自動車ローンなど新たな借入審査に通らなくなる
- スマートフォン等の端末代金の分割購入が難しくなる
日常生活に大きく影響する内容が多いため、リスクと照らし合わせながら各内容を確認してください。
新たなクレジットカードの作成や既存のクレジットカードの利用ができなくなる
ブラックリストに載った場合、事故情報が残っている期間は新たなクレジットカードの審査に通らなくなります。また現在持っている既存のクレジットカードも、途上与信や更新審査のタイミングでカード会社に事故情報が知られ、利用停止または無効にされる可能性が高いです。なお過払い金返還請求の対象にしたクレジットカードは、ブラックリスト入りするかどうかに関係なく、原則解約されて使えなくなります。
例えば、手続きの対象外としたクレジットカードを普段の買い物や光熱費の決済に使い続けていると、突然カードが利用できなくなる恐れがあります。所有しているカードは、全て突然使えなくなるリスクがあることを想定しておくことが大切です。
住宅ローンや自動車ローンなど新たな借入審査に通らなくなる
事故情報が記録されている期間は、住宅ローンや自動車ローン、フリーローンなどの新たなローン契約を結ぶことも原則としてできなくなります。また家族が組むローンの保証人になることも、難しいです。
例えばマイホームを建てようと計画し、銀行へ3,000万円の住宅ローン融資を申し込むことに当たり、事故情報が見つかると、現在の収入が十分にあったとしても審査を通過できないでしょう。大きな買い物やローンの計画を直近に控えている場合は、過払い金請求の時期を慎重に見極める必要があります。
スマートフォンの端末代金などの分割購入が難しくなる
スマートフォンの端末代金など、高額な商品を分割払いで購入することも、ブラックリスト入りしている期間は難しいです。その理由は、分割払いがローン契約(割賦販売契約)の一種だからです。
例えば、店頭で15万円を超える最新機種のスマートフォンを購入し、毎月の通信料と一緒に分割で支払う契約を締結したいときが考えられます。ブラックリスト入りにより分割審査の段階で契約を断られた場合、一括で全額を支払う必要があります。一括での支払いが難しいときは、最新機種への買い替え自体を諦めなければならないでしょう。
ブラックリスト入りを避けて過払い金請求を行うための対策
最後に、借金を返済中の方が、信用情報を守りながら安全に過払い金請求を成功させるための対策を紹介します。具体的には、以下の3つが挙げられます。
- 弁護士に「引き直し計算」を依頼し事前に正確な過払い金額を把握する
- まずは現在の借金を自力で完済してから請求手続きを開始する
- クレジットカードの場合は事前にショッピング枠の支払いを済ませておく
いずれにしても、事前の確認を徹底していくことが大切です。それぞれの詳細を見ていきましょう。
弁護士に「引き直し計算」を依頼し、事前に正確な過払い金額を把握する
返済中に過払い金を請求する最大のポイントは、過払い金で本当に借金を完済できるのかを事前に確認することです。弁護士に依頼すれば、利息制限法の上限金利に基づく引き直し計算を行い、過払い金の有無や正確な金額を算出してもらえるでしょう。これにより、残債が残りブラックリスト入りしてしまうリスクを事前に回避できます。
例えば現在の借金が50万円ある状態で弁護士に調査を依頼した場合は、事前の正確な計算で過払い金が50万円以上あると確定することが可能です。相殺により完済となる場合は、ブラックリストに載らない見込みで請求を進められます。
まずは現在の借金を自力で完済してから請求手続きを開始する
引き直し計算の結果、過払い金で借金が完済できない可能性が高いと判明した場合は、ひとまず手続きを保留しましょう。自力で現在の借金を全て完済し、その後に過払い金請求を行う戦略が有効です。完済後であればブラックリストに載るリスクはありません。
ただし、過払い金請求の時効は最後の取引(完済日)から10年であるため、時効の期限には注意が必要です。なお2020年4月1日施行の改正民法では「権利を行使できることを知った時から5年」という基準が加わりましたが、附則により、施行日前に発生した債権には従前どおり10年の時効が適用されます。過払い金はグレーゾーン金利が撤廃された2010年6月18日より前の取引で発生するものであるため、実務上は10年で判断されるのが一般的です。
例えば、発生した過払い金が30万円で借金が40万円ほど残る可能性がある状況を考えてみましょう。今、過払い金を請求すると、差額の10万円前後の残債が生じて事故情報が登録される可能性があります。まずは自力で40万円を返し、残高を0円にした直後に請求を行うことで、信用情報への影響なくお金を取り戻せると考えられます。時効までに間に合えば、信用情報への影響を避けながらお金を取り戻せる方法です。
※参考:e-Gov法令検索.「民法」.
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 ,(参照2026-06-19).
クレジットカードの場合は事前にショッピング枠の支払いを済ませておく
クレジットカードの過払い金を請求する場合も、意図せぬ任意整理扱いを防ぐことが大事です。事前にそのカードのショッピング枠の残高(リボ払い分なども含む)を一括で支払うなどして、ゼロにしておくのがおすすめです。
例としては、キャッシングで50万円の過払い金が戻る見込みでも、同じカードのショッピングリボ残高が60万円残っている状況が挙げられます。この状態で手続きすると、過払い金が買い物分に相殺されても10万円の借金が残ってブラックリストに載るため、その差額を確実に清算しておく必要があります。
ショッピング残高をあらかじめ完済しておくことで、キャッシングの過払い金だけを安全に満額回収することが可能です。
まとめ
過払い金請求を行うに当たり、ブラックリストを恐れて手続きを躊躇してしまう方は非常に多いです。しかし、完済しているケースや過払い金で現在の残債を完全に相殺できるケースでは、ブラックリストに登録されることは原則としてありません。注意すべきなのは、相殺しても借金が残るケースやクレジットカードのショッピング枠の残高があるケースです。
これらを個人で見極めるのは困難なため、事前の引き直し計算に対応している専門家へ相談するのがおすすめです。弁護士法人ライズ綜合法律事務所は、月間4,000件、年間5万件の相談実績があり、メールまたはLINEでの相談にも対応しております。相談は無料なので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
【ご相談専用フリーダイヤル】
0120-657-001(9:00-21:00土日祝も受付中)
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。