債務整理
2026/08/14
自己破産をすると家族カードはどうなる?利用は続けられる?

借金の返済が難しく自己破産を検討しているものの、家族カードへの影響が気になる方もいるでしょう。自分の手続きが原因で、家族までクレジットカードを使えなくなるのではないかと不安になるかもしれません。
自己破産後に家族カードを利用できるかどうかは、破産者本人と家族のどちらが本会員なのかによって異なります。本記事では、自己破産による家族カードへの影響や手続き前の準備、クレジットカードに代わる決済手段について解説します。自己破産によるクレジットカードや家族への影響が気になる方はぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- 自己破産後の家族カードの利用可否と、本会員による違い
- 自己破産前に確認しておきたい支払方法やETCカードなどの対応
- 自己破産後に利用できる決済手段と、クレジットカードを再作成する際のポイント
家族カードとは?
家族カードとは、クレジットカードの本会員が、配偶者や子どもなどの家族に追加発行できるカードです。対象となる家族の範囲は、カード会社や商品によって異なります。
カードには利用する家族本人の氏名が記載されますが、契約者は本会員です。家族が利用した分も含め、代金は原則として本会員の口座からまとめて引き落とされます。
発行の可否も、基本的には本会員の収入や信用情報などをもとに判断されます。そのため、家族カードを使う本人に収入がなくても、発行条件を満たせる場合があるでしょう。
一方、カード会社に対する支払義務を負うのも本会員です。利用額が増え過ぎないよう、本会員が明細や支払額を管理する必要があります。
自己破産後に家族カードの利用を続けられる?
自己破産後の家族カードの扱いは、誰が本会員かによって変わります。ここでは、破産者本人が本会員の場合と、家族が本会員の場合に分けて解説します。
破産者が本会員の場合
破産者本人がクレジットカードの本会員である場合、付帯する家族カードも原則として利用できなくなります。家族カードは、本会員のクレジットカード契約を前提として発行されているためです。
弁護士から受任通知を受け取ったカード会社は、通常、本会員カードの利用を停止し、契約の解約や会員資格の取り消しを行います。これに伴い、配偶者や子どもが持つ家族カードも使えなくなるでしょう。
家族カードを利用していた家族の信用情報に問題がなくても、契約の継続はできません。ただし、破産者本人の自己破産に関する情報が、家族の信用情報へ自動的に登録されるわけではありません。
破産者本人が新たに本会員となり、クレジットカードや家族カードを発行することも当面は難しくなります。具体的な登録期間については、後述する信用情報機関ごとの説明をご確認ください。
破産者の家族が本会員の場合
配偶者や親など、破産者以外の家族が本会員である場合、破産者がその家族カードを利用できる可能性があります。自己破産の影響は、原則として手続きをした本人に限られるからです。
すでに家族カードを持っている場合は、自己破産後も利用を続けられることがあります。また家族が新たにクレジットカードを契約し、破産者用の家族カードを申し込む方法も考えられるでしょう。
ただし、家族カードを発行するかどうかはカード会社が判断します。本会員となる家族の審査結果やカードの発行条件によっては、希望通り発行されない場合もあります。
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自己破産前にクレジットカードに関して確認しておくべきこと
自己破産を弁護士に依頼すると、破産者名義のクレジットカードは利用できなくなるのが一般的です。生活への影響を抑えるため、手続き前に支払設定や関連サービスを確認しておく必要があります。
各種料金の支払い方法を変更しておく
クレジットカードが利用停止になると、カード払いに設定していた公共料金や通信料金も決済できなくなります。そのままにすると滞納が発生し、サービスを停止される恐れがあるでしょう。
主に確認しておきたい支払いは、以下の通りです。
- 電気・ガス・水道などの公共料金
- 携帯電話やインターネット回線の料金
- 家賃や保険料
- 動画・音楽配信などのサブスクリプション料金
- 通販サイトやアプリの継続課金
カード払いになっているものは、口座振替や振込用紙、コンビニ払いなどへ変更します。家族名義のカードを登録する場合は、必ず本人の同意を得ておきましょう。
すでに料金を滞納しているときは注意が必要です。特定の債権者にだけ未払い分を返済すると、偏頗弁済として自己破産手続きに影響する可能性があります。支払う前に弁護士へ相談するのが安全です。
ポイントやマイルの扱いを確認しておく
クレジットカードが解約されると、カード会社が発行するポイントが失効する場合があります。一方、航空会社の会員口座で管理されているマイルなどは、カードの解約後も残ることがあります。
ただし、自己破産を予定している段階で、ポイントやマイルを自己判断で使い切るのは避けたほうがよいでしょう。残高や利用規約、換金・譲渡の可否によっては、手続き上の財産として扱われる可能性があるためです。
ポイントやマイルが多く残っている場合は、利用前に弁護士へ申告し、扱いを確認する必要があります。また失効を避ける目的で新たにカード決済を行い、債務を増やす行為も適切ではありません。
未払いの商品を処分・売却しない
クレジットカードの分割払いやショッピングクレジットで購入した商品には、完済まで販売会社などに所有権が留保されていることがあります。自動車や家電、貴金属など、換価価値のある商品で問題になりやすいでしょう。
所有権が留保されている場合、自己破産に伴って債権者から商品の返還を求められる可能性があります。手元に残す目的で家族へ譲渡したり、リサイクルショップへ売却したりするのは避けるべきです。
財産を隠す意図で処分すると、免責不許可事由に該当する恐れがあります。売却代金を一部の債権者だけに支払った場合も、手続き上の問題が生じかねません。
もっとも、代金が未払いの商品が全て引き揚げられるわけではありません。所有権留保の有無や商品の価値、契約内容によって扱いが変わるため、処分せず弁護士へ申告しましょう。
ETCカードの利用停止に備えておく
クレジットカードに付帯するETCカードも、本体のカードが解約されれば利用できなくなります。家族カードに付帯している家族用ETCカードも同様です。
カードが手元に残っていても、自己破産を依頼した後は使用しないでください。利用料金を支払えないと認識しながら使い続けると、免責手続きに影響する可能性があります。
仕事や通院などで高速道路を利用する場合は、次のような代替手段を準備しておくとよいでしょう。
- 料金所で現金を支払う
- 家族名義のETCカードを家族本人が使う
- ETCパーソナルカードを申し込む
ETCパーソナルカードは、クレジットカード契約をせずに申し込めるETCカードです。利用には保証金となるデポジットが必要で、通行料金は登録した口座から後日引き落とされます。
デポジットは通行料金の前払いではありません。また申し込みから発行まで一定の期間がかかるため、継続利用を予定しているなら早めに準備する必要があります。
自己破産後にクレジットカードは5年以内に作れる?審査のポイントを解説
自己破産後にクレジットカードの代わりとなる決済手段
自己破産後にクレジットカードを使えなくなっても、キャッシュレス決済が一切できなくなるわけではありません。ここでは、主な代替手段を紹介します。
家族が本会員の家族カード
先述の通り、家族が本会員であれば、破産者も家族カードを利用できる場合があります。クレジットカード決済しか受け付けていないネットサービスなどで役立つでしょう。
ただし、利用代金の支払義務は本会員である家族が負います。使い過ぎによるトラブルを防ぐため、利用目的や月ごとの上限額をあらかじめ決めておくことが大切です。
カード会社によっては、家族カードごとに利用可能額を設定できる場合があります。利用明細も定期的に確認し、家族の家計に負担をかけない範囲で使う必要があるでしょう。
デビットカード
デビットカードとは、決済と同時に紐づけた銀行口座から代金が引き落とされるカードです。原則として口座残高を超える金額は使えず、クレジットカードのような後払いには当たりません。
信用情報をもとに返済能力を審査する仕組みではないため、自己破産後でも作成できる可能性があります。国際ブランド付きであれば、対応する実店舗やネットショップで利用できます。
チャージの手間がなく、使った金額が口座へすぐに反映される点も特徴です。一方、以下のような支払いには対応していない場合があります。
- 高速道路料金や機内販売
- 一部のガソリンスタンド
- 月額料金や継続課金
- レンタカーやホテルのデポジット
利用できる店舗やサービスは、発行する金融機関によって異なります。申し込み前に利用条件を確認しておくと安心でしょう。
プリペイドカード
プリペイドカードは、事前にチャージした金額の範囲内で支払う前払い式のカードです。借り入れを伴わないため、自己破産後も原則として利用できます。
交通系ICカードや流通系電子マネーの他、国際ブランド付きのタイプもあります。国際ブランドに対応する店舗やネットショップで使える商品を選べば、幅広い用途に利用できるでしょう。
事前に入金した金額を超えて使うことは基本的にないため、予算管理がしやすい点もメリットです。ただし、継続課金などに対応していない場合があり、残高不足になると決済できません。
QRコード決済アプリ
QRコード決済アプリは、スマートフォンに表示したQRコードやバーコードを使って支払うサービスです。銀行口座やコンビニATMから残高をチャージする方式であれば、自己破産後も利用できます。
コンビニやスーパー、飲食店など、日常的な買い物に対応する店舗が多い点が特徴です。アプリ上で利用履歴を確認できるため、支出管理にも役立つでしょう。
ただし、QRコード決済には後払い方式もあります。後払いサービスは審査を伴うことがあり、自己破産後は利用できない可能性があります。
クレジットカードからしかチャージできないサービスにも注意が必要です。銀行口座や現金による入金に対応しているかを確認して選ぶとよいでしょう。
自己破産後に新しくクレジットカードを作成するためのポイント
自己破産後も、一定期間が経過すればクレジットカードへ申し込める可能性があります。ただし、審査に通ることが保証されるわけではありません。ここでは、申し込み前に確認すべきポイントを解説します。
信用情報が回復するまで待つ
自己破産をすると、信用情報機関に契約内容や破産に関する情報が一定期間登録されます。これらの情報が残っている間は、クレジットカードの審査に通ることが難しいでしょう。
CICでは、クレジット情報を契約中および契約終了から5年間保有します。破産については、免責許可決定を確認した加盟会社が、その事実を報告した日が起算点です。
※参考:CIC.「自己破産の登録は何年間ですか?」.
https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002585.html ,(参照2026-08-15).
JICCでも、契約に関する情報は原則として契約終了後5年を超えない期間登録されます。一方、全国銀行個人信用情報センターでは、破産手続開始決定に関する官報情報が、決定日から7年を超えない期間登録されます。
※参考:全国銀行協会.「一部情報の登録終了および登録期間の短縮について」.
https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/info/18379/ ,(参照2026-08-15).
このように、情報の種類や信用情報機関によって登録期間や起算点が異なります。「自己破産から5年経過すれば必ずカードを作れる」とは限りません。
登録期間が経過しても、過去の利用実績が元に戻るわけではなく、審査通過が保証されるものでもありません。新規申し込みの際は、現在の収入や申告内容なども含めて判断されます。
開示請求を行い登録状況を確認する
一定期間が経過したら、申し込み前に自分の信用情報を確認するとよいでしょう。CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターでは、本人による開示請求を受け付けています。
開示報告書では、契約内容や支払状況、異動情報などを確認できます。免責された債務の残高や自己破産に関する情報が残っていないかも確認しておきましょう。
信用情報機関ごとに加盟する会社が異なるため、利用していた金融機関に応じて複数の機関へ請求する場合もあります。
登録内容に誤りがあるときは、情報を登録したカード会社や金融機関へ訂正を申し出る必要があります。信用情報機関が独自に内容を書き換えるわけではありません。
安定した収入を確保する
自己破産に関する情報の登録期間が経過しても、カード会社による入会審査は行われます。審査では、申告した収入や勤務先、雇用形態、勤続年数などを含めて総合的に判断されるのが一般的です。
そのため、申し込みを急ぐより、まずは継続的な収入を確保することが大切です。同じ勤務先で一定期間働いていることも、返済能力を判断する材料になるでしょう。
また携帯電話端末の分割代金など、信用情報機関に登録される契約の支払いを遅延しないことも重要です。家賃や税金についても、再び滞納すると家計の立て直しが難しくなるため、期日通りに支払う必要があります。
審査基準はカード会社ごとに異なり、詳細は公開されていません。収入が多ければ必ずカードを発行してもらえるわけではない点にも注意しましょう。
社内ブラックに注意する
信用情報機関から自己破産などに関する情報が削除された後も、自己破産の対象となったカード会社には、過去の取引記録が残っている可能性があります。このような状態は、一般に「社内ブラック」と呼ばれます。
社内情報の保存期間や審査への利用方法は、各カード会社が独自に定めています。信用情報機関の登録期間とは異なり、いつまで記録が残るかは通常公表されていません。
そのため、自己破産で返済を免れたカード会社へ再び申し込んでも、審査に通らない可能性があります。同じ企業グループ内で情報を共有している場合は、系列会社のカードにも影響が及ぶかもしれません。
新たに申し込む際は、過去に利用していた会社だけにこだわらず、別のカード会社も検討するとよいでしょう。ただし、申込先を変えたからといって、必ず審査に通るわけではありません。
多重申し込みを避ける
短期間に複数のカード会社へ申し込むと、審査で慎重に判断される可能性があります。何枚ものカードを必要としていることから、資金に困っていると受け取られる場合があるためです。
カードの申込情報は、CICやJICCでは照会日から6カ月間登録されます。全国銀行個人信用情報センターでも、会員へ提供される照会記録情報の登録期間は6カ月を超えない期間です。
申し込む際は、利用目的や発行条件を確認し、まず1社に絞るのが無難でしょう。審査に落ちた直後に、別の会社へ次々と申し込むのは避けるべきです。
再度申し込む場合は、申込情報が消えるまで6カ月程度空けることが一つの目安です。その間に信用情報を開示し、審査へ影響しそうな登録がないか確認しておくとよいでしょう。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
自己破産による家族へのその他の影響
自己破産の影響は本人に限られるのが原則ですが、破産者名義の財産や保証関係を通じて、家族の生活に影響が及ぶことがあります。ここでは、家族カード以外の主な影響を解説します。
持ち家や車が処分の対象になる
自己破産では、破産者が所有する一定の価値がある財産を換価し、債権者への配当に充てるのが原則です。そのため、破産者名義の持ち家や価値の高い車は、手放さなければならない可能性があります。
自宅が処分されれば、同居する家族も転居を求められるでしょう。車を失うことで、通勤や通学、買い物などに支障が生じる場合もあります。
一方、家族が自身の収入で購入した家族名義の財産は、原則として処分の対象になりません。ただし、自己破産の直前に名義だけを家族へ変更した場合や、実質的には破産者の財産である場合は、処分される可能性があります。
価値の低い車などは、裁判所の運用や個別の事情によって残せることもあります。処分の基準は一律ではないため、名義や購入経緯を含めて弁護士へ申告しましょう。
家族が保証人の場合、請求が及ぶ
自己破産によって返済義務の免除を受けられるのは、手続きをした本人だけです。家族が保証人や連帯保証人になっている場合、その家族の支払義務は残ります。
債権者は保証人である家族へ残額を請求できます。期限の利益を失う契約になっている場合は、分割ではなく一括での支払いを求められる可能性もあるでしょう。
保証人である家族が請求額を支払えないと、家族自身も債務整理を検討せざるを得ない場合があります。保証人付きの債務があるなら、自己破産を申し立てる前に家族へ事情を説明し、対応を検討する必要があります。
生命保険や学資保険が解約される
破産者が契約者となっている生命保険や学資保険は、解約返戻金の額によって処分の対象になることがあります。解約返戻金とは、保険を途中で解約した際に契約者へ支払われるお金です。
解約返戻金に一定以上の価値がある場合は、保険を解約して債権者への配当に充てるのが原則です。学資保険や生命保険が対象になれば、家族の教育費や将来の保障にも影響するでしょう。
ただし、解約返戻金が少額であれば、保険を維持できる場合があります。複数の保険に加入しているときは、裁判所の運用によって返戻金の合計額を基準に判断されることもあります。
保険契約者貸付を利用している場合は、その残高を差し引いた金額が財産価値の判断材料です。また自由財産の拡張が認められたり、解約返戻金相当額を別途用意したりすることで、保険を残せる可能性もあります。
具体的な扱いは、保険の契約内容や裁判所の運用によって異なります。自己判断で解約せず、保険証券や解約返戻金証明書を準備して相談するとよいでしょう。
自己破産すると家族や親族はどうなる?財産や貯金への影響はある?
まとめ
自己破産後に家族カードを利用できるかどうかは、誰が本会員なのかによって異なります。破産者が本会員なら付帯する家族カードも原則として利用できませんが、家族が本会員であれば、破産者が家族カードを持てる可能性があります。
手続き前には、公共料金や通信料金の支払方法を変更し、ETCカードの代替手段も用意しておくことが大切です。自己破産後は、デビットカードやプリペイドカード、チャージ式のQRコード決済も利用できます。
また破産者名義の持ち家や車、解約返戻金のある保険が処分されたり、保証人である家族に請求が及んだりする場合もあります。家族への影響は財産や契約内容によって変わるため、早めに弁護士へ相談することが重要です。
ライズ綜合法律事務所では、借金問題に関する無料相談を受け付けています。月間4,000件、年間5万件の相談実績があり、電話の他、メールやLINEからのお問い合わせに対応しています。自己破産による家族カードや財産への影響に不安がある方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。