債務整理
2026/08/14
自己破産しても賃貸アパートは借りられる?契約の審査は通る?

「自己破産したら今の家を追い出される?」「ブラックリストで新居を借りられない?」と不安を抱く方も多いでしょう。しかし、自己破産しても、原則として住む場所を失うことはないため、過度に心配する必要はありません。法律上、賃貸借契約は直ちに解除されるものではなく、条件を満たせば新居の契約も可能です。
本記事では賃貸契約への影響や審査対策を詳しく解説します。読んだ後は、住まいの不安が解消され、前向きに再建へ踏み出せるでしょう。
【この記事で分かること】
- 破産だけを理由に退去を強制されない法的根拠
- 信用情報に左右されず新居の審査に通る対策
- 審査落ちを避けるための独立系保証会社やURなどの活用法
自己破産で賃貸物件の契約はどうなる?
自己破産を検討する際、「破産が大家にバレて契約解除されるのでは?」と不安を抱く方は多いです。しかし、原則として自己破産を理由に、直ちに解約や退去となるわけではありません。
2004年の破産法改正に伴い、旧民法第621条の「賃借人の破産による解約申入れ」規定が削除されたため、家賃を支払い続ける限り住み続ける権利は守られています。また官報を大家がチェックすることは多くなく、自ら報告する義務もありません。例えば、これまで通り家賃を銀行振込で支払っていれば管理会社側に生活の変化を悟られることなく、そのままの住まいで手続きを進めることが可能です。生活の基盤である家を失う心配をせず、まずは債務問題の解決に集中できる仕組みです。
自己破産後に賃貸物件の退去が必要になるケース
居住権は守られますが、借主に契約違反や支払い能力の欠如など、契約を継続できない正当の事由があれば退去を求められます。具体的には家賃滞納や不相応な高額家賃、保証会社との契約更新不可などがこれに該当します。
家賃を滞納している場合
自己破産とは無関係に、一般的に家賃を3カ月以上滞納していると、信頼関係破壊を理由に契約を解除される可能性が高いです。注意が必要なのは、破産手続きの直前に滞納分だけ優先的に支払う行為です。これは特定の債権者にだけ有利な支払いをする偏頗弁済に該当し、免責判断に影響する恐れがあります。
例えば、消費者金融を止めて家賃だけ払うケースです。滞納状態で破産すると、滞納家賃の支払い義務は免除されますが、大家は債務不履行を理由に明け渡しを求める可能性があるため、住み続けることは困難になります。滞納がある場合は早急に弁護士へ相談し、対応を協議することが不可欠です。偏頗弁済を避けつつ、居住権を維持する道を探ります。
家賃が高過ぎる場合
収入に見合わない高額な家賃の物件に住んでいる場合には、破産管財人の判断により、生活再建のために契約解除を求められることがあります。一般的に家賃は手取り収入の3分の1を超えている場合などが基準となり、より安価な住居への転居を促されるケースが大半です。これは、破産後の生活が再び立ち行かなくなることを防ぎ、生活再建の見通しを立てるための対応として検討されるためです。
例えば、月収20万円の人が家賃10万円の物件に住み続けている場合、「より安価な住居に移り、浮いた分を生活費に充てるべきだ」と判断されます。これは追い出しではなく、再破綻を防ぐ是正措置です。管財人の指示に従い、早めに身の丈に合った住居への転居準備を進める必要があります。
支払い方法を継続できない場合
家賃の支払い方法がクレジットカード払い指定の場合、破産によりカードが利用できなくなるため支払いができなくなり、退去を迫られるリスクがあります。また信販系の家賃保証会社を利用している場合、契約更新時の審査で信用情報を参照され、更新を断られるケースがあります。
例えば、保証会社との契約が切れると同時に「連帯保証人を立てられないなら退去してください」と通告されるといった事態です。銀行振込への変更、独立系保証会社への切り替えが認められない限り、住み続けることは難しくなります。こうした事態を防ぐためにも、事前に支払い方法の変更が可能かどうかを管理会社へ確認し、必要であれば弁護士を通じて交渉を行うべきです。
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自己破産後に新規で賃貸物件を契約できる?
自己破産後も新しく賃貸を契約することは可能です。ただし事故情報の影響で審査が厳しくなる場合があるため、物件選びの工夫が不可欠となります。具体的には、信用情報を確認しない独立系の保証会社を利用できる物件や、保証会社不要の公営住宅、UR賃貸住宅などを探すのが有効な対策です。
契約前の2つの審査
賃貸契約を結ぶ際は、貸主側と保証会社側による2段階の審査を通過する必要があります。それぞれの審査基準や、信用情報の参照可否などの特徴を正しく理解しておくことが、入居審査を進める上で重要なポイントとなるでしょう。
貸主・管理会社による審査
貸主や管理会社の審査では、現在の家賃支払い能力や近隣トラブルのリスクが確認されます。ただし信用情報を閲覧する権限を持たないため、自己破産の事実が直接知られるとは限りません。
例えば、現在は定職に就いていて、安定した収入と誠実な対応があれば審査に通る可能性は高いです。自己破産した事実よりも現在の属性が重視されます。過去の経歴を自ら申告する必要はなく、あくまで現在の自分が家賃を遅滞なく払える人物であると証明することが大切です。現在の勤務先や勤続年数、年収に基づき、無理のない家賃帯の物件を選んでいれば、大家側の信頼を得ることは可能です。身なりや言葉遣いなど、対面での印象も審査の一部となります。
保証会社による審査
家賃保証会社の審査は、会社の種類により基準が大きく異なるため、注意が必要です。信販系保証会社は信用情報を照会するため、破産歴があると審査に通りにくい傾向があります。一方で、独自基準で審査する独立系保証会社の場合には、過去の破産歴より現在の支払い能力を重視するため、審査通過の見込みがあります。
例えば、預金通帳の写しで資力を証明できれば、アパートを借りることができるかもしれません。不動産会社に独立系希望と伝え、信販系を避ける方向で検討するとよいでしょう。保証会社が必須の物件でも、独立系を選択肢に持つ管理会社を狙えば、自己破産後の新規契約は難易度を下げられる可能性があります。戦略的な会社選びが成功を左右するでしょう。
事故情報の登録はいつなくなる?
自己破産による事故情報の登録期間は永久ではなく、5~7年程度で削除されます。CICやJICCでは免責決定から約5年、全国銀行個人信用情報センターでは約7年が目安です。この期間を過ぎれば信用情報が回復して、信販系保証会社の審査やローンの申し込みも通常通り可能になります。
※参考:CIC.「自己破産の登録は何年間ですか?」.
https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002585.html ,(参照2026-08-15).
例えば、破産から7年経過した場合には、過去の履歴に縛られず自由に物件を選べるようになります。この回復時期を一つの区切りとして、それまでは独立系保証会社の物件で実績を積み、生活基盤を整えるのが賢明な判断です。自分の情報の消去時期を知りたい場合には、各信用情報機関へ開示請求を行うことで正確な状況を把握できます。
賃貸物件の審査に通らない場合の対処法
審査に通らない主な原因は事故情報の登録ですが、全ての物件で審査に通らないわけではありません。審査基準の異なる物件や契約方法を選ぶことで入居は可能です。諦めずに不動産会社へ相談し、適切な対策を講じることが重要です。
独立系の保証会社を利用する
信販系保証会社は、信用情報を参照するので審査落ちしやすいですが、独立系は独自基準で審査を行うため、通りやすい傾向にあります。独立系は過去の履歴よりも現在の支払い能力を重視するのが特徴です。
例えば、不動産会社に「以前支払いでトラブルがあったので、信販系ではない保証会社の物件を紹介してほしい」と相談した場合、審査基準が比較的柔軟な物件を提案してもらえます。現在の給与明細や預金通帳で資力を証明できれば、ブラックリストの状態や自己破産をしても借りられる道が開けます。信販系を避け、独立系保証会社を導入している管理会社の物件に絞って探すことが、入居審査を突破し生活基盤を確保するための有効な手段です。
家賃を下げる
入居審査では支払い能力が厳しくチェックされるため、収入に見合っていない高額な家賃の物件は避けるべきです。一般的に家賃は手取り収入の3分の1以下が目安とされており、これを下回る物件を選ぶことによって支払い能力があると判断されやすくなります。
例えば、月収20万円の場合は、家賃5万~6万円程度の物件に設定することで、滞納リスクが低いと見なされ審査のハードルが下がります。無理のない家賃設定にすることは、審査対策として有効なだけではなく、自己破産後の生活を安定させる観点からも不可欠な戦略です。見栄を張らず、実利を重視し、まずは無理なく契約できる価格帯を狙うことがその後のスムーズな生活再建を成功させる近道となります。
公営住宅やUR賃貸住宅を選ぶ
公営住宅やUR賃貸住宅は、原則として保証人が不要で、民間の保証会社を通さないため、信用情報の審査が行われません。公営住宅は所得制限があるものの家賃が安く、セーフティネットとして利用しやすいです。一方のUR賃貸は一定の収入基準を満たす必要がありますが、過去の破産歴は問われません。
例えば、無職や休職中で自己破産手続き中であっても、URの預貯金審査制度を活用すれば即座に住まいを確保できる場合があります。礼金や仲介手数料、更新料がかからないという金銭的メリットも大きく、初期費用を抑えて新生活を始めたい破産後の方に適した選択肢です。民間の審査が難航する場合は、こうした公的な住宅制度を優先的に検討しましょう。
連帯保証人を立てる
近年は保証会社の利用が必須の物件が増えていますが、支払い能力のある親族を連帯保証人に立てることで契約できる物件も存在します。保証人の資力が十分であれば大家もリスクが低いと判断し、入居者本人の信用情報が問われないケースがあるためです。
例えば、地方の古いアパートや個人経営の大家が直接管理している物件は、交渉次第で保証会社が不要となる場合があります。不動産会社を通じて、保証会社を使わず連帯保証人のみで契約可能な物件を根気強く探してもらうのが有効です。身内に安定した収入がある人がいるなら、この方法は審査落ちの壁を打破するシンプルな解決策になります。保証人への迷惑を考え、誠実に説明し協力を仰ぐことが大切です。
同居家族の名義で契約する
どうしても本人の名義で審査に通らない場合の手段として、同居家族を契約名義人にすることが挙げられます。事故情報はあくまで個人単位で登録されるため、配偶者や家族の信用情報には直接影響しません。安定した収入がある家族を名義人にすれば、本人のブラックリストに関係なく契約できる可能性が高まります。
例えば、夫が破産していても妻に収入があり審査に問題がなければ、妻名義で新居を借りることは法的に何ら問題ありません。ただし、名義貸しと誤解されるトラブルを避けるために、居住実態に合わせて契約し、事前に不動産会社の了解を得ておくことが不可欠です。家族と協力して再出発の場を確保することは、精神的な安定と生活再建に大きく寄与します。
自己破産が生活に与えるその他の影響
自己破産は借金の返済義務が免除される制度ですが、経済活動や財産所有に一定の制約が生じます。これらは生活再建を目的としたルールであり、戸籍への記載など、誤解に基づく不利益はありません。主な3つの影響を解説します。
ローンや分割払いが原則使えなくなる
信用情報機関に事故情報が約5~7年登録されるため、ローン契約やカードの新規作成が原則できなくなります。既存カードも強制解約となり、スマートフォン端末の分割払いも審査に通りません。
例えば、最新機種を月額払いで購入しようとしても、ブラックリストの影響で一括払いを求められる可能性が高いです。ただし、銀行口座直結のデビットカードや電子マネー、QRコード決済などは信用情報を介さないため、これらを代替手段として活用すれば、不便を感じる場面は大幅に減ります。現金主義を基本としつつ、現代のキャッシュレス決済を賢く利用することで、日常生活に大きな支障をきたすことなく着実に家計の立て直しを図ることが可能です。
大部分の財産が処分される
自己破産は債権者への配当を前提とするため、持ち家や査定額20万円超の車、一定額超の預貯金などは原則処分されます。生活に必要な最低限の資産は自由財産として守られます。
例えば、99万円以下の現金や生活家電、衣類などはそのまま手元に残すことが可能です。また古い中古車なども評価額が低ければ処分対象から外れるケースが多いです。生活に必要な最低限の財産まで失う事態にはならず、再起に必要な基盤は法的に保護されているため、安心して手続きを進めることができます。処分される財産の範囲を正しく把握し、生活再建に向けた具体的な計画を立てることが重要です。守られる財産と手放す財産を整理し、新たな生活をスタートさせましょう。
一部の職業・資格に制限がかかる
破産開始から免責確定までの間、弁護士や警備員、保険募集人など特定の職業・資格が制限されます。これを資格制限と呼びますが、制限は手続き中の一時的なものであり、通常数カ月で復権し、再び就業することが可能です。
例えば、警備員として働いている方は、手続き期間中のみ事務職へ配置転換してもらうなどの対応が必要になる場合があります。一般的な会社員や公務員であれば制限を受けることはほとんどありません。資格が必要な職種に従事している場合は、事前に弁護士へ相談し、勤務先への説明や業務内容の調整を行うことがトラブル回避のポイントです。復権すれば法的制限は解消されるため、将来のキャリア形成を過度に恐れる必要はありません。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
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自己破産後の住まいに不安がある場合の相談先
住まいの問題は生活の根幹であり、一人で悩むと精神的に追い詰められます。専門機関を活用すれば、法的な解決策や公的支援をスムーズに受けられます。状況に合わせた窓口を選択し、早めに相談することが生活再建への第一歩です。
自治体の住宅課・福祉課
収入減少で民間賃貸が難しい場合、自治体の住宅課で公営住宅への入居を相談しましょう。公営住宅は信用情報の審査がなく保証人も原則不要です。自己破産後も入居しやすいセーフティネットといえるでしょう。また家賃支払いが著しく困難な際は福祉課で生活保護の申請を検討してください。
例えば、病気で働けず住まいを失う恐れがある場合、住宅扶助を受けることで居住の継続が可能になります。役所の窓口は敷居が高いと感じるかもしれませんが、住居確保給付金など生活を守るための具体的な支援策を提示してくれます。困窮が深刻化する前に、行政の専門スタッフへ現状を正直に話し、公的な支援制度をフル活用して生活の安定を図ることが大切です。
生活困窮者向けの支援団体
生活再建に向けた経済的支援が必要な場合、自治体の相談窓口やNPOなどの支援団体が力になります。特に家賃滞納を放置すると強制退去のリスクが高まるため、早めの相談が不可欠です。生活保護などの公的支援を受けることで、住居を維持しながら経済基盤を整える道が開かれるでしょう。
例えば、住む場所がない状態で破産手続きを行う際、支援団体の紹介で一時的な宿泊場所を確保して、そこを拠点に生活を立て直すことが可能です。一人で悩まず、周囲のサポートを求めることは恥ずかしいことではありません。支援のプロとつながることにより、孤独感から解放され、より確実で迅速な社会復帰を目指せるでしょう。再出発のためのリソースは社会に存在することを忘れないでください。
法テラス
法テラスは国が設立した法的トラブル解決の案内所です。経済的に余裕がない方向けに、弁護士費用の立替えや無料相談を行う民事法律扶助制度を用意しています。例えば、費用面で専門家への依頼を躊躇している場合でも、この制度を利用すれば自己破産の手続きを進め、住まいの問題を法的に解決できます。借金問題や生活再建に関する適切な窓口を無料で案内してくれるため、何から手を付ければよいのか分からない方の最初の相談先として最適です。
全国各地に窓口があり、電話や対面での相談が可能です。法的な専門知識を持つスタッフが、あなたの状況に寄り添い、生活再建に向けた最も適切なステップを具体的に示してくれる頼もしい味方となるでしょう。
弁護士事務所
自己破産に伴う賃貸契約の解除リスクや滞納家賃の取り扱いについて、法的な観点から具体的な助言を得られます。例えば、管理会社との交渉や審査に通りやすい物件探しのコツなども、過去の事例に基づいたアドバイスをもらえるケースが多いです。
個々の事情に応じた対策を講じるために、手続きを依頼する弁護士に早めに相談することが望ましいです。特に家賃滞納がある場合、独断での支払いは免責不許可の原因となるため、プロの指示を仰ぐことが生活を守るための最善策となるでしょう。債務整理の専門家である弁護士は、単に借金を消すだけでなく、その後の平穏な住環境を維持し、確実な生活再建を成し遂げるための伴走者となってくれます。
自己破産に強い弁護士事務所のおすすめの選び方は?依頼するメリットも解説
まとめ
自己破産をしても現在の住まいを追い出される心配はなく、新居の契約も決して不可能ではありません。既存の住居は家賃滞納がなく振込などへ変更できれば継続入居が可能で、新規契約も独立系保証会社やUR賃貸などを選べば道が開けます。滞納がある場合は偏頗弁済を避けるためにも早めに専門家へ相談しましょう。
弁護士法人ライズ綜合法律事務所は、月間4,000件、年間5万件の相談実績を誇る債務整理のプロ集団です。シミュレーションで将来の見通しを提示し、無料相談を通じて一人ひとりに最適な解決策を提案します。電話やメールで柔軟に対応しており、初期費用に不安がある方も安心して再出発の相談が可能です。再出発を全力でサポートいたしますのでお気軽にお問い合わせください。
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。