債務整理

2026/08/14

借金一本化する際の相談先は?審査に通らないとできない?

借金一本化する際の相談先は?審査に通らないとできない?

複数の借入を抱えていると、返済日や金額の管理が煩雑になり「一本化したほうが楽になるのでは」と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、どこに相談すればよいのか分からず、本当に負担が軽くなるのか不安を感じている方も少なくありません。金利や返済期間によっては、逆に負担が増える可能性もあるため、慎重な判断が求められます。

本記事では、借金の一本化の仕組みやメリット・デメリット、注意点、相談先までを分かりやすく解説します。一本化が適しているのか、それとも別の方法を検討するべきなのか判断するための一助として、ぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 借金の一本化の仕組みや借り換えとの違い
  • 一本化によるメリット・デメリットや総返済額や負担の変化
  • 一本化が難しい場合の対処法や相談先、自分に合った解決策の考え方

借金の一本化とは?

借金の一本化とは、複数の金融機関からの借入を一つの借入先にまとめることを指します。返済先を一本化することで、管理の負担を軽減し、計画的な返済を目指すことができます。

具体的には、銀行や消費者金融が提供する「おまとめローン」などを利用し、他社の借金を一括で返済します。その後は、新たな借入先1社に対してのみ返済を続ける仕組みです。複数の借入を整理することで、返済状況を把握しやすくなる点が特徴です。

なお「借り換え」は1社のローンを別の1社に移す行為を指すのに対し、一本化は複数の借入をまとめる点が異なります。多重債務状態を整理する手段の一つとして位置付けられており、返済管理の複雑さを解消する目的で利用されるケースが多いです。

ただし、一本化を行えば必ず返済が楽になるわけではありません。金利や返済期間によっては総返済額が増えることもあるため、仕組みを正しく理解した上で検討することが重要です。

借金を一本化するメリット

借金の一本化には、返済管理の負担を軽減できるなどの利点があります。複数の借入先に対して個別に対応する必要がなくなるため、日々の管理がしやすくなるでしょう。

多重債務の状態では、返済日や金額が分散し、把握が難しくなりがちです。一方で一本化を行えば、返済先やスケジュールが整理され、全体像を把握しやすくなります。ここでは借金一本化の、具体的なメリットについて見ていきましょう。

返済のスケジュール管理が楽になる

複数の金融機関から借入をしている場合、それぞれの返済日や返済額を管理する必要があります。返済日が月内で分散していると、支払いを忘れてしまうリスクも高まりやすいでしょう。借金を一本化すると、返済先と返済日が一つに集約されます。そのため、毎月の支払いは基本的に1回で済み、管理の手間が大きく軽減されます。

また返済スケジュールが明確になることで、家計全体の見通しも立てやすくなります。毎月いくら支払うのかが把握しやすくなるため、生活費とのバランスも調整しやすくなるでしょう。

さらに、返済管理の煩雑さが解消されることで、精神的な負担が軽くなることも考えられます。ただし、状況によっては返済額や期間が変わるため、事前に条件を確認することが重要です。

金利負担を抑えられる場合がある

借金の一本化では、金利負担を抑えられる可能性があります。これは、借入額が増えることで適用される金利の上限が変わる仕組みがあるためです。

利息制限法では、借入額に応じて上限金利が定められています。例えば、少額の借入では高めの金利が適用されやすい一方、借入額が大きくなると上限金利は低くなります。そのため、複数の借入をまとめることで、より低い金利が適用される場合があるのです。

また現在利用しているローンよりも低金利の金融機関へ借り換えることができれば、支払う利息の総額を抑えられる可能性があります。結果として、月々の返済額が軽減されることもあるでしょう。

ただし、必ずしも金利が下がるとは限りません。審査結果や借入条件によっては、想定よりも高い金利が適用される場合もあります。総返済額がどのように変化するかを事前に確認することが重要です。

現在の延滞を解消できる

新たに借り入れた資金で既存の借金を一括返済することで、現在発生している延滞を解消できる場合があります。

複数の借入先に対して返済が遅れている場合、それぞれに対応する必要があり、状況がさらに複雑化しがちです。一方で一本化を行えば、これまでの借入をまとめて完済できるため、延滞状態をリセットしやすくなります。

また延滞が長期化する前に対応できれば、信用情報に事故情報が登録されるのを回避できる可能性もあります。信用情報への影響が軽減されれば、今後の金融取引にも好影響を与えることが期待できます。

ただし、すでに延滞が長期間続いている場合は、一本化の審査に通りにくくなる点に注意が必要です。状況によっては、他の解決策も検討する必要があるでしょう。

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借金を一本化するデメリット

借金の一本化にはメリットがある一方で、注意するべきデメリットも存在します。返済条件によっては、かえって負担が増える可能性もあるため、慎重な判断が求められます。

メリットだけではなくリスクも理解した上で検討することが重要です。ここでは、代表的なデメリットについて解説します。

返済総額が増える恐れがある

借金の一本化では、月々の返済額を抑えるために返済期間を長く設定するケースがあります。その結果、利息が発生する期間が延び、総返済額が増える可能性があります。

例えば、金利が下がったとしても、返済回数が増えれば支払う利息の合計は大きくなることがあります。月々の負担が軽くなったように見えても、最終的な支払額が増えてしまうケースは少なくありません。

そのため、一本化を検討する際は、月々の返済額だけではなく、総返済額も確認することが重要です。事前にシミュレーションを行い、どの程度の差が生じるのかを把握しておくと判断しやすくなります。

目先の負担軽減だけで判断せず、長期的な視点で検討することが大切です。

再び多重債務に陥るリスクがある

借金を一本化して既存の借入を完済すると、これまで利用していた金融機関の借入枠が復活する場合があります。その枠を利用して再び借入をしてしまうと、当然ですが以前よりも借金が増えてしまいます。

一本化後のローンは、追加借入ができない返済専用の商品であることが多いですが、他社からの借入は制限されないケースが一般的です。そのため、気軽に新たな借入を行ってしまうと、再び多重債務の状態に戻ってしまう可能性があります。

このようなリスクを防ぐためには、借入に対する意識を見直し、必要以上に借りないことが重要です。場合によっては、利用していないカードを解約するなどの対策も検討するとよいでしょう。

一本化はあくまで借金整理の手段であり、根本的な解決には行動の見直しが不可欠です。

手数料や担保・保証人が必要な場合がある

借金を一本化する際には、新たなローン契約に伴う手数料が発生する場合があります。また既存の借入を繰り上げ返済する際にも、所定の手数料がかかることがあります。

これらの費用が高額になると、一本化によるメリットが薄れてしまう可能性があります。そのため、事前にどのような費用が発生するのかを確認しておくことが重要です。

さらに、金融機関によっては担保の提供や保証人を求められる場合もあります。返済が滞った際には保証人に請求が及ぶため、慎重に検討する必要があります。

ただし、全ての一本化ローンで担保や保証人が必要になるわけではありません。商品ごとの条件を比較し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

借金を一本化したいときの相談先は?

借金を一本化したいと考えたとき、どこに相談するべきか迷う方は少なくありません。相談先によって役割が異なるため、自分の状況に合った窓口を選ぶことが重要です。

まず、実際におまとめローンを利用する場合の相談先としては、銀行や労働金庫、消費者金融が挙げられます。これらの金融機関では、おまとめローンの商品説明や審査、申し込み手続きを行うことができます。金利や返済条件を比較しながら、自分に合った金融機関を選ぶ必要があります。

一方で、どのような方法が適切か判断できない場合は、中立的な相談窓口を活用するのも有効です。例えば、財務局の多重債務相談窓口や法テラス、日本貸金業協会などでは、借金問題に関する一般的なアドバイスを受けることができます。

これらの窓口は特定の金融商品を勧める立場ではないため、客観的な視点で状況を整理しやすい点が特徴です。

さらに、一本化で対応できるのか、それとも債務整理が必要な状態なのかを判断したい場合は、弁護士への相談も選択肢となります。弁護士であれば、収入や借入状況を踏まえて、任意整理や個人再生、自己破産なども含めた総合的な解決策を提示してもらえます。

特に返済が厳しくなっている場合は、早めに専門家へ相談することが重要です。状況が悪化する前に適切な対応を取ることで、選択肢を広く保てる可能性があります。

借金を一本化する流れ

借金の一本化は、単に新しいローンを契約するだけではなく、いくつかの手順を踏んで進めていく必要があります。全体の流れを把握しておくことで、手続きの見通しが立ちやすくなるでしょう。

一般的には、借入状況の整理から始まり、金融機関の選定、申し込み・審査、契約、既存借入の完済という順序で進みます。事前準備を丁寧に行うことで、手続きがスムーズに進みやすくなります。

1.現在の借入状況を整理する

借金を一本化する前に、まず現在の借入状況を正確に把握することが重要です。どこからいくら借りているのかが曖昧なままでは、適切な判断ができません。

具体的には、以下のような情報を整理しておきます。

  • 借入先の金融機関名
  • 借入残高
  • 金利
  • 毎月の返済額と返済日

これらの情報は、各金融機関の会員ページや返済予定表、契約書などで確認できます。必要に応じて、金融機関に問い合わせれば資料を取り寄せることも可能です。

また借入情報だけではなく、家計の収支状況もあわせて確認しておくとよいでしょう。毎月どの程度返済に充てられるのかを把握することで、一本化が現実的な選択かどうか判断しやすくなります。

さらに、延滞の有無も重要なポイントです。延滞がある場合は審査に影響する可能性があるため、事前に把握しておく必要があります。

このように、借入額だけではなく金利や返済条件まで含めて整理することが、適切な判断につながります。

2.借り換え先の金融機関を選ぶ

借入状況を整理した後は、借り換え先となる金融機関を選びます。この選択は、一本化後の返済負担に大きく影響するため、慎重に行う必要があります。

主に比較するべきポイントは以下の通りです。

  • 金利
  • 返済期間
  • 毎月の返済額
  • 手数料の有無

一般的に、銀行は金利が低い傾向にありますが、審査は厳しめといわれています。一方で、消費者金融は銀行と比べて柔軟な審査が行われることもありますが、金利はやや高めに設定される傾向にあります。

ただし、どちらが優れているというわけではありません。自身の収入状況や信用情報、資金の必要性などに応じて選ぶことが重要です。

また複数の金融機関に同時に申し込むと、審査に不利に働く可能性があります。あらかじめ条件を比較し、申込先を絞ることが大切です。

さらに、月々の返済額だけではなく、総返済額も確認することで、より適切な判断ができるでしょう。

3.必要書類を用意する

借り換え先が決まったら、申し込みに必要な書類を準備します。書類がそろっていないと手続きが遅れるため、事前の確認が重要です。

一般的に必要となる書類は以下の通りです。

  • 運転免許証などの本人確認書類
  • 源泉徴収票や確定申告書などの収入証明書
  • 契約書や残高証明書などの借入状況が分かる書類

これらは金融機関ごとに異なる場合があるため、事前に公式サイトなどで確認しておくと安心です。

また書類に不備があると審査や契約が遅れる原因になります。特に収入証明書は提出条件が細かく定められていることがあるため、注意が必要です。

スムーズに手続きを進めるためにも、必要書類は余裕をもって準備しておきましょう。

4.ローンを申し込み、審査結果を待つ

必要書類がそろったら、金融機関にローンの申し込みを行います。申し込みはWebや店頭窓口から行うのが一般的です。

申し込み後は、金融機関による審査が実施されます。審査の対象となる可能性があるのは以下のような項目です。

  • 年収や雇用形態
  • 勤続年数
  • 他社での借入状況
  • 信用情報

また勤務先に在籍しているかを確認するための在籍確認が行われることもあります。多くの場合、プライバシーに配慮し、個人名で連絡が入るなどの対応が取られます。

なお、短期間に複数の金融機関へ申し込むと、審査に不利になる可能性があります。申し込みは計画的に行うことが重要です。

審査基準は金融機関ごとに異なるため、一概に通過できるかどうかは判断できませんが、正確な情報を申告することが大切です。

5.契約手続きをする

審査に通過すると、契約手続きへと進みます。この段階では、提示された条件をしっかり確認することが重要です。

確認するべき主な項目は以下の通りです。

  • 金利
  • 利用限度額
  • 返済回数と返済額
  • 手数料や遅延損害金

契約は店頭で行う場合もあれば、Web上で完結できる場合もあります。いずれの場合でも、契約内容が事前の説明と一致しているかを確認しましょう。

特に、想定していた返済額と大きく異なる場合は、そのまま契約を進めるべきか慎重に判断する必要があります。

契約前に内容を十分に理解しておくことが、後のトラブルを防ぐことにつながります。

6.借りたお金で他社の借金を完済する

契約が完了すると、融資された資金を使って既存の借金を一括返済します。この手続きによって、借入先の一本化が完了します。

複数の金融機関への返済が終了すると、以後は新たに契約した1社に対してのみ返済を行うことになります。これにより、返済管理の負担が軽減されるでしょう。

ただし、完済後も注意が必要です。以前利用していた金融機関の借入枠が残っている場合、再度借入を行うことが可能になるケースがあります。その結果、借入が癖になってしまっていると、再び借金が増えてしまう恐れがあります。このようなリスクを防ぐためには、不要なカードの解約や利用制限などを検討することが有効です。

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借金一本化の審査に通りにくいケース

借金の一本化は、複数の借入をまとめるため1件当たりの借入額が大きくなりやすく、金融機関にとっては貸し倒れリスクが高いと判断されやすい傾向があります。そのため、通常のカードローンと比べても審査は慎重に行われることが一般的です。

審査では、先述のように申込者の返済能力やこれまでの利用状況が総合的に確認されます。収入が不安定である場合や借入額が過大である場合、過去に延滞履歴がある場合などは、審査に通りにくくなる可能性があります。ただし、これらの条件に当てはまる場合でも必ず通らないわけではなく、金融機関ごとの基準によって結果は異なります。

このように、審査に通るかどうかは複数の要因が影響するため、自分の状況を客観的に整理した上で申し込むことが重要です。

借金一本化の審査に通らない場合の対処法

借金の一本化の審査に通らない場合や、仮に通過できたとしても返済の見通しが立たない場合は、別の方法で借金問題の解決を検討する必要があります。その代表的な手段が債務整理です。

債務整理には主に以下のような種類があります。

  • 任意整理:債権者と直接交渉し、返済条件の緩和を目指す方法
  • 個人再生:裁判所へ申し立てを行い、借金の大幅な減額を目指す方法
  • 自己破産:裁判所へ申し立てを行い、借金の返済義務の免責を目指す方法

これらはそれぞれ適したケースが異なるため、自身の収入や財産状況に応じて選ぶことが重要です。無理に一本化にこだわるのではなく、現実的に返済が可能な方法を選択することが求められます。

また弁護士に相談することで、自分に合った解決策を具体的に提示してもらえます。専門家は法的な知識をもとに状況を整理し、適切な手段を提案してくれるため、判断に迷っている場合は早めに相談することが有効です。

さらに、弁護士に依頼すると受任通知が送付され、貸金業者からの督促が止まる仕組みがあります。これにより、精神的な負担を軽減しながら今後の対応を検討できるようになります。

借金問題は放置するほど状況が悪化しやすいため、一本化が難しい場合は早めに別の解決策へ目を向けることが大切です。

まとめ

借金の一本化は、複数の借入を整理し、返済管理をしやすくする方法の一つです。返済先を一つにまとめることでスケジュール管理がしやすくなり、条件によっては金利負担を抑えられる可能性もあります。

一方で、返済期間の延長によって総返済額が増える場合や、再び借入をしてしまうリスクがある点には注意が必要です。また審査に通ることができず、状況によっては一本化自体が難しいケースもあります。

そのため、自分の借入状況や返済能力を踏まえた上で、一本化が適しているかを判断することが重要です。判断が難しい場合や返済に不安がある場合は、弁護士などの専門家へ相談することで適切な選択肢を見つけやすくなります。

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このページの監修弁護士

弁護士

久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。

弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。