債務整理

2026/09/13

任意整理は自分でできる?個人でやるリスクと注意点を解説

任意整理は自分でできる?個人でやるリスクと注意点を解説

借金の返済を続けているものの「このままで大丈夫なのだろうか」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。任意整理を検討していても、弁護士費用の負担が気になり「自分で手続きを進められないか」と考えるケースは少なくありません。

任意整理は裁判所を通さず、債権者と直接交渉する手続きです。そのため、法律上は弁護士や司法書士へ依頼せず、自分で進めることもできます。ただし、交渉や書類準備には一定の知識と時間が必要です。債権者によっては個人からの交渉に応じない場合もあり、思うように進まないケースもあります。

また返済計画に無理があると、和解後に再び返済が苦しくなる可能性もあるでしょう。費用を抑えられる点は魅力ですが、メリットだけではなく負担やリスクも理解した上で判断することが大切です。

本記事では、任意整理を自分で進める流れや必要書類、メリット・デメリットを詳しく解説します。記事を読むことで、自分で対応できそうか、それとも専門家へ相談した方がよいか判断しやすくなるでしょう。

【この記事で分かること】

  • 任意整理を自分で進める具体的な流れと、和解成立までの手順
  • 将来利息の交渉や返済計画など任意整理で確認すべきポイント
  • 自力対応のリスクや弁護士へ相談した方がよいケース

任意整理は自分でできる?

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉を行う債務整理の方法です。そのため、法律上は弁護士や司法書士へ依頼せず、自分で手続きを進めることもできます。

自力で進める場合、専門家費用を抑えられる点は大きなメリットでしょう。特に、借入先が複数あり、弁護士費用の負担が難しい方にとっては、有力な選択肢の一つになり得ます。

しかし、実際には簡単に進むとは限りません。任意整理では、取引履歴の取得や引き直し計算、返済計画の作成など、多くの準備が必要です。また債権者は日常的に交渉を行っているため、個人での交渉では不利になるケースもあります。

例えば、将来利息のカットを認めてもらえなかったり、返済回数について厳しい条件を提示されたりする場合があります。債権者によっては、個人からの交渉を受け付けないこともあるでしょう。

また専門家へ依頼した場合のように、受任通知による督促停止効果をすぐに得られない点も注意が必要です。返済催促へ対応しながら交渉を進める負担は小さくありません。

そのため、任意整理は自分でも可能ではあるものの、知識や交渉力、継続的な対応が求められる手続きといえます。費用面だけで判断せず、自分の状況に合った方法を選ぶことが重要です。

任意整理を自分で進める流れ

任意整理を自分で進める場合は、単に債権者へ連絡するだけではありません。借金状況や家計を整理し、返済可能な金額を把握した上で交渉を進める必要があります。

一般的には、以下の流れで手続きを進めます。

  • 対象にする借金と家計状況を把握する
  • 取引履歴を取り寄せて債務額を確認する
  • 必要に応じて引き直し計算を行う
  • 返済計画と和解案を作成する
  • 債権者と交渉する
  • 和解書を取り交わす
  • 合意内容に従って返済する

それぞれの工程で確認事項が多く、債権者数が増えるほど負担も大きくなります。途中で難しいと感じた場合は、早めに専門家へ相談することも検討しましょう。

1.対象にする借金と家計状況を把握する

任意整理を進める際は、まず現在の借金状況と家計の収支を整理する必要があります。ここが曖昧なままでは、現実的な返済計画を立てることが難しくなるためです。

まずは、以下の内容を一覧化しましょう。

  • 借入先
  • 借金残高
  • 毎月の返済額
  • 金利
  • 返済日

また収入と支出も正確に把握する必要があります。特に重要なのは「毎月いくら返済へ回せるか」を冷静に確認することです。

例えば、手取り収入から家賃や光熱費、通信費、食費などの生活費を差し引き、無理なく返済できる金額を算出します。このとき、ボーナス頼みの返済計画は避けた方がよいでしょう。収入が変動した際に返済継続が難しくなる可能性があるためです。

任意整理では、整理する借金を選べる点も特徴です。保証人付きの借金を対象にすると、保証人へ請求が移る可能性があります。そのため、どの借金を対象にするか慎重に検討しなければなりません。

家計簿アプリや通帳履歴を活用すると、支出の整理がしやすくなります。まずは、自分の返済能力を客観的に把握することから始めましょう。

2.取引履歴を取り寄せて債務額を確認する

家計状況を整理した後は、各債権者から取引履歴を取り寄せます。取引履歴とは、借入や返済、利息の支払い状況などが記録された書類です。

現在の借金残高だけではなく、過去の取引内容を正確に確認するためにも重要な資料となります。特に、長期間借入を続けている場合は、取引履歴がなければ正確な債務額を把握できません。

取引履歴には、主に以下の内容が記載されています。

  • 借入日
  • 借入金額
  • 返済日
  • 返済額
  • 適用金利
  • 遅延損害金

取引履歴は、電話や書面などで貸金業者へ開示請求を行うことで取得できます。貸金業法では、正当な理由がない限り、貸金業者は原則として開示請求を拒否できないとされています。

ただし、資料が届くまでには時間がかかる場合があります。古い取引ほど確認に日数を要するケースもあるため、早めに請求しておくと安心です。

また受け取った履歴内容に誤りがないか確認することも重要です。借入や返済の記録にズレがあると、後の引き直し計算や和解交渉に影響する可能性があります。

3.必要に応じて引き直し計算を行う

取引履歴を取得した後は、必要に応じて引き直し計算を行います。引き直し計算とは、利息制限法の上限金利に基づき、これまでの利息を再計算する作業です。

特に、2010年以前から借入を続けていた場合は、グレーゾーン金利で返済していた可能性があります。その場合、払い過ぎた利息が発生しており、借金残高を減額できるケースがあります。

引き直し計算では、以下のような点を確認します。

  • 過払い金の有無
  • 正しい元本残高
  • 適法な利率で再計算した返済状況

複数回の完済や再借入がある場合は、計算が複雑になることがあります。計算を誤ると、本来より多い残高で和解してしまう可能性もあるため注意が必要です。

近年の借入では、すでに利息制限法内の金利で契約しているケースが多く、必ずしも過払い金が発生するわけではありません。ただし、長期借入がある場合は確認しておくと安心でしょう。

引き直し計算には、専用ソフトやExcelテンプレートを利用する方法があります。難しいと感じた場合は、専門家へ相談することも検討してください。

4.無理のない返済計画と和解案を作成する

債務額が確定した後は、返済計画と和解案を作成します。任意整理では、将来利息のカットや返済期間の延長について交渉することが一般的です。

まずは、家計状況から算出した返済可能額を基準に、無理のない返済計画を立てます。生活費を極端に削る前提では、返済継続が難しくなる可能性があるため注意が必要です。

和解案では、主に以下の内容を整理します。

項目

内容

残債務額

確定した借金総額

将来利息

カット希望の有無

月々の返済額

無理なく返済できる金額

返済期間

一般的には3〜5年程度

債権者によっては、長期分割に応じない場合もあります。またボーナス払いを前提にすると、収入変動時に返済が苦しくなる可能性があります。

急な出費や病気なども考慮し、一定の余裕を持った返済計画を立てることが大切です。家計収支表を作成しておくと、交渉時にも説明しやすくなるでしょう。

5.債権者へ和解案を提示し交渉する

返済計画がまとまったら、債権者へ和解案を提示し、交渉を進めます。交渉方法は、電話や書面で行われることが一般的です。

交渉では、将来利息のカットや返済回数の調整について話し合います。ただし、債権者ごとに対応方針は異なり、個人からの交渉を断られる場合もあります。

また債権者から対案を提示されるケースも少なくありません。例えば、返済期間を短くするよう求められたり、一部利息のみ免除とされたりする場合があります。

このとき重要なのは、無理な条件で安易に合意しないことです。返済を続けられなければ、後に一括請求を受ける可能性もあります。

交渉内容は、メモや録音で記録しておくと安心です。感情的にならず、冷静に対応することを意識しましょう。

また交渉が長引くケースもあります。対応に不安を感じた場合は、専門家へ相談することも選択肢の一つです。

6.合意できたら和解書を取り交わす

債権者との交渉がまとまった後は、和解内容を書面にまとめます。口頭だけの合意では、後にトラブルへ発展する可能性があるためです。

和解書には、主に以下の内容を記載します。

  • 返済総額
  • 月々の返済額
  • 返済期間
  • 支払日
  • 将来利息の免除内容
  • 滞納時の対応

特に注意したいのは、滞納時の取り扱いです。例えば「2回以上滞納した場合は残額を一括請求する」といった条項が入る場合があります。

また将来利息の免除について曖昧な表現になっていないかも確認が必要です。文言が不明確だと、後に認識違いが生じる可能性があります。

署名・捺印を行う前に、支払日や振込先も含めて細かく確認してください。和解書の控えは必ず保管しておきましょう。

専門用語が多く内容が理解しにくい場合は、無理に自己判断せず専門家へ確認することも重要です。

7.合意内容に従って返済をする

和解書を締結した後は、合意内容に従って返済を続けます。任意整理では、通常3〜5年程度かけて返済を行うケースが一般的です。

返済期間が長いため、安定した家計管理が欠かせません。無理な節約を続けると、途中で生活が立ち行かなくなる可能性があります。

返済を安定させるためには、以下のような工夫が役立ちます。

  • 自動引落を設定する
  • 毎月の家計を定期的に見直す
  • 緊急時用の予備費を確保する
  • 支払日をカレンダーで管理する

病気や減収などで返済が難しくなりそうな場合は、放置せず早めに債権者へ相談することが重要です。状況によっては、再和解に応じてもらえる場合があります。

一方、滞納を繰り返すと、一括請求を受ける可能性があります。和解成立後も安心し切るのではなく、継続して返済できる環境を整えることが大切です。

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任意整理を自分で進める場合の費用は?

任意整理を自分で進める場合、弁護士や司法書士への依頼費用を抑えられる点は大きなメリットです。借入先が複数ある場合、専門家費用が数十万円規模になるケースもあるため、費用面を理由に自力対応を検討する方も少なくありません。

一般的に、弁護士や司法書士へ任意整理を依頼した場合は、1社当たり数万円程度の費用が発生します。事務所によっては分割払いに対応している場合もありますが、返済と並行して支払う負担を重く感じるケースもあるでしょう。

一方、自分で交渉を行う場合は、以下のような実費が中心となります。

主な費用

内容

郵送費

書類送付や開示請求時に必要

印刷・コピー代

和解案や資料準備に必要

交通費

窓口訪問時などに発生

通信費

電話やFAXなどのやり取り

ただし「費用が安い=負担が小さい」というわけではありません。取引履歴の取得や引き直し計算、債権者との交渉など、多くの時間と労力が必要になります。

また平日の日中に債権者から連絡が入る場合もあり、仕事との両立が難しく感じるケースもあります。交渉に失敗した結果、返済条件が厳しくなったり、和解まで長期間かかったりする可能性もあるでしょう。

時間的コストや精神的負担も含めて、自分に合った方法かどうかを総合的に判断することが大切です。

任意整理を自分で行う際に用意すべき書類

任意整理を自分で進める際は、借金や家計状況を客観的に示すための書類を準備する必要があります。債権者との交渉では、返済能力や現在の状況を具体的に説明できるかが重要になるためです。

また資料が不足していると、正確な返済計画を立てにくくなります。債権者から追加提出を求められる場合もあり、交渉がスムーズに進まない可能性もあるでしょう。

必要書類は、大きく以下の4種類に分けられます。

  • 債務に関する書類
  • 収入に関する書類
  • 支出に関する書類
  • 財産に関する書類

古い契約では再発行が必要になる場合があります。またWeb明細や家計簿アプリなど、デジタルデータを活用できるケースもあります。

ここでは、それぞれの書類について詳しく見ていきましょう。

債務に関する書類

任意整理では、まず現在の借金状況を正確に把握する必要があります。そのためには、借入先や借金残高、返済状況が分かる書類をそろえなければなりません。

特に重要なのが取引履歴です。取引履歴には、借入日や返済額、利息などの詳細が記録されており、引き直し計算を行う際の基礎資料になります。

主に以下のような書類を準備しましょう。

  • 取引履歴
  • 借入契約書
  • クレジットカード利用明細
  • 請求書
  • 督促状

取引履歴は、貸金業者へ開示請求することで取得できます。貸金業法では、正当な理由がない限り、原則として開示を拒否できないとされています。

またクレジットカードのキャッシング履歴も対象になる場合があります。複数社から借入がある場合は、一覧表を作成して整理すると状況を把握しやすくなるでしょう。

古い契約では、資料保存期間の関係で履歴確認に時間がかかるケースがあります。そのため、早めに開示請求を行うことが大切です。

「督促状が届いていないから問題ない」と判断するのは危険です。自己申告だけではなく、客観的資料を基に借金状況を整理する必要があります。

収入に関する書類

任意整理では「今後も継続して返済できるか」が重視されます。そのため、債権者へ返済能力を示すための収入証明書類が必要になります。

特に、毎月どの程度の収入があり、安定した返済が可能なのかを客観的に示すことが重要です。返済可能額を算出する際の根拠資料にもなるため、できるだけ正確な資料を用意しましょう。

主に以下のような書類が必要になります。

  • 給与明細
  • 源泉徴収票
  • 確定申告書
  • 課税証明書

会社員の場合は、直近数カ月分の給与明細を求められるケースがあります。一方、自営業者は確定申告書や課税証明書が重要になるでしょう。

また副業収入がある場合は、その内容も整理しておく必要があります。ただし、収入変動が大きい場合は、一時的な高収入だけではなく、平均的な収支を基準に返済計画を考えることが大切です。

年収の高さだけではなく「継続して返済できるか」が重視される点を理解しておきましょう。

支出に関する書類

収入だけではなく、毎月どの程度の支出があるかを整理することも重要です。生活費を把握できていなければ、無理のない返済計画を立てることはできません。

債権者との交渉では「毎月いくら返済へ回せるか」を説明する必要があります。そのため、支出状況を示す資料も準備しておきましょう。

主に必要となる書類は以下の通りです。

  • 家計簿
  • 家賃の領収書
  • 光熱費の明細
  • 通帳コピー

家計簿は手書きでもアプリでも問題ありません。家賃や食費、通信費などの支出を整理し、現実的な返済可能額を把握することが重要です。

また通帳コピーや領収書は、家計簿内容の裏付け資料として役立ちます。特に、固定費の状況を示せると、返済計画の説得力が高まりやすくなるでしょう。

不要なサブスク契約や無駄な支出がないか見直すことも大切です。ただし、極端な節約を前提に返済計画を立てると、後に継続が難しくなる可能性があります。

家族世帯の場合は、教育費や医療費なども含めて、生活全体を考慮した計画を立てる必要があります。

財産に関する書類

任意整理では、債権者から財産状況の確認を求められる場合があります。そのため、所有している資産に関する書類も準備しておくと安心です。

財産状況を正確に開示することで「誠実に交渉へ臨んでいる」という印象につながりやすくなります。一方、財産を隠していると受け取られると、交渉が不利になる可能性もあるため注意が必要です。

主に以下のような書類を準備します。

  • 生命保険証券のコピー
  • 車検証
  • 不動産登記簿謄本

生命保険に解約返戻金がある場合は、財産として評価される可能性があります。また自動車を所有している場合は、ローン残高の有無も確認されるケースがあります。

不動産を所有している場合は、登記簿謄本だけではなく、固定資産税評価額などの確認を求められることもあります。

また近年ではネット銀行口座や投資資産について確認されるケースもあります。隠さず整理しておくことが大切です。

ただし、任意整理は自己破産とは異なり、基本的には財産を維持しながら返済を続ける手続きです。財産があるから直ちに失うというわけではありません。

正確な資料を準備し、誠実に交渉へ臨むことが、和解成立へ向けた重要なポイントになります。

任意整理を自分で行うメリット

任意整理を自分で進める場合には、専門家費用を抑えられる点や、自分のペースで手続きを進めやすい点などのメリットがあります。そのため「まずは自分でやってみたい」と考える方も少なくありません。

特に、返済は続けられているものの、弁護士費用の負担が不安な場合には、自力対応を検討するケースがあります。

一方、メリットだけではなく、時間や労力が大きくかかる点には注意が必要です。自力対応が向いているケースと、専門家へ相談した方がよいケースは異なります。

ここでは、任意整理を自分で進める主なメリットについて詳しく見ていきましょう。

専門家への依頼費用を抑えられる

任意整理を自分で進める大きなメリットは、弁護士や司法書士への依頼費用を抑えられる点です。借入先が多い場合、専門家費用が高額になるケースもあるため、費用面を理由に自力対応を検討する方もいます。

一般的に、任意整理を専門家へ依頼した場合は、債権者1社ごとに数万円程度の費用が発生します。借入先が複数ある場合は、総額で数十万円規模になることもあるでしょう。

専門家費用には、主に以下のようなものがあります。

費用項目

内容

着手金

手続きを依頼する際に発生

報酬金

和解成立時などに発生

減額報酬

借金減額分に応じて発生する場合がある

一方、自分で進める場合は、主に郵送費やコピー代などの実費のみで済むケースが一般的です。そのため、手元資金に余裕がない方にとっては、大きな助けになる可能性があります。

また返済と専門家費用を並行して支払う負担を避けられる点もメリットです。特に、毎月の返済で家計に余裕がない場合は、費用負担を重く感じやすいでしょう。

ただし、自力対応では時間的・精神的コストが増える傾向があります。平日の日中に債権者対応が必要になる場合もあり、仕事との両立が難しくなるケースもあります。

専門家費用は無駄というわけではありません。依頼することで、交渉負担の軽減や督促停止などのメリットを得られる場合もあります。費用面だけではなく、総合的な負担を踏まえて判断することが重要です。

自分のペースで手続きを進められる

任意整理を自分で進める場合は、自分の都合に合わせて手続きを進めやすい点もメリットです。弁護士事務所への訪問や面談日程の調整が不要になるため、空いた時間を活用しながら進められます。

例えば、仕事終わりや休日に書類整理を行ったり、自分のタイミングで家計を見直したりすることができます。自分自身で状況を把握しながら進めたい方にとっては、安心感につながる場合もあるでしょう。

また交渉内容や返済計画を自分で確認しながら進められるため、借金状況への理解が深まりやすい側面もあります。

一方、自由度が高い分、全てを自己管理しなければなりません。取引履歴の取得状況や返済計画、交渉進捗などを自分で管理する必要があります。

さらに、債権者から平日日中に連絡が入るケースもあります。そのため、必ずしも「自分のペース=楽」というわけではありません。

自力対応は、時間を確保しやすく、自分で状況を管理したい方に向いている場合があります。ただし、負担が大きいと感じた際は、無理をせず専門家への相談も検討しましょう。

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任意整理を自分で行うデメリットやリスク

任意整理を自分で進める場合には、専門家費用を抑えられるメリットがあります。しかし、その一方で、交渉や書類準備の負担が大きくなる点には注意が必要です。

特に、債権者対応や引き直し計算には専門知識が求められます。知識不足のまま進めると、不利な条件で和解してしまう可能性もあるでしょう。

また専門家へ依頼した場合のような督促停止効果を直ちに受けにくい点も、自力対応の大きな負担です。

ここでは、任意整理を自分で行う際に注意したいデメリットやリスクについて解説します。

手続き中も返済を続けなければならない場合がある

弁護士や司法書士へ任意整理を依頼した場合は、受任通知が送付されることで、債権者からの督促や取り立てが停止します。これは貸金業法に基づく対応です。

一方、自分で任意整理を進める場合は、このような法的保護を受けられないケースがあります。そのため、交渉期間中も通常通り返済催促や督促が続く可能性があります。

例えば、以下のような対応が必要になる場合があります。

  • 電話による返済催促への対応
  • 郵送による督促状の確認
  • 支払遅延時の説明
  • 遅延損害金への対応

督促へ対応しながら交渉を進めることは、精神的にも大きな負担になりやすいでしょう。また焦りから無理な返済条件を受け入れてしまうリスクもあります。

さらに、滞納が長引くと、遅延損害金が増加する可能性があります。郵送物や電話連絡によって、家族へ借金問題を知られるリスクが高まるケースもあるでしょう。

返済継続が難しくなった場合は、放置せず早めに対応することが重要です。状況によっては、専門家へ相談した方が負担軽減につながる場合もあります。

引き直し計算や交渉の負担が大きい

任意整理を自分で進める場合には、引き直し計算や債権者交渉を自力で行わなければなりません。これらには専門知識が必要になるため、大きな負担になりやすい点に注意が必要です。

引き直し計算とは、利息制限法に基づき、過去の利息を再計算する作業です。特に、2010年以前から借入がある場合は、過払い金が発生している可能性があります。

しかし、以下のようなケースでは計算が複雑化しやすくなります。

  • 複数回の完済と再借入がある
  • 借入期間が長い
  • 複数社から借入している
  • 古い取引履歴が残っている

計算を誤ると、本来より多い借金残高で和解してしまう可能性があります。また過払い金を見落とし、不利益を受けるケースもあるでしょう。

引き直し計算では、Excelや専用ソフトを利用するケースがあります。ただし、ツールを使えば必ず正確にできるとは限りません。入力ミスや計算条件の誤りによって結果が変わる場合もあります。

また債権者ごとに和解基準が異なるため、交渉には一定の経験や知識も求められます。知識不足を見抜かれ、不利な条件を提示される可能性もあるでしょう。

自分で進められないわけではありませんが、負担が大きいと感じた場合は、無理をせず専門家へ相談することも重要です。

債権者に交渉に応じてもらいにくい

任意整理では、債権者との交渉が重要になります。しかし、自分で交渉を行う場合、債権者に取り合ってもらえないケースがあります。

貸金業者は、日常的に債務整理対応を行っている交渉のプロです。そのため、個人からの申し出に対しては「弁護士を通してください」と案内される場合があります。

特に近年は、専門家が介入していても交渉が難航するケースがあります。そのため、個人交渉では、和解のテーブルに着くこと自体が難しい場合もあるでしょう。

また仮に交渉へ応じてもらえたとしても、以下のような条件を提示されるケースがあります。

  • 将来利息のカットを認めない
  • 長期分割を認めない
  • 月々の返済額を高く設定される

知識不足のまま交渉すると、不利な条件で合意してしまう可能性があります。そのため、交渉内容は必ず記録に残しておくことが大切です。

債権者によって対応方針は異なるため、全てのケースで交渉できないわけではありません。しかし、個人交渉には一定のハードルがあることは理解しておく必要があります。

自分での任意整理が難しいときの対処法

任意整理を自分で進めていると、交渉や書類準備が思うように進まない場合があります。債権者から厳しい条件を提示されたり、交渉自体を断られたりするケースもあるでしょう。

そのような場合は、早めに弁護士や司法書士へ相談することが重要です。専門家が介入することで、債権者の対応が変わり、和解成立につながるケースがあります。

また専門家へ依頼すると、以下のような手続きを代行してもらえます。

  • 引き直し計算
  • 債権者との交渉
  • 必要書類の作成
  • 返済計画の整理

専門家が受任通知を送付すると、督促停止効果を受けられる場合があります。そのため、精神的負担の軽減にもつながりやすいでしょう。

さらに、任意整理だけではなく、個人再生や自己破産など、別の選択肢を提案されるケースもあります。現在の収支状況に応じて、より現実的な解決方法を検討できる点もメリットです。

近年は、無料相談に対応している法律事務所も増えています。分割払いに対応しているケースもあるため「費用が払えないから相談できない」と決めつける必要はありません。

借金問題は、放置すると状況が悪化しやすくなります。自力対応が難しいと感じた時点で、早めに相談することが重要です。

まとめ

任意整理は、裁判所を通さず債権者と直接交渉する手続きであるため、自分で進めること自体は可能です。専門家費用を抑えられる点は大きなメリットでしょう。

一方、引き直し計算や返済計画の作成、債権者との交渉には大きな負担が伴います。交渉に応じてもらえなかったり、不利な条件で和解してしまったりするリスクもあります。

また自力対応では、受任通知による督促停止効果を受けられない場合があります。そのため、返済催促へ対応しながら交渉を進めなければならず、精神的負担が大きくなるケースも少なくありません。

無理を感じた場合は、早めに専門家へ相談することが重要です。自分に合った解決方法を見極めることで、今後の返済負担を整理しやすくなります。

弁護士法人ライズ綜合法律事務所では、月間4,000件、年間5万件の相談実績を基に、一人ひとりの状況に応じた債務整理をサポートしています。電話やメール、LINEからのお問い合わせにも対応しており、相談料は無料です。お気軽にお問い合わせください。

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いまは「どう対処すればよいか分からない」
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  • 相談料は何度でも0円
  • 分割払い対応
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このページの監修弁護士

弁護士

久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。

弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。