債務整理
2026/08/13
任意整理をするとクレジットカードは使えなくなる?新規カードは作れる?

借金の返済は続けられているものの、将来への不安から任意整理を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、任意整理をするとクレジットカードが使えなくなるといわれており、日常生活への影響が気になるかもしれません。
本記事では、任意整理後のクレジットカードの扱いについて、利用停止のタイミングや影響、具体的な対処法まで分かりやすく解説します。
【この記事で分かること】
- 任意整理をするとクレジットカードが使えなくなる理由と、その影響が続く期間
- 対象カードと対象外カードの違い、どのタイミングで利用停止になるのかという具体的な流れ
- カードが使えなくなった後の生活への影響と、支払い方法の変更など現実的な対処法
任意整理をするとクレジットカードは使えなくなる?
任意整理を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されるため、原則としてクレジットカードは利用できなくなります。いわゆるブラックリストと呼ばれる状態であり、カード会社から見ると信用力が低いと判断されるためです。
手続きの対象としたカードは早い段階で利用停止となり、対象外のカードについても、途上与信や更新審査のタイミングで利用できなくなる可能性が高いでしょう。また借金を完済してから5年程度は事故情報が残るため、新たにカードを作成することも難しくなります。
手続きの対象としたカードの場合
任意整理の対象としたクレジットカードは、弁護士がカード会社に受任通知を送付した時点で、利用停止となるのが一般的です。受任通知とは、依頼を受けた弁護士が代理人として手続きを行うことを債権者へ知らせる書面を指します。
カード会社はこの通知を受け取ると、新たな利用を止めて債務額を確定させる必要があります。そのため、通常は通知後すぐにカードが使えなくなり、最終的には強制解約になるのが一般的な流れです。
また本会員のカードが停止されると、家族カードやETCカードといった付帯カードも同時に利用できなくなる点に注意が必要です。家族が日常的にカードを利用している場合、突然使えなくなり不便になってしまうかもしれません。ETCカードも同様に、事前に把握しておかないとトラブルにつながるでしょう。
対象カードは比較的早い段階で影響が出るため、事前に周囲と共有し、代替手段を準備しておくことが重要です。
手続きの対象としていないカードの場合
任意整理の対象から外したクレジットカードは、手続き直後であれば一時的に利用できる場合があります。しかし、そのまま使い続けられるわけではありません。
カード会社は定期的に利用者の信用情報を確認する途上与信を行っています。このタイミングで他社の債務整理が確認されると、信用力が低下していると判断され、利用停止や強制解約となるケースが多いでしょう。
一時的に使えるからといって安心してしまうと、突然利用できなくなるリスクがあります。整理対象外のカードもいずれ使えなくなる可能性が高いと理解しておくことが大切です。
クレジットカードが使えなくなることによる影響やリスク
クレジットカードが使えなくなることによる影響は、単に買い物が不便になるだけではありません。具体的にどのような影響があるのか、順番に確認していきましょう。
各種支払い方法を変更する必要がある
クレジットカードが利用停止になると、カード払いに設定している各種料金の決済ができなくなります。特に公共料金や通信費などは生活に直結するため、早めの対応が重要です。
例えば、以下のような支払いは影響を受けやすいといえます。
- 電気・ガス・水道などの公共料金
- 携帯電話やインターネットの料金
- 保険料や各種サブスクリプション
これらを放置すると、未払い扱いとなり契約停止につながる可能性があります。日常生活に支障が出る前に、銀行口座振替やコンビニ払いへ変更しておきましょう。
また見落としやすいのがサブスクリプションサービスです。自動引き落としを完了できず、気づかない間にサービスを利用できなくなってしまうかもしれません。カード利用明細を確認するなどして、決済方法の変更が必要なサービスを全て洗い出しておくとよいでしょう。
ETCカードが使えなくなる
任意整理の対象としたクレジットカードに付帯するETCカードは、本カードの停止と同時に利用できなくなるのが一般的です。そのまま利用すると、料金所でゲートが開かないといったトラブルにつながる可能性があります。
また任意整理の対象にしないカードに付帯するETCカードであっても、先述のように、後の途上与信で利用停止となる可能性が高いでしょう。そのため、基本的には全てのETCカードが使えなくなる前提で準備しておくと安心です。
高速道路を利用する場合は、以下のような代替手段を検討するとよいでしょう。
- デポジット型ETCカード(保証金を預けて利用するタイプ)
- 現金支払いへの切り替え
特に業務で利用する場合は、早めに代替手段を用意しておくことが重要です。
商品が引き上げられる場合がある
クレジットカードの分割払いで購入した商品については、任意整理後に引き上げられる可能性があります。これは「所有権留保」と呼ばれる仕組みによるものです。
所有権留保とは、支払いが完了するまで商品の所有権が売主やカード会社側にあるという考え方です。そのため、支払いが途中の状態で任意整理を行うと、商品を回収される可能性があります。
特に注意が必要なのは、以下のような換価価値の高い商品です。
- 自動車
- 高級時計やブランド品
一方で、日用品や価値の低い家電などは、そのまま使用できるケースもあります。ただし、判断はカード会社によるため一概にはいえません。
商品を手元に残したい場合は、そのカード会社を整理対象から外す選択肢もあります。しかし、同一会社でキャッシングも利用している場合はまとめて整理する必要があるため、必ずしも希望通りになるとは限りません。状況に応じて専門家へ相談することが重要です。
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クレジットカードに関して任意整理前後にやってはいけないこと
任意整理は、債権者との信頼関係を前提として進められる手続きです。そのため、手続きの前後で不適切な行動を取ると、和解交渉が不利になる可能性があります。
ここでは、特に注意すべき行動について具体的に解説します。
名義貸し・家族名義カードの乱用
任意整理を行うと、本会員のカードだけではなく、付帯する家族カードも連動して利用停止となるのが一般的です。そのため、これまで家族カードを利用していた場合でも、突然使えなくなる可能性があります。
このような状況で注意したいのが、家族名義のカードを無断で使用したり、自分名義で作れないからといって家族の名義を借りてカードを作成したりする行為です。これらはカード会社の規約に反するだけではなく、家族の信用にも影響を及ぼす恐れがあります。利用する場合は必ず事前に同意を得て、責任の所在を明確にしておくことが重要です。
強制解約前の使い込み
任意整理を検討している段階や、弁護士へ依頼する直前にクレジットカードを使い込む行為は避けるべきです。このような行為は、返済意思がない借入と判断される可能性があります。その結果、債権者との交渉が難しくなり、和解条件が厳しくなる恐れがあります。また利用が続くと債務額が確定せず、手続きを開始できない状態が続いてしまう点にも注意が必要です。
特に問題となりやすいのは以下のようなケースです。
- 高額商品の購入を繰り返す
- キャッシング枠を使い切る
- 商品を現金化する目的で購入する
弁護士へ依頼した後は、全てのカード利用を速やかに停止することが基本です。適切な手続きを進めるためにも、早い段階で利用を控える意識が重要になります。
虚偽の申告での申し込み
クレジットカードの審査に通りたいという理由で、年収や勤務先、借入状況などを実際と異なる内容で申告することは避けるべきです。カード会社は信用情報機関を通じて情報を確認するため、虚偽の内容は発覚する可能性が高いといえます。
一度虚偽申告が判明すると、審査に通らなくなるだけではなく、社内データに記録が残ることがあります。このような状態になると、将来的に信用情報が回復した後でも、その会社や系列会社での契約が難しくなる可能性があります。
よくある誤解として、少しの誤差であれば問題ないと考えるケースがありますが、審査においては正確な情報が重視されます。長期的に信用を回復していくためにも、正直な申告を徹底することが重要です。
任意整理後に新しいクレジットカードを作れる?
任意整理を行った後でも、一定期間が経過すればクレジットカードを作成できる可能性はあります。ただし、手続き後すぐに発行できるわけではありません。
任意整理を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されるため、その期間中は審査に通りにくい状態が続きます。カードを再び作成するためには、事故情報が削除されるのを待ち、信用を回復していく必要があります。
信用情報機関に事故情報が残る期間
信用情報機関に登録される事故情報は、一般的に借金を完済してから5年程度残るとされています。ここで注意したいのは、任意整理の手続きを開始した時点ではなく、和解後の返済を全て終えた時点が起算点となる点です。
そのため、例えば3年かけて返済した場合は、実質的に8年程度は影響が続く可能性があります。思っているよりも長期間にわたって影響が残ることを理解しておく必要があります。
また事故情報が削除されたからといって、必ず審査に通るわけではありません。申し込み前には、CICやJICCなどの信用情報機関に開示請求を行い、事故情報が削除されているか確認することが大切です。事前確認を行うことで、無駄な申し込みを避けることができます。
社内ブラックのリスク
信用情報機関の記録とは別に、カード会社が独自に保有する顧客データが存在します。任意整理の履歴がこれらのデータに残ることがあり、一般的に社内ブラックと呼ばれています。
社内ブラックの状態になると、同じカード会社やその系列会社での再契約が難しくなる傾向があります。信用情報が回復していても、過去の取引履歴をもとに審査で不利になる可能性があるためです。
特に注意したいのは、グループ会社間で情報が共有されているケースです。銀行系や信販系のカード会社では、同一グループ内で審査情報が参照されることがあります。
社内ブラックは正式な制度ではありませんが、実務上影響を受けることがあるため、申込先の選定は慎重に行うことが重要です。
次回のカード審査に通過するためのポイント
任意整理による影響が終わった後でも、すぐにクレジットカードの審査に通るとは限りません。事故情報が削除された直後は、信用履歴がほとんどない状態となり、カード会社が返済能力を判断しにくいため、審査で慎重に見られる傾向があります。
では、カード審査に通る可能性を少しでも上げるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、具体的なポイントを解説します。
安定した収入を確保する
クレジットカードの審査においては、利用代金を継続的に支払えるかどうかが重視されます。そのため、毎月安定した収入があるかどうかは重要な判断材料になります。
収入額そのものだけではなく、継続して収入が得られるかも重要です。例えば、アルバイトやパートであっても、毎月安定して収入を得ていれば審査に通る可能性はあります。一方で、収入が不安定な場合は、返済能力に不安があると判断されやすくなります。
フリーランスや自営業の場合は、確定申告書などで収入を証明できるようにしておくことが重要です。
利用限度額を低めに設定する
クレジットカードの申し込み時には、利用限度額の希望額を設定することができる場合があります。この希望額を低めに設定することで、カード会社にとってのリスクを抑えることができ、審査に通りやすくなる傾向にあります。
よって、申し込み時は、まず必要最小限の限度額を希望しておくことが現実的です。利用実績を積み重ねることで、カード会社からの評価が上がる可能性があります。最初から大きな枠を求めるのではなく、段階的に信用を築くことが大切です。
勤続年数を積む
勤務先でどれだけ長く働いているかも、審査において重要なポイントです。勤続年数が長いほど、収入が安定していると判断されやすくなります。
一方で、転職直後は収入の継続性が不透明と見られるため、審査において不利になる傾向があります。そのため、転職してすぐに申し込むのではなく、ある程度期間を空けることが望ましいといえます。
目安としては、以下のような考え方が参考になります。
- 同じ職場で1年以上勤務してから申し込む
- 転職予定がある場合はタイミングを調整する
- 雇用形態に関わらず継続性を重視する
安定して働き続けているという事実は、返済能力の裏付けとなります。カード会社は将来的な収入の継続性も見ているため、この点は軽視できません。
一度に複数申し込まない
短期間に複数のクレジットカードへ申し込むと、審査に不利になることがあります。これは一般的に「申し込みブラック」と呼ばれる状態です。
カードの申し込み履歴は信用情報機関に約6カ月間記録されます。この期間に複数の申し込みがあると、資金繰りに困っていると判断される可能性があります。その結果、審査に通りにくくなるケースがあります。
申し込みの際は、以下のような点を意識するとよいでしょう。
- 1社に絞って申し込む
- 落ちた場合は一定期間を空ける
- 短期間での連続申し込みを避ける
もし審査に通らなかった場合は、焦って次々と申し込むのではなく、期間を空けてから再挑戦することが重要です。適切なタイミングで申し込むことが、結果的に審査通過につながります。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
任意整理をしても使い続けられる決済手段
任意整理を行うと、信用情報に事故情報が登録されるため、クレジットカードは原則として利用できなくなります。しかし、全てのキャッシュレス決済が使えなくなるわけではありません。
与信審査を伴わない決済手段であれば、任意整理後でも利用できる場合があります。ここでは、具体的にどのような手段があるのかを確認していきましょう。
デビットカード
デビットカードは、利用した時点で銀行口座から代金が即座に引き落とされる仕組みのカードです。口座残高の範囲内でしか使えないため、使い過ぎを防ぎやすい点が特徴です。
クレジットカードとは異なり、後払いではないため信用供与が発生しません。そのため、原則として審査がなく、任意整理後でも作成できるケースが多いといえます。
またVISAやJCBなどの国際ブランドが付いているカードも多く、以下のような場面で利用できます。
- 実店舗での支払い
- ネットショッピング
- 一部のサブスクリプションサービス
このように、日常の決済の多くをカバーできる点が大きなメリットです。ただし、分割払いやリボ払いには対応していないため、その点は理解しておく必要があります。
プリペイドカード
プリペイドカードは、事前にチャージした金額の範囲内で利用できる前払い式のカードです。チャージした分しか使えないため、使い過ぎを防ぎやすい特徴があります。
与信審査が不要であるため、任意整理後でも問題なく発行・利用できる点がメリットです。
一方で、利用に当たっては以下のような点に注意が必要です。
- 利用前に都度チャージが必要になる
- 定期課金制のサービスなどでは利用できない
- 残高管理を自分で行う必要がある
このように、プリペイドカードは利便性と引き換えに一定の制限があります。用途に応じて他の決済手段と併用することで、より使いやすくなります。
プリペイド式のスマホ決済
スマホ決済は、アプリに残高をチャージして利用するタイプであれば、任意整理後でも使える場合があります。銀行口座やATMから入金する仕組みであれば、信用情報の審査を伴わないためです。
スマートフォン一つで決済できるため、日常の買い物において利便性が高い点が特徴です。例えば、コンビニやスーパー、飲食店など、幅広い場面で利用できます。
主な利用方法としては、以下の通りです。
- 銀行口座からチャージする
- コンビニやATMで入金する
- QRコードで支払いを行う
ただし、アプリによっては後払い機能が用意されている場合があります。この機能は与信審査が必要となるため、任意整理後は利用できない可能性が高い点に注意が必要です。
デポジット型クレジットカード
デポジット型クレジットカードは、事前に保証金を預けることで利用できるカードです。預けた金額が利用限度額となるため、カード会社にとってのリスクが低く、通常のカードより審査に通りやすいとされています。
利用方法は一般的なクレジットカードとほぼ同じで、後日口座から引き落としが行われます。そのため、クレジットカードと同様の感覚で使える点がメリットです。
ただし、必ず発行されるわけではなく、カード会社ごとの基準によって判断されます。保証金が必要になる点も含め、自身の状況に応じて検討することが大切です。
家族カード
家族カードは、本会員の信用情報に基づいて発行される追加カードです。そのため、任意整理をした本人であっても、審査なしで利用できる可能性があります。
家族カードの特徴として、利用履歴や請求が全て本会員に紐付く仕組みになっています。つまり、利用代金の支払い責任は本会員が負うことになります。
また自分が任意整理の対象としたカード会社やその系列会社である場合、発行を断られることがあります。家族への負担や関係性にも影響するため、慎重に判断することが求められます。
まとめ
任意整理を行うと、クレジットカードは原則として利用できなくなります。対象としたカードは早期に停止され、対象外のカードについても、途上与信や更新審査のタイミングで使えなくなる可能性が高いといえます。
またカードが使えなくなることで、各種支払いやETCの利用、分割購入商品の扱いなど、生活にさまざまな影響が及びます。ただし、事前に対応しておくことで、これらのリスクはある程度回避できます。
さらに、デビットカードやプリペイドカードなどの代替手段を活用すれば、キャッシュレス生活を維持することも可能です。正しい知識を持つことで、不安を減らしながら判断できるようになります。
とはいえ、任意整理を行うべきかどうかは、状況によって大きく異なります。一人で悩み続けるのではなく、早い段階で専門家へ相談することが重要です。
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。