債務整理
2026/09/12
過払い金請求の詐欺とは?怪しい手口や被害を防ぐ対策を解説

過去に借入をした経験がある方の中には、突然「過払い金があります」といった電話やDMを受け取り、不安や迷いを感じている方もいるのではないでしょうか。少しでもお金が戻る可能性があると聞くと、疑いつつも話を聞いてしまうものです。しかし、その中には詐欺の可能性があるケースも含まれています。
過払い金請求は本来、法律で認められた正当な権利です。一方で、その仕組みを悪用し、金銭や個人情報をだまし取る詐欺も発生しています。見分け方が分からないまま対応してしまうと、思わぬ被害につながるおそれがあります。
本記事では、過払い金詐欺の特徴やよくある手口、見分けるためのポイントを分かりやすく解説します。併せて、被害を防ぐための対策や万が一の対応方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- 過払い金詐欺で多く見られる手口やその特徴
- 「時効が迫っている」「必ず戻る」といった危険な文言の見分け方
- 詐欺の可能性があるケースや被害を防ぐための具体的な対策や相談先
過払い金請求の案内を装った詐欺とは?
過払い金請求の案内を装った詐欺とは、正当な制度である過払い金返還請求を悪用し、金銭や個人情報をだまし取る手口を指します。過払い金請求自体は、利息制限法を超えて支払った利息を取り戻すために認められた正当な権利です。しかし、その仕組みを利用して不正な勧誘を行う業者が存在します。
特にターゲットとなりやすいのは、過去に借入経験がある方や、多重債務に悩んでいる方です。「お金が戻る」という期待や、借金に関する不安を利用し、冷静な判断ができない状態に追い込もうとします。
詐欺業者は、弁護士や司法書士、裁判所職員などの肩書を名乗ることがあります。もっともらしい説明を行い、信頼させたうえで契約や振り込みを促す点が特徴です。一見すると正当な案内に見えることもあるため、正規の手続きとの違いを理解しておく必要があります。
過払い金詐欺の主な手口
過払い金詐欺には、複数の典型的な手口が存在します。電話やDM、SNSなど日常的な連絡手段を使い、正規の案内のように見せかける点が特徴です。さらに、複数の手口を組み合わせて被害を拡大させるケースも見られます。ここでは、代表的な手口について順に確認していきましょう。
電話やDMで未請求の過払い金があると告げる
自分から相談や依頼をしていないにもかかわらず、「過払い金があります」と連絡が来るケースは注意が必要です。電話やダイレクトメール、SMSなどを使い、弁護士事務所や公的機関を名乗って勧誘してくることがあります。
例えば、「未請求の過払い金が発生している」「今すぐ手続きをすれば返金できる」といった内容で連絡が来ることがあります。ポストに投函されるチラシや広告などで案内されるケースも見られます。
しかし、依頼していない相手に対して専門家側から過払い金請求を持ちかけることは、原則として行われません。そのため、このような連絡は詐欺の可能性が高いと考えられます。「簡単に取り戻せる」といった表現にも注意が必要です。不審に感じた場合は安易に応じず、慎重に対応することが大切です。
ATMで返金手続きができると案内する
「過払い金を振り込むためにATMで手続きを行ってください」と指示されるケースも、典型的な詐欺の一つです。これは還付金詐欺と呼ばれ、被害が多く報告されています。
指示に従ってATMを操作すると、実際には犯人の口座へお金を振り込んでしまう仕組みになっています。また、返金手続きと称して口座番号や暗証番号を聞き出し、不正に預金を引き出されるケースもあります。
そもそも、ATMを操作することでお金が戻ってくることはありません。携帯電話を持ったままATMへ向かうよう指示された場合は、詐欺の可能性を疑うべきです。その場で冷静に判断し、指示には従わないようにしましょう。
先に手数料や保証金の支払いを求める
過払い金請求の代行を理由に、先に費用の支払いを求める手口にも注意が必要です。着手金や保証金などの名目で高額な金銭を要求されるケースがあります。
悪質な場合、費用を受け取った後に手続きを行わず、そのまま連絡が取れなくなることもあります。また、「費用は後でいい」「安くしておく」といった曖昧な説明で契約を迫り、後から不当に高額な費用を請求されることもあります。
正規の手続きでは、費用体系や契約内容が明確に説明されるのが一般的です。不明瞭な説明のまま支払いを求められた場合は、慎重に判断する必要があります。契約前に内容をしっかり確認することが重要です。
SNSやネットから偽サイトへ誘導する
SNSやインターネット広告を利用した詐欺も増えています。「無料診断」や「簡単チェック」といった文言で興味を引き、専用のWebサイトへ誘導する手口です。
誘導先のサイトは一見すると正規のサービスのように見えますが、実際には個人情報を収集する目的で作られていることがあります。入力した情報が悪用されたり、別の業者へ流されたりする可能性があります。
また、登録後にしつこい勧誘を受けるケースもあります。診断サービスを利用する際は、運営元の情報や所在地、実在する専門家かどうかを確認することが大切です。信頼できるサイトかどうかを見極める意識が求められます。
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過払い金詐欺でよく使われる文言
過払い金詐欺では、相手を信じ込ませたり焦らせたりするための特徴的な言い回しが使われます。これらの文言に共通しているのは、「安心させる言葉」と「急かす言葉」を組み合わせている点です。
例えば、次のようなフレーズが挙げられます。
- 「あなたに過払い金があります」
- 「必ずお金が戻ってきます」
- 「ATMで返金手続きができます」
- 「払い戻しの期限が今日までです」
- 「時効が迫っています」
これらの言葉は一見すると魅力的に感じられますが、冷静に考えることが重要です。特に「必ず」「今日まで」などの断定や期限を強調する表現は、判断を急がせる意図があると考えられます。
過払い金の有無や返還額は、取引内容や金利条件によって異なります。そのため、詳細な確認をせずに結果を断定することはできません。こうした文言に接した場合は、その場で判断せず、内容を持ち帰って検討する姿勢が大切です。
過払い金詐欺の可能性を疑うべきケース
過払い金詐欺には、いくつかの共通した特徴があります。一見すると正当な案内のように見える場合でも、不審な点が重なっているケースでは注意が必要です。判断ポイントを事前に知っておくことで、被害を防げる可能性が高まります。
特に、連絡の方法や説明内容、対応の進め方に違和感がある場合は、詐欺の可能性を疑うべきです。ここでは、代表的な判断基準を具体的に解説します。
問い合わせをしていないのに連絡をしてくる
自分から相談や依頼をしていないにもかかわらず、過払い金に関する連絡が来る場合は注意が必要です。電話やDM、SMSなどを通じて、弁護士や司法書士、NPO法人を名乗るケースが見られます。
通常、専門家が依頼を受けていない相手に対して、直接営業を行うことは原則として制限されています。そのため、このような連絡は違法の可能性が高く、不審なケースが多いといえるでしょう。
また、名前や住所を特定したうえで連絡してくる場合もあります。このようなケースでは、何らかの方法で個人情報が入手されているおそれがあります。過去の借入履歴に触れるような内容を含んでいる場合もあり、信頼してしまいやすい点に注意が必要です。
不審な連絡には安易に応じず、必要に応じて第三者に相談することが重要です。
手続きを急がせてくる
「時効が迫っている」「今日中に手続きをしないと返金されない」といった説明で、契約や振り込みを急がせるケースもあります。このように判断を急がせる手法は、詐欺でよく見られる特徴です。
焦らされると冷静な判断が難しくなり、その場の勢いで契約や支払いをしてしまうおそれがあります。しかし、過払い金請求は一定の手続きを経て行うものであり、その場で即決する必要はありません。
一度持ち帰って検討したいと伝えた際に、強く引き止めたり態度が急変したりする場合は注意が必要です。過度に急がせる説明がある場合は、その内容を慎重に見極めることが重要です。冷静に判断するためにも、即断を避ける意識を持つことが大切といえます。
費用体系の説明があいまい
契約前にもかかわらず、費用の内訳や金額が明確に示されない場合は注意が必要です。着手金や成功報酬などの説明があいまいなまま、契約を急かされるケースがあります。
例えば、「費用は後でよい」「安くしておく」といった曖昧な説明で安心させ、その後に高額な費用を請求されるケースも見られます。また、契約書の作成を避けたり、書面での説明を行わなかったりする場合もあります。
正規の手続きでは、費用体系や契約条件は事前に明確に提示されるのが一般的です。そのため、説明が不十分な場合は慎重に判断する必要があります。契約前には書面で内容を確認し、不明点があれば必ず質問することが重要です。
過払い金請求の成功を断定している
「必ず過払い金が戻る」「借金がゼロになる」といった断定的な説明を受けた場合も注意が必要です。過払い金の有無や返還額は、借入時期や金利、取引状況などによって異なります。
実際には、取引履歴の確認や引き直し計算、貸金業者との交渉を行わなければ正確な結果は分かりません。そのため、詳細な調査を行わずに結果を断定することは現実的ではありません。
このような説明を行う業者は、利用者の利益よりも契約を優先している可能性があります。過払い金が発生するケースもある一方で、個別の事情によって結果が異なることを理解しておく必要があります。冷静に判断し、複数の情報を比較することが重要です。
本当に過払い金が発生し得るケース
過払い金は、全ての借入で発生するものではありません。一定の条件を満たした場合に限り、返還請求が可能となります。そのため、「誰でも対象になる」という認識は誤りです。
正しい条件を理解しておくことで、不当な勧誘に惑わされにくくなります。ここでは、過払い金が発生する代表的なケースについて具体的に解説します。
2010年6月以前の借入がある場合
過払い金が発生する主な条件の一つが、借入時期です。具体的には、2010年6月17日以前に貸金業者から借入をしている場合が対象となります。
これは、2010年の貸金業法改正によって金利の上限が引き下げられ、いわゆるグレーゾーン金利が廃止されたことが背景にあります。それ以前は、利息制限法と出資法の上限金利の間に差があり、この範囲で支払われた利息が過払い金として扱われるケースがありました。
一方、2010年6月18日以降の借入については、原則として適正な金利が適用されています。そのため、この時期以降に新規契約した借入では、過払い金は発生しないと考えられます。ただし、個別の契約内容によって判断が異なる場合もあるため、詳細な確認が必要です。
年15~20%を超える金利で借入をしていた場合
過払い金は、利息制限法で定められた上限金利を超えて支払った利息から発生します。借入額に応じて、以下のような上限が定められています。
- 10万円未満:年20%
- 10万円以上100万円未満:年18%
- 100万円以上:年15%
これらの上限を超える金利で借入をしていた場合、超過分が過払い金として返還請求の対象となる可能性があります。
過去には、出資法の上限金利との間にグレーゾーン金利が存在しており、この範囲で支払っていた利息が問題となっていました。現在はこの制度が廃止されているため、過去の取引が対象となるケースが中心です。具体的な金利条件を確認することが重要といえます。
最後の取引から10年以内である場合
過払い金返還請求には、消滅時効が存在します。原則として、最後の取引から10年が経過すると請求権は失われます。
さらに、2020年4月1日以降に最後の取引が行われた場合は、「権利を行使できると知ったときから5年」または「行使できるときから10年」のいずれか早い方が時効となります。
ただし、過去に完済した後も同じ貸金業者との取引が続いている場合、それらが一連の取引と判断されることがあります。この場合、古い取引も含めて請求できる可能性があります。
時効の判断はケースによって異なるため、早めに確認しておくことが重要です。放置すると請求できなくなるおそれがあるため注意が必要です。
借入先の業者が倒産していない
過払い金が発生していたとしても、借入先の貸金業者が倒産している場合は、返還請求が困難になることがあります。
過去には、過払い金の返還請求が相次いだことで経営が悪化し、倒産に至った消費者金融も存在します。このような場合、返還を受けることが難しくなる可能性があります。
そのため、過払い金が発生している可能性がある場合は、できるだけ早く状況を確認することが重要です。業者の経営状況によっては対応が変わるため、早期の相談が解決につながる可能性があります。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
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という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
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過払い金詐欺を回避するための対策
過払い金詐欺は、日常のちょっとした注意によって被害を防げる可能性があります。実際の被害事例を見ると、不審な連絡に応じてしまったことがきっかけとなるケースが多く見られます。
そのため、あらかじめ基本的な対策を知っておくことが重要です。特別な知識がなくても実践できる方法が多く、意識するだけでもリスクを下げることにつながります。ここでは、具体的な回避策を分かりやすく解説します。
怪しい電話やDMは無視する
自分から依頼していないにもかかわらず届く電話やDMは、詐欺の可能性が高いと考えられます。弁護士や司法書士、NPO法人を名乗っていたとしても、その内容をそのまま信用するのは危険です。
通常、専門家が無作為に連絡を取り、過払い金請求を勧めることは原則として行われません。そのため、「過払い金があります」といった連絡が突然届いた場合は、不審なものとして扱うことが大切です。
また、何度も連絡が来る場合や強引な勧誘がある場合でも、無理に対応する必要はありません。着信拒否やブロック機能を利用することも有効です。不安を感じた場合は、一人で抱え込まずに警察や消費生活センターに相談するとよいでしょう。冷静に対応する姿勢が被害防止につながります。
ATMの操作や暗証番号の要求に応じない
ATMを使って返金手続きを行うよう指示されるケースは、典型的な詐欺の手口です。電話で案内されるまま操作すると、結果的に相手の口座へ振り込んでしまうおそれがあります。
そもそも、ATMの操作によってお金が返ってくることはありません。そのため、携帯電話を持ってATMへ向かうよう指示された時点で、不審な対応であると判断できます。
また、口座番号や暗証番号、キャッシュカードの情報を求められる場合もありますが、これらは第三者に伝えてはいけません。金融機関や専門家が暗証番号を尋ねることは通常ありません。少しでも違和感を覚えた場合は、その場で対応を中止し、速やかに連絡を断つことが重要です。
資格情報や事務所所在地を確認する
過払い金請求を依頼する際は、相手が信頼できる専門家かどうかを確認することが欠かせません。手続きを代理できるのは、弁護士または認定司法書士に限られています。
そのため、依頼前には登録番号や所属団体、事務所所在地などの情報を確認しましょう。日本弁護士連合会や日本司法書士会連合会の検索サービスを利用すれば、実在する専門家かどうかを確認できます。
さらに、過去の懲戒歴の有無や実績、利用者の口コミなども判断材料となります。複数の観点から確認することで、より安心して依頼先を選べるでしょう。資格の有無だけで判断せず、総合的に信頼性を見極めることが大切です。
内容を確認の上で契約書を書面で交わす
契約を行う際は、必ず書面で内容を確認することが重要です。口約束だけで手続きを進めようとする場合は、後からトラブルになる可能性があります。
特に、着手金や成功報酬などの費用体系については、事前に明確な説明を受ける必要があります。不明点があるまま契約すると、後から想定外の費用を請求されるおそれがあります。
契約書は内容を十分に確認したうえで署名し、必ず控えを受け取りましょう。その場で理解できない点があれば質問し、納得できない場合は契約を見送る判断も重要です。慎重な対応がトラブルの回避につながります。
過払い金詐欺の被害に遭ってしまった場合の対応
万が一、過払い金詐欺の被害に遭った場合や不審な連絡を受けた場合は、速やかに行動することが重要です。対応が遅れるほど、状況の把握や解決が難しくなる可能性があります。
まずは、最寄りの警察署や警察相談専用電話「#9110」に連絡し、状況を説明しましょう。詐欺の疑いがある場合は、早期に相談することで被害の拡大を防げる可能性があります。
併せて、消費生活センターや消費者ホットライン「188」への相談も有効です。専門の相談員が対応方法についてアドバイスを行ってくれます。
すでに振り込みなどを行ってしまった場合でも、すぐに相談することが重要です。金融機関への連絡や口座の凍結など、早期対応が被害の軽減につながるケースもあります。一人で抱え込まず、適切な窓口に相談することが大切です。
まとめ
過払い金詐欺は、正当な制度を悪用した手口であり、電話やDM、SNSなどを通じて身近に発生しています。「お金が戻る」という言葉に惹かれてしまうこともありますが、内容を冷静に見極めることが重要です。
特に、依頼していない連絡や手続きを急がせる説明、費用の不明確さなどには注意が必要です。今回紹介したような特徴を把握しておくことで、不審なケースに気付ける可能性が高まります。
判断に迷った場合は、一人で悩まず専門家に相談することも有効な手段です。ライズ綜合法律事務所では、月間4,000件、年間5万件の相談実績があり、電話やメール、LINEでの相談にも対応しています。相談料は無料のため、気軽に利用できます。
【ご相談専用フリーダイヤル】
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。