債務整理

2026/08/14

自己破産すると持ち家(自宅)はどうなる?引き続き家に住める?

自己破産すると持ち家(自宅)はどうなる?引き続き家に住める?

持ち家がある状態で自己破産を検討している場合「家を失うのではないか」「家族の生活はどうなるのか」と不安を感じる方は少なくありません。長年かけて購入した自宅であればなおさら、簡単に手放す決断はできないでしょう。

また住宅ローンの残高や家族構成によっては、生活への影響が大きくなる可能性もあります。そのため、自己破産を検討する際には、持ち家がどのように扱われるのかを正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、自己破産をした場合の持ち家の扱いについて、基本的なルールから例外的なケースまで分かりやすく解説します。併せて、持ち家を守るために検討できる方法や注意点も整理しています。読み進めることで、自分に合った選択肢を冷静に判断できるようになるでしょう。まずは正しい知識を押さえた上で、今後の対応を考えてみてください。

【この記事で分かること】

  • 自己破産をした場合に持ち家がどのように扱われるのか
  • 持ち家が処分されるまでの流れや判断基準
  • 持ち家を残すための選択肢や注意点

自己破産をすると持ち家はどうなる?

自己破産では、原則として一定の価値がある財産は処分対象になります。これは債権者へ公平に配当するための仕組みです。持ち家も不動産として価値があるため、基本的には処分対象に含まれます。

ただし、全てのケースで同じ結論になるわけではありません。財産の価値や状況によっては例外的な扱いがされることもあります。ここではまず基本的な考え方を押さえた上で、具体的なケースを見ていきましょう。

原則として処分される

自己破産では、持ち家は価値のある不動産として扱われるため、原則として処分対象となります。特に住宅を所有している場合、多くは管財事件として扱われ、破産管財人が選任される流れになります。

破産管財人は、債務者の財産を調査・管理し、売却によって現金化する役割を担います。持ち家についても、任意売却や競売などの方法で換価され、その売却代金は債権者への配当に充てられるのが一般的です。そのため、所有者本人が住み続けることは難しく、最終的には明け渡しが必要になります。

ただし、申し立てをした直後にすぐ退去を求められるわけではありません。手続きは段階的に進むため、一定期間は住み続けられるケースもあります。ただし、売却が決まれば引き渡しが必要になるため、住み替えの準備は早めに進めておくことが大切です。

また任意売却と競売では条件や進め方が異なります。任意売却は市場価格に近い形で売却できる可能性がありますが、競売は裁判所主導で進むため、条件の自由度は低くなります。状況に応じてどちらが適しているかを見極めることが重要です。

評価額が低いと残せる可能性がある

一方で、持ち家の評価額が極めて低い場合には、例外的に処分されない可能性もあります。これは、売却しても費用を差し引いた後に配当できる金額がほとんど残らないと判断されるケースです。配当見込みがない場合には、処分の実益がないとされることがあります。

ただし、このような扱いはあくまで例外的なものです。特に都市部の住宅や一定の市場価値が見込まれる物件では、換価価値があると判断されることが多く、処分対象になるのが一般的といえます。

また住宅ローンの残高が不動産の価値を上回る、いわゆる担保割れの状態であっても注意が必要です。担保権者である金融機関が競売手続きを進めるケースもあるため、必ずしも持ち家を残せるとは限りません。

このように、持ち家が残せるかどうかは個別事情によって大きく異なります。評価額やローン状況、地域の不動産市場など、複数の要素を総合的に見て判断されるため、自己判断で結論を出すのは避けた方がよいでしょう。早い段階で専門家に相談し、現実的な見通しを立てることが重要です。

自己破産をしても残せる「自由財産」とは?

自己破産というと、全ての財産を失うのではないかと不安に感じる方も多いでしょう。しかし実際には、生活を立て直すために必要な最低限の財産は「自由財産」として手元に残せる仕組みがあります。

これは、破産後も生活を継続し、再出発できるようにするための制度です。つまり、債権者への配当だけではなく、債務者の生活再建も重視されています。

ただし、自由財産として認められる範囲は限られており、全ての財産が対象になるわけではありません。ここでは、具体的にどのような財産が残せるのかを順番に確認していきましょう。

99万円以下の現金

自己破産では、現金については原則として99万円以下であれば自由財産として残すことができます。これは、破産後の生活費や引っ越し費用など、再出発に必要な資金を確保する趣旨で認められているものです。

そのため、手元に一定の現金があっても、すぐに全て処分されるわけではありません。一方で、99万円を超える部分については処分対象となる可能性が高く、債権者への配当に回されることになります。

またここで注意したいのが「現金」と「預貯金」の違いです。現金は99万円まで残せる一方、預貯金はそのまま同様に扱われるとは限らず、個別に判断される場合があります。申し立て前に不自然な資金移動を行うと問題視されることもあるため、資金管理は慎重に行う必要があります。

このように、現金の扱いには一定の基準がありますが、最終的な判断は個別事情に左右されます。事前に専門家へ相談し、適切な形で準備を進めることが重要です。

生活に必要な家具・家電など

自己破産をしても、日常生活に欠かせない家具や家電は原則として処分対象になりません。これは、最低限の生活環境を維持するために必要とされるためです。

例えば、以下のような生活必需品は自由財産として扱われることが一般的です。

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 電子レンジ
  • 寝具
  • テーブルや椅子

これらは日常生活に不可欠であり、処分してしまうと生活自体が成り立たなくなるため、保護されています。

ただし、全ての家具や家電が対象になるわけではありません。高額なブランド家具や骨董品など、換価価値が高いと判断されるものは処分対象になる可能性があります。中古市場での価値が一定以上あるかどうかが判断の目安になることもあります。

そのため「生活に使っているものだから全て残せる」と考えるのは適切ではありません。必要性と価値のバランスを踏まえた判断が行われる点に注意が必要です。

仕事に必要な道具

仕事を継続するために必要な道具についても、一定の範囲で自由財産として認められる場合があります。これは、収入を得る手段を確保することが生活再建に直結するためです。

例えば、以下のようなものが該当するケースがあります。

  • 職人の工具
  • 業務用のパソコン
  • 業務に必要な最低限の機材

これらは仕事に不可欠である場合、処分されずに手元に残せる可能性があります。ただし、高額な機材については、換価対象と判断されることもあります。

特に個人事業主の場合、どこまでが生活維持のための道具で、どこからが資産と評価されるかが問題になります。必要性だけではなく、資産価値とのバランスを踏まえて判断される点に注意が必要です。

安定した収入を維持するためにも、どの資産が残せるのかは事前に確認しておくとよいでしょう。

年金・生活保護などの受給権

年金や生活保護といった公的給付の受給権は、差押禁止財産として扱われます。そのため、自己破産をしてもこれらの受給権が失われることはありません。

これらの制度は、生活保障のために法律上保護されているものであり、破産後の生活を支える重要な基盤となります。受給中の給付金についても、原則として生活費として扱われることが一般的です。

例えば、以下のような給付が該当します。

  • 老齢年金
  • 障害年金
  • 生活保護費

これらは生活維持に直結するため、処分対象にはなりません。ただし、給付金が預金として蓄積されている場合などは、状況によって扱いが異なることもあります。

制度ごとに細かなルールがあるため、不明点があれば専門家に確認しながら進めることが大切です。

その他裁判所が認めた財産

法律で定められた自由財産に加えて、裁判所の判断により「自由財産の拡張」が認められる場合もあります。これは、個別の事情に応じて、生活再建に必要と認められる財産を一定範囲で残すことができる制度です。

例えば、生活再建のために必要な預貯金の一部などが対象となることがあります。ただし、どの程度認められるかは一律ではなく、収入状況や家族構成、財産の内容などを踏まえて個別に判断されます。

この制度を利用するためには、申し立て時に生活状況を適切に説明し、必要性を示すことが重要です。資料の提出や説明内容によって判断が左右されることもあるため、準備は慎重に行う必要があります。

ただし、自由財産の拡張はあくまで例外的な措置です。持ち家や高額な資産をそのまま残せる制度ではないため、過度な期待は避けた方がよいでしょう。現実的な範囲を理解した上で、適切な対応を検討することが重要です。

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自己破産で持ち家が処分されるまでの流れ

自己破産で持ち家が処分されるまでには、いくつかの段階があります。申し立てをしたからといって、すぐに退去になるわけではありません。弁護士への相談から始まり、裁判所での手続き、売却といった流れで進んでいきます。

そのため「いつ家を出ることになるのか」と不安を感じている方も、まずは全体像を把握することが重要です。一般的には数カ月から1年程度かけて進むことが多く、準備期間が全くないわけではありません。以下で具体的な流れを確認していきましょう。

1.弁護士への依頼・受任通知

まずは弁護士に相談し、自己破産を選択すべきかを検討します。この段階では、借金の状況だけではなく、持ち家の有無や住宅ローンの残高、不動産の評価額なども整理します。持ち家がある場合は、早い段階で方向性を確認することが重要です。

正式に依頼すると、弁護士から債権者へ受任通知が送付されます。受任通知が届くと、貸金業者などからの督促や取り立ては原則として止まります。返済も一時的に止められるケースがあり、生活を立て直す準備を進めやすくなります。

またこの時点で持ち家の扱いについても見通しを立てていきます。任意売却が可能か、競売になる見込みがあるか、どの程度の準備期間があるかなどを整理することになります。早めに相談することで選択肢を比較しやすくなるため、迷っている段階でも一度相談しておくとよいでしょう。

2.必要書類の準備・申し立て準備

自己破産の申し立てに向けては、多くの書類を準備する必要があります。収入資料や債務一覧、預貯金や保険などの財産資料に加えて、持ち家がある場合は不動産関連の資料も重要になります。

具体的には、以下のような書類をそろえることが一般的です。

  • 不動産登記簿謄本
  • 固定資産評価証明書
  • 住宅ローン残高証明
  • 不動産の査定資料
  • 売買契約書や返済予定表

これらを基に、不動産の価値やローンとの関係を正確に把握します。評価額によっては処分方法や手続きの進み方が変わるため、重要なポイントとなります。

また財産の申告は正確に行う必要があります。持ち家の価値を過少に見せたり、申告を省略したりすると、不利益を受ける恐れがあります。準備には数週間から数カ月かかることもあるため、余裕を持って進めることが大切です。

3.裁判所への破産申し立て

書類がそろったら、裁判所へ破産申し立てを行います。この時点で正式に手続きが開始されますが、申し立て直後に退去を求められるわけではありません。裁判所は提出された資料を確認し、手続き開始の可否を判断します。

持ち家がある場合は、財産調査や換価が必要になるため、管財事件となる可能性が高くなります。これは、破産管財人が関与し、持ち家の処分を前提に手続きが進むことを意味します。

この段階では、手続きの進行と並行して生活再建の準備も考えていく必要があります。住み替え先の検討や引っ越し費用の確保など、現実的な対応を進めておくことが重要です。申し立てはあくまで手続きの一段階であり、この時点で全てが決まるわけではありません。

4.破産手続き開始決定

裁判所が要件を満たすと判断すると、破産手続開始決定が出されます。この段階で破産管財人が選任され、財産の管理が始まります。持ち家についても、換価対象として具体的に扱われることになります。

以後、不動産は本人の判断で自由に処分できなくなります。売却方法やスケジュールは破産管財人が中心となって検討し、手続きが進められます。持ち家の処分が現実的に進み始めるのはこのタイミングです。

ただし、この段階で直ちに退去となるわけではありません。売却方法や買主の有無によって退去時期は変わりますが、住み続けられる期間の見通しはこの頃から見えてきます。早めに準備を進めることが安心につながります。

5.持ち家の競売・任意売却

最終的に、持ち家は競売または任意売却によって現金化されます。住宅ローンが残っている場合は、抵当権が実行され、競売に進むケースが多くなります。一方で、条件が整えば任意売却が選択されることもあります。

任意売却は市場価格に近い水準で売却できる可能性があり、条件面で調整しやすいという特徴があります。これに対して競売は裁判所の手続きに基づいて進むため、柔軟な対応は難しい傾向があります。

ただし、任意売却は債権者の同意が必要となるため、必ず選べるわけではありません。状況に応じて適切な方法が判断されます。

売却が成立すると、持ち家を引き渡す必要があります。そのため、最終的には退去し、新たな住まいへ移ることになります。段階的に進むとはいえ、住み替えは避けられないケースが多いため、資金面と生活面の準備を並行して進めていくことが大切です。

持ち家に住み続けながら自己破産したい場合は?

自己破産では、持ち家は原則として処分対象となるため、そのまま住み続けることは難しいのが一般的です。債権者への公平な配当を行うため、不動産は換価されることが前提となるためです。

ただし、一定の条件を満たす場合には、例外的に住み続けられる可能性もあります。第三者の協力や契約形態の工夫によって、居住のみを継続するケースも考えられます。

もっとも、これらはあくまで例外的な方法であり、自己判断で進めると不利益につながる恐れがあります。無理に持ち家を残そうとすると、免責に影響するリスクもあるため注意が必要です。持ち家に住み続けたい場合は、必ず専門家へ相談し、適法な方法で進めることが重要です。

親族などの第三者に買い取ってもらう

持ち家に住み続ける方法の一つとして、親族などの第三者に買い取ってもらう方法があります。この場合、所有権は第三者へ移転しますが、その後に賃貸契約を結ぶことで、引き続き同じ家に住み続けられる可能性があります。

この方法のポイントは、適正な価格で売却することです。相場より著しく低い価格で売却すると、財産を意図的に減らしたと判断される恐れがあります。その場合、破産管財人によって否認され、取引が無効とされる可能性があります。

また実際にこの方法を利用するためには、親族側に買い取り資金が必要です。さらに、管財事件となった場合には、破産管財人の関与や同意が不可欠となります。自由に進められるわけではない点に注意が必要です。

このように、仕組みとしては実現可能な場合もありますが、実務上はハードルが高いケースも少なくありません。適正価格や手続きの適法性を確保した上で、慎重に検討する必要があります。

売却後にリースバックで住み続ける

リースバックとは、自宅を売却した後に買主と賃貸契約を結び、同じ家に住み続ける仕組みです。売却によってまとまった資金を確保しつつ、住まいを維持できる点が特徴です。

この方法であれば、持ち家という形ではなくなりますが、生活環境を大きく変えずに済む可能性があります。そのため、住み替えによる負担を軽減したい方にとっては一つの選択肢となります。

ただし、自己破産手続きにおいては、売却条件や契約内容が問題とされる場合があります。例えば、売却価格が不当に低い場合や、特定の業者との関係性が不透明な場合には、手続き上の問題が生じる可能性があります。

また売却後は家賃の支払いが必要になります。リースバックでは売却価格が市場価格より低くなる傾向もあるため、生活再建の計画と合わせて慎重に検討することが重要です。「住み続けられる」という点だけで判断せず、全体のバランスを見て判断する必要があります。

持ち家を残しながら借金問題を解決する方法

持ち家を守りたい場合は、自己破産以外の債務整理手続きを検討することになります。自己破産では財産の処分が前提となるため、持ち家を維持することは難しいためです。

一方で、他の手続きであれば条件次第で持ち家を残せる可能性があります。収入の安定性や住宅ローンの有無、借金の総額などによって適した方法は異なります。

そのため「どの方法が自分に合っているか」を早い段階で整理することが重要です。手続きごとの特徴を理解した上で、専門家に相談しながら最適な方法を選択することが、生活再建への近道となります。

個人再生を利用する

個人再生は、裁判所へ申し立てを行い借金の大幅な減額を目指す手続きです。減額が認められた場合、原則3年で残りの借金を分割返済していくことになります。自己破産とは異なり、財産を処分することが前提ではないため、条件を満たせば持ち家を維持できる可能性があります。

特に住宅ローンがある場合には「住宅ローン特則」を利用することで、自宅を手放さずに済むケースがあります。この制度では、住宅ローンはそのまま支払いを続けながら、他の借金のみを減額することが可能です。

ただし、個人再生を利用するには安定した収入が必要です。減額後の返済計画を継続できることが前提となるため、収入状況によっては利用できない場合もあります。

このように、個人再生は持ち家を守りながら借金問題を解決したい方にとって有力な選択肢の一つです。ただし、条件を満たす必要があるため、事前に十分な検討が必要となります。

任意整理で返済負担を軽くする

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、利息のカットといった返済条件の緩和を目指す手続きです。対象とする借金を選べるため、住宅ローンを除外し、自宅を維持しながら他の借金だけを整理できる場合があります。

例えば、消費者金融やクレジットカードの借金のみを整理し、住宅ローンは従来通り返済するという方法が考えられます。このように柔軟に対応できる点が特徴です。

ただし、任意整理では元本自体は大きく減らないのが一般的です。そのため、一定の返済能力が求められます。返済計画を継続できるかどうかが重要な判断基準となります。

また任意整理を行うと信用情報に影響が生じるため、一定期間は新たな借入やクレジットカードの利用が制限されます。将来の資金計画も踏まえた上で、慎重に判断することが大切です。

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持ち家を守るためにやってはいけない行動

持ち家を残したいと考えること自体は自然なことです。しかし、その思いから取った行動が、かえって自己破産の手続きで不利に働くことがあります。

特に、法律上問題となる行為をしてしまうと、手続きが厳しくなったり、免責に影響が出たりする可能性があります。こうした行為は、意図せず行ってしまうケースも少なくありません。

「少しであれば問題ないだろう」と考えて行動することが、大きな不利益につながることもあります。ここでは、持ち家を守るために避けるべき代表的な行動を具体的に確認していきましょう。

申し立て直前に名義変更する

自己破産をする前に、持ち家の名義を親族などへ変更する行為は注意が必要です。一見すると財産を守るための対策に見えますが、法律上は財産隠しと判断される可能性があります。

特に、無償での名義変更や、相場とかけ離れた条件での移転は、不自然な取引とみなされやすくなります。このような場合、破産管財人が「否認権」を行使し、取引自体が取り消されることがあります。

否認権とは、債権者に不利益を与える行為を取り消す制度です。たとえ家族間の取引であっても、適正性が認められなければ無効とされる可能性があります。善意であっても問題になる点に注意が必要です。

さらに、こうした行為は免責の判断にも影響する恐れがあります。結果として借金の支払い義務が残るリスクもあるため、自己判断で名義変更を行うことは避けるべきです。持ち家の扱いについては、必ず専門家に相談した上で進めることが重要です。

持ち家を申告せずに隠そうとする

持ち家の存在や価値を申告しない行為は、自己破産において重大な問題となります。財産を隠す行為は「財産隠匿」とされ、免責不許可事由に該当する可能性があります。

その結果、手続きが厳しくなったり、最終的に免責が認められなかったりする恐れがあります。自己破産の目的である借金の免除が受けられなくなる可能性もあるため、非常に大きなリスクを伴います。

また不動産は登記制度により管理されているため、隠し通すことは現実的に難しいといえます。調査の過程で発覚するケースが多く、その場合の不利益は小さくありません。

「見つからなければ問題ない」という考えは通用しないため、必ず正確に申告することが重要です。持ち家の扱いについては、正直に情報を開示した上で、適切な対応を検討する必要があります。

相場よりも安く親族に売却する

親族に持ち家を買い取ってもらう方法自体は、条件次第では検討されることがあります。しかし、相場よりも著しく安い価格で売却すると、不当な財産処分とみなされる可能性があります。

このような取引は、債権者への配当を減らす目的があると判断されやすく、破産管財人によって否認されることがあります。否認されると取引は取り消され、元の状態に戻されることになります。

さらに、このような行為は免責にも悪影響を及ぼす恐れがあります。意図的に財産を減らしたと判断されれば、手続き全体に不利に働く可能性があります。

持ち家を売却する場合は、必ず適正価格で行うことが重要です。不動産会社の査定を利用するなど、客観的な価格を基準に進める必要があります。また管財人の関与が必要となる場合もあるため、独断で進めることは避けましょう。

まとめ

自己破産をした場合、持ち家は原則として処分対象となります。すぐに退去になるわけではありませんが、最終的には売却されるケースが多く、住み替えが必要になる可能性があります。

一方で、評価額や手続きの内容によっては例外的な扱いがされることもあり、また個人再生や任意整理といった他の手続きを選ぶことで、持ち家を維持できる可能性もあります。どの方法が適しているかは、収入やローン状況などによって異なります。

そのため、自己判断で進めるのではなく、早い段階で専門家に相談することが重要です。適切な方法を選択することで、生活への影響を抑えながら借金問題の解決を目指すことができます。

ライズ綜合法律事務所では、月間4,000件、年間5万件の相談実績があり、電話・メール・LINEでの相談に対応しています。相談料は無料のため、まずはお気軽にお問い合わせください。

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このページの監修弁護士

弁護士

久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。

弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。