債務整理

2026/09/13

自己破産で家計簿の提出は必要?適切な付け方や書き方を解説

自己破産で家計簿の提出は必要?適切な付け方や書き方を解説

借金の返済に悩み、自己破産を検討している方の中には「家計簿の提出が必要と聞いたが、何を書けばよいのだろう」「これまで細かく家計管理をしてこなかったため、うまく作成できるか不安」と感じている方もいるのではないでしょうか。

自己破産の手続きでは、家計簿を通じて現在の収支状況を確認されることがあります。しかし、特別な知識や難しい計算が必要になるわけではありません。ポイントを押さえて正確に記録すれば、初めての方でも対応できる可能性があります。

本記事では、自己破産で家計簿の提出が求められる理由や、記載対象となる期間や収入・支出の書き方について解説します。さらに、作成時に注意したいポイントも紹介しますので、家計簿提出への不安を軽減したい方は参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 自己破産で提出する家計簿の対象期間や作成方法
  • 家計簿の提出を求められることがある理由
  • 家計簿に記録するべき収支項目の具体例

自己破産で提出する家計簿の基本

自己破産では、現在の生活状況や支払能力を確認するために、家計簿の提出を求められることがあります。家計簿は単なるメモではなく、世帯全体の収支状況を客観的に示す重要な資料です。

裁判所や破産管財人は、家計簿の内容を通して生活状況や支出内容を確認します。そのため、書式よりも内容の正確性が重視されます。ここでは、自己破産における家計簿の対象者や期間、記録方法などの基本を見ていきましょう。

対象者の範囲

自己破産で提出する家計簿には、申立人本人だけではなく、同居している家族全員分の収支を記載する必要があります。例えば、配偶者や子ども、親と同居している場合は、それぞれの収入や生活費も含めて管理しなければなりません。

また法律上の婚姻関係がない内縁の配偶者や、同棲中の交際相手も対象になることがあります。これは、住民票上の世帯ではなく、実際に同じ家計で生活しているかどうかが重視されるためです。

例えば、家賃や食費を同居人と共同で負担している場合は、世帯全体の生活状況として判断される可能性があります。家計簿を作成する際は「誰と生活費を共有しているか」を基準に整理するとよいでしょう。

対象となる期間

自己破産の申立てに必要となる家計簿の期間は、一般的に申立て直前の2〜3カ月分とされています。ただし、これはあくまで目安です。実際には、申立人の状況や裁判所の運用によって異なる場合があります。

例えば、同時廃止事件では、申立て前月や前々月の1カ月分のみで足りるケースもあります。一方、浪費や不自然な支出が疑われる場合には、生活改善への取り組みを確認する目的で、6カ月以上の提出を求められることもあります。

また申立て後も手続きが終了するまで継続して家計簿の提出を求められる場合があります。特に管財事件では、毎月の収支状況を継続的に確認されることがあるため注意が必要です。

家計簿の提出期間は一律ではありません。自分のケースでどの程度必要になるか分からない場合は、事前に弁護士へ確認すると安心でしょう。

記録方法・体裁

自己破産で提出する家計簿には、厳密な書式の決まりがあるわけではありません。市販のノートやExcel、家計簿アプリなど、自分が管理しやすい方法で作成できます。

重要なのは、収入と支出の流れが項目ごとに整理され、第三者が見ても内容を把握できる状態になっていることです。例えば、食費・住居費・通信費などを分けて記録すると、家計状況が分かりやすくなります。

実際には、以下のような方法で作成するケースが多く見られます。

  • 弁護士や司法書士から渡されたフォーマットを利用する
  • 家計簿アプリで日々記録し、最終的にExcelへまとめる
  • 裁判所が公開している書式をダウンロードして記入する

形式よりも正確性が重視されるため、曖昧な記録は避けましょう。レシートや通帳の履歴を確認しながら、実際の支出に沿って作成することが大切です。

自己破産で家計簿の提出が必要な理由

自己破産では、単に借金額だけを見るのではなく、現在の生活状況や支払い能力も確認されます。その際に重要な判断材料となるのが家計簿です。

裁判所は、家計簿を通じて「本当に返済できない状態なのか」「不適切な支出がないか」「今後の生活再建が見込めるか」などを確認します。ここでは、家計簿提出が求められる具体的な理由を説明します。

支払不能状態かを確認するため

自己破産が認められるためには、借金を返済できない「支払不能」の状態にあることが必要です。裁判所は、借金の総額や収入額だけではなく、家計簿の内容も確認しながら、本当に返済が困難な状況かを判断します。

例えば、毎月の収入に対して食費や娯楽費が過度に高額である場合「支出を見直せば返済できるのではないか」と判断される可能性があります。一方、生活費を切り詰めても赤字が続いている状況であれば、支払不能状態を示す根拠になり得ます。

家計簿は、単なる支出記録ではありません。現在の収支バランスを客観的に示し「返済する余裕がない」という状況を説明する資料として重視されます。そのため、できる限り正確な数字で作成することが大切です。

免責不許可事由に該当しないかを確認するため

自己破産では、一定の問題行為があると「免責不許可事由」に該当する可能性があります。例えば、ギャンブルや浪費、特定の債権者だけへ返済する偏頗弁済、財産隠しなどが代表例です。

裁判所は、家計簿を確認することで、こうした不適切な支出や行為がないかをチェックしています。例えば、収入に対して不自然に高額な娯楽費が続いている場合は、浪費を疑われる原因になることがあります。

また説明できない出金や帳尻の合わない支出があると「財産を隠しているのではないか」「特定の相手へ返済したのではないか」と疑われる可能性もあります。

ただし、免責不許可事由に該当しそうな事情があっても、必ず免責が認められないわけではありません。実際には、反省状況や生活改善への取り組みなどを踏まえ、裁量免責が認められるケースもあります。

生活再建が可能かを確認するため

自己破産の目的は、借金を整理して生活を立て直すことです。そのため、裁判所は「手続き後に安定した生活を送れる見込みがあるか」という点も確認します。

家計簿は、現在の収支状況を把握するだけではなく、今後の生活改善に向けた基礎資料としても利用されます。例えば、毎月の支出を見直すことで、不要な出費に気付きやすくなるでしょう。

一方で、家計簿をつけても大幅な赤字状態が続いている場合は、生活再建が難しいと判断される可能性があります。ただし、赤字だから直ちに免責が認められないわけではありません。病気や収入減少など、やむを得ない事情が考慮されることもあります。

自己破産後に安定した生活を送るためにも、家計簿を通じて収支状況を整理し、改善点を見直す姿勢が重要です。

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自己破産の家計簿に記載するべき収入の項目

自己破産の家計簿では、現在の生活状況を正確に把握するため、世帯全体の収入を漏れなく記載する必要があります。給与だけではなく、副業収入や公的給付、親族からの援助なども対象です。

ここでは、自己破産の家計簿で記載する主な収入項目について、それぞれの書き方や注意点を解説します。

前月からの繰越金

家計簿の「前月からの繰越金」には、預貯金と手元に残っている現金の合計額を記載します。これは、前月までに残っていたお金を示す項目です。

2カ月目以降は「前月からの繰越金+当月の収入−当月の支出」で計算された残額を記載します。例えば、前月末に5万円残っており、今月の収入が20万円、支出が18万円だった場合、次月への繰越金は7万円です。

この金額にズレがあると「どこかへお金を隠しているのではないか」と疑われる可能性があります。特に、通帳残高と家計簿の金額が一致しない場合は注意が必要です。計算ミスを防ぐためにも、通帳の残高や財布の現金を定期的に確認しながら記録するとよいでしょう。

給与・賞与

給与や賞与は、申立人本人だけではなく、同じ世帯で生活している家族全員分を記載します。例えば、配偶者が働いている場合は、その収入も別項目で整理する必要があります。

記載する際は、会社から支給される額面ではなく、税金や社会保険料などが差し引かれた「手取り金額」を記入してください。給与明細の「差引支給額」を参考にすると分かりやすいでしょう。

また賞与がある場合は、支給された月にまとめて計上します。毎月均等に割り振るわけではありません。裁判所では、記載内容の裏付け資料として、以下の提出を求められることがあります。

  • 給与明細書
  • 源泉徴収票
  • 賞与明細書

手取り額と家計簿の数字が一致するよう、資料を確認しながら正確に記入することが大切です。

個人事業による収入・副業収入

会社員の給与以外に、個人事業や副業による収入がある場合は、別項目として分けて記載します。例えば、フリーランス業務やネット販売、副業アルバイトなどで得た収入も対象です。個人事業主の場合、家計と事業の経理が一体として見られることがあります。そのため、単に収入額を記載するだけではなく、収入の根拠となる資料も必要です。

一般的には、以下のような書類の提出を求められることがあります。

  • 請求書や領収書
  • 確定申告書控
  • 青色申告決算書
  • 収支内訳書

副業収入が少額であっても、省略せずに記載しましょう。特に、通帳へ入金履歴がある場合は、家計簿との整合性が重要になります。収支の整理が難しい場合は、弁護士へ相談しながら進めると安心です。

年金・生活保護・失業保険などの公的給付

年金や生活保護、失業保険などの公的給付を受けている場合は、その支給額も収入として記載します。これらは法律上、差し押さえが制限されている財産ですが、生活を支える収入の一部として扱われます。例えば、老齢年金や障害年金、雇用保険の基本手当なども対象です。継続的に支給されている場合は、毎月の受給額を記録します。

また記載した内容を確認するため、以下のような資料の提出を求められることがあります。

  • 年金振込通知書
  • 生活保護決定通知書
  • 失業保険の受給資格者証
  • 受給証明書

「差し押さえできないお金だから記載不要」と考えるのは避けましょう。収入として正確に申告することが重要です。

児童手当・児童扶養手当

児童手当や児童扶養手当を受給している場合も、家計簿へ記載する必要があります。これらの手当は、子育て世帯の生活を支える収入として扱われるためです。特に、児童扶養手当などは定期的に支給されることが多く、家計全体の収支を確認するうえで重要な要素になります。

また支給状況を確認するため、以下のような資料の提出を求められることがあります。

  • 児童手当支払通知書
  • 児童扶養手当証書
  • 振込履歴が確認できる通帳

児童関連の手当は、給与などに比べると見落としやすい項目です。しかし、少額であっても家計の一部として扱われるため、漏れなく記載してください。

親族などからの仕送り

親族や知人から仕送りや生活費の援助を受けている場合は、その金額も収入として記載します。例えば、親から毎月生活費の補助を受けている場合などが該当します。記載する際は、単に「援助あり」と書くだけではなく「誰から」「いくら受け取っているか」を明確にする必要があります。備考欄などに援助者の氏名を記載すると分かりやすいでしょう。

一方で、援助ではなく「借りたお金」である場合は注意が必要です。借入金であれば、債権者として扱う必要があり、自己破産の手続きへ影響する可能性があります。継続的な支援がある場合は、通帳の入金履歴なども確認されることがあります。曖昧な記載を避け、実際の状況に沿って正確に記録しましょう。

自己破産の家計簿に記載するべき支出の項目

自己破産の家計簿では、毎月どのような支出が発生しているのかを、できる限り正確に記録する必要があります。収入だけではなく、支出内容も裁判所や破産管財人が重視するポイントです。

家計簿には、家賃や食費といった固定費・生活費だけではなく、交際費や嗜好品代なども含めて記載します。世帯全体のお金の流れを把握するため、不自然な支出や説明できない出金があると、追加説明を求められる場合があります。

ここでは、自己破産の家計簿に記載する主な支出項目と、それぞれの書き方や注意点を解説します。

住居費

住居費には、マンションやアパートの家賃だけではなく、管理費や修繕積立金、地代なども含めて記載します。持ち家の場合は、住宅ローンの返済額も住居費として扱います。例えば、毎月の家賃が8万円で、管理費が5,000円かかっている場合は、合計8万5,000円として計上すると分かりやすいでしょう。

また住居費の内容を確認するため、以下のような書類の提出を求められることがあります。

  • 賃貸借契約書
  • 住宅ローン返済予定表
  • 管理費の請求書

家族と折半している場合は、自分が実際に負担している金額を整理しておくことも重要です。

食費・日用品費

食費・日用品費には、食材費や外食費、トイレットペーパーや洗剤などの生活消耗品費を含めて記載します。世帯全員分をまとめて計上するのが一般的です。家計簿では、1円単位まで厳密に合わせなければならないわけではありません。しかし、できる限りレシートなどを確認しながら、実際の支出に近い金額を記録することが大切です。

また食費が収入に対して過度に高額である場合は「浪費ではないか」と判断される可能性があります。特に、外食費が多い場合は注意が必要です。

光熱費

光熱費には、電気代・ガス代・水道代を記載します。それぞれ分けて書いても構いませんし、合計額を記載したうえで内訳を補足する方法でも問題ありません。光熱費は毎月発生する固定費であるため、通帳の引き落とし履歴や領収書を確認しながら、できる限り正確な金額を記入する必要があります。特に、コンビニ払いを利用している場合は、支払い済みの領収書を保管しておきましょう。裁判所から提出を求められることがあります。

また夏や冬はエアコン使用によって電気代が高くなりやすく、季節による変動も見られます。極端な増減がある場合は、備考欄へ理由を書いておくと説明しやすくなるでしょう。

電話代・インターネット代などの通信費

通信費には、携帯電話料金や固定電話代、インターネット回線の利用料などを含めます。世帯全員分を合算して記載するのが一般的です。例えば、スマートフォンを複数台契約している場合は、家族分も含めた合計額を整理します。通信費も毎月発生する固定費のため、光熱費と同様に正確な金額を記録することが重要です。

記載内容を確認するため、以下のような資料を保管しておきましょう。

  • 利用明細書
  • 通帳の引き落とし履歴
  • クレジットカード利用明細

複数回線を契約している場合は「仕事用」「家族用」など利用目的を整理しておくと、説明しやすくなります。

交通費・ガソリン代・駐車場代

交通費には、電車やバスなどの公共交通機関の利用料に加え、ガソリン代や駐車場代、車検費用なども含まれます。自家用車を所有している場合は、世帯全員分のガソリン代をまとめて記載します。また備考欄などに車の所有者名を記載すると、裁判所側も状況を把握しやすくなります。

さらに、車関連費用がある場合は、以下のような資料の提出を求められることがあります。

  • 車検証
  • 駐車場の賃貸借契約書
  • 自動車保険証券

仕事や通院など、車が必要な理由がある場合は、その事情も整理しておくとよいでしょう。

病院の診察代や薬代などの医療費

医療費には、病院の診察代や処方薬の費用、市販薬の購入費などを記載します。家族全員分をまとめて整理するのが一般的です。医療費は月によって変動しやすい項目です。通院頻度が一定ではない場合は、数カ月分を平均した金額を記載する方法もあります。

領収書を保管しておけば、後から金額を確認しやすくなります。特に、継続的な通院がある場合は、定期的に整理しておくことが大切です。

学費や塾代などの教育費

教育費には、学校の学費や教材費、給食費、塾代、習い事の月謝などを含めます。子どもの教育に関する支出は、家計の重要な項目です。また夏期講習や合宿費など、時期によって大きく変動する支出がある場合は、前年の実績を参考に平均額を算出する方法もあります。複数の支出をまとめて「教育費」として記載する場合は、備考欄に内訳を書いておくと分かりやすくなるでしょう。

被服費

被服費には、衣類や靴、下着などの購入費用を記載します。申立人本人だけではなく、同居家族分も含めて整理する必要があります。毎月一定額が発生するわけではないため、年間でかかった金額を月額へ換算して記載する方法も一般的です。例えば、子どもの成長に伴って衣類の買い替えが多い場合は、その事情を補足しておくと、支出の合理性が伝わりやすくなります。

一方で、ブランド品の大量購入など、収入に見合わない高額な支出は問題視される可能性があります。実際の生活に即した金額を記載することが大切です。

交際費・娯楽費

交際費・娯楽費には、飲み会や冠婚葬祭への参加費、趣味やレジャーに使ったお金などを記載します。この項目は、裁判所が特に重視する支出の一つです。過度な浪費やギャンブルがある場合、免責不許可事由に該当する可能性があるためです。例えば、収入に対して頻繁に高額な飲み会へ参加していたり、多額の遊興費が発生していたりすると「生活改善の意思が乏しい」と判断されることがあります。

そのため、以下の点を意識しながら記録するとよいでしょう。

  • 常識的な範囲の支出に抑える
  • レシートや明細を保管する
  • 支出内容を簡単にメモしておく

説明できない高額支出が続くと、追加確認を求められる場合があるため注意が必要です。

お酒やタバコなどの嗜好品代

お酒やタバコなどの嗜好品代は、食費とは分けて記載します。これは、生活に必要な支出と区別して確認されるためです。自己破産を検討している状況で嗜好品への支出が多い場合「浪費ではないか」と判断される可能性があります。特に、収入に対して不相当に高額なケースでは注意が必要です。

そのため、手続き中は以下のような見直しを検討することも重要です。

  • 飲酒量を減らす
  • 禁煙に取り組む
  • 嗜好品の購入頻度を見直す

完全に禁止されるわけではありませんが、家計改善への姿勢を示すことが大切になります。

生命保険や自動車保険などの保険料

保険料には、生命保険や医療保険、自動車保険、国民健康保険料などを含めます。複数契約がある場合は、合計金額を整理したうえで記載します。またどの保険に加入しているかを明確にするため、契約者の氏名も整理しておくとよいでしょう。

裁判所からは、以下のような書類の提出を求められる場合があります。

  • 保険証券
  • 解約返戻金証明書
  • 保険料の引き落とし明細

特に、解約返戻金がある保険は財産として扱われることがあるため、事前に確認しておくことが重要です。

税金・ローン・その他の返済金

税金やローン返済がある場合は、その支出内容も記載します。例えば、住民税の滞納分や、自動車ローン、クレジットカード返済などが対象です。自己破産の準備を始めると、一般的には弁護士の受任通知発送後から返済を停止する流れになります。そのため、家計簿へ返済金を記載する場合は「いつまで支払っていたか」を整理しておくことが大切です。

自己判断で返済を続けると、偏頗弁済とみなされる可能性もあります。不安がある場合は、早めに弁護士へ相談してください。

自己破産の家計簿を作成する際の注意点

自己破産の家計簿は、単に収支を記録するだけの書類ではありません。裁判所や破産管財人が、現在の生活状況や支払能力を確認するための重要な資料として扱われます。

そのため、家計簿には正確性と整合性が求められます。記載内容に不自然な点があると、追加説明を求められたり、手続きへ影響したりする可能性もあるため注意が必要です。

ただし、ポイントを押さえて作成すれば、初めての方でも対応できる可能性があります。ここでは、家計簿を作成する際に特に注意したいポイントを解説します。

嘘の申告をせず正確に記入する

自己破産の家計簿では、収入や支出を正確に記入することが非常に重要です。「少しぐらいなら分からないだろう」と考えて、金額をごまかしたり、支出を隠したりすることは避けなければなりません。

裁判所や破産管財人は、家計簿の内容を預金通帳や領収書、給与明細などと照らし合わせながら確認します。そのため、数字の整合性が取れていない場合、不自然な点として発覚する可能性があります。

例えば、通帳から毎月数万円の出金があるにもかかわらず、家計簿へ記載されていない場合は「どこへ使ったのか」と説明を求められることがあります。

また虚偽申告が発覚すると、以下のような重大な不利益につながる可能性があります。

  • 免責不許可事由に該当する
  • 詐欺破産罪として刑事責任を問われる可能性がある
  • 弁護士との信頼関係が損なわれ、辞任される場合がある

正確な記録を心がけることが、結果として手続きをスムーズに進めることにもつながります。分からない支出がある場合は、自分で判断せず、弁護士へ相談すると安心でしょう。

使途不明金が出ないようにする

家計簿を作成する際は、収入と支出の帳尻が合うように記録し、使途不明金を出さないことが重要です。説明できないお金の動きがあると、財産隠しや偏頗弁済を疑われる原因になることがあります。

例えば、毎月の収入から生活費を差し引いても数万円が合わない場合「どこへ使ったのか」「特定の債権者へ返済したのではないか」と確認される可能性があります。

こうしたトラブルを防ぐためには、少額の支出であっても記録することが大切です。特に、現金払いは履歴が残りにくいため注意しましょう。

使途不明金を防ぐためには、以下のような対策が有効です。

  • レシートや領収書を保管する
  • 家計簿アプリやメモで都度記録する
  • 通帳やカード明細と定期的に照合する
  • 現金引き出し後の使い道を整理する

よくあるミスとして「同じ支出を二重計上してしまう」「現金払いを記録し忘れる」といったケースがあります。後からまとめて記入しようとすると漏れが生じやすいため、できるだけ早めに記録する習慣を付けるとよいでしょう。

浪費に当たる支出は次月以降に見直す

自己破産では、現在の生活状況だけではなく「生活改善の意思があるか」という点も確認されます。そのため、食費や娯楽費などが収入に対して高額すぎる場合は、裁判所から指摘を受ける可能性があります。

例えば、毎月の外食費が極端に多かったり、高額な趣味へ継続的にお金を使っていたりすると「支出を見直せば返済できるのではないか」と判断される場合があります。

また借金返済が困難な状況にもかかわらず、お酒やタバコなどの嗜好品へ多額の支出を続けていると、家計改善への意識が乏しいとみなされる可能性もあります。

そのため、自己破産の手続き中は、次月以降の支出を見直す姿勢が重要です。例えば、以下のような工夫が考えられます。

  • 外食を減らして自炊を増やす
  • 飲み会や娯楽費を必要最低限に抑える
  • お酒やタバコの量を減らす
  • 不要なサブスク契約を整理する

ただし、極端に生活を切り詰める必要があるわけではありません。無理のない範囲で改善を続けることが大切です。家計簿を通じて支出を見直し、生活再建へ向けた意識を持つことが重要になるでしょう。

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まとめ

自己破産では、家計簿を通じて世帯全体の収支状況を確認されます。対象者の範囲や提出期間、収入・支出の記載方法を正しく理解し、正確に作成することが重要です。

また家計簿には単に数字を書くだけではなく「支払不能の状態であること」や「生活改善へ取り組んでいること」を示す役割もあります。使途不明金を出さないことや、浪費と受け取られかねない支出を見直すことも大切なポイントです。

しかし、自己破産の手続きは専門的な部分も多く「どこまで記載すればよいのか分からない」「自分のケースで問題ないのか不安」と感じる方も少なくありません。

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このページの監修弁護士

弁護士

久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。

弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。