債務整理

2026/09/12

自己破産すると賃貸から追い出される?新規契約でアパートは借りられる?

自己破産すると賃貸から追い出される?新規契約でアパートは借りられる?

自己破産を検討していても、今住んでいる賃貸物件から追い出されるのではないかと考えると不安になるものです。しかし、自己破産をしたという事実だけで、賃貸借契約を解除されることは原則としてありません。ただし、家賃の滞納や契約違反など、自己破産とは別の事情があれば退去を求められる可能性があります。

本記事では、自己破産が現在の住居に与える影響や、契約を解除されるケースを解説します。自己破産後の入居審査や、新しい物件を借りにくい場合の対処法も紹介するため、住まいへの影響が心配な方はぜひ参考にしてください。

【この記事で分かること】

  • 自己破産後も現在の賃貸物件に住み続けられるのか、契約を解除されるケース
  • 自己破産後の入居審査で確認されるポイントや保証会社への影響
  • 新たな賃貸物件を借りにくい場合の対処法や手続き中の注意点

自己破産をすると賃貸物件から追い出される?

自己破産をしたという事実だけを理由に、現在住んでいる賃貸物件から追い出されることは原則としてありません。家賃を滞りなく支払い、契約上のルールを守っていれば、そのまま住み続けられる可能性が高いでしょう。また自己破産を申し立てたことを大家や管理会社へ自ら申告する義務もありません。

ただし、家賃の滞納や契約違反があれば、自己破産とは別の理由で契約を解除される可能性があります。

自己破産後に賃貸借契約を解除される可能性があるケース

自己破産後も住み続けられるのが原則ですが、家賃の滞納や契約違反など、別の問題があれば退去を求められることがあります。ここでは、契約解除につながる主なケースを解説します。

家賃を滞納している場合

自己破産の手続き時点で家賃を滞納していると、賃貸借契約を解除される可能性があります。解除の理由になるのは自己破産ではなく、家賃を支払わないという債務不履行です。

ただし、1回滞納しただけで直ちに解除されるとは限りません。滞納期間や金額、督促への対応などを踏まえ、貸主と借主の信頼関係が破壊されたと認められるかが判断されます。

一般には、3カ月程度の滞納が解除の判断に影響することが多いものの、機械的に決まるわけではありません。滞納を繰り返している場合や、貸主からの連絡を無視している場合は、より短い期間でも信頼関係が損なわれたと判断される可能性があるでしょう。

破産手続開始前に発生した滞納家賃は、原則として他の借金と同様に破産手続の対象です。免責許可を受ければ本人への請求は制限されますが、それによって契約解除まで防げるわけではありません。

契約違反を犯している場合

家賃を支払っていても、重大な契約違反があれば賃貸借契約を解除される可能性があります。これは自己破産とは関係なく、通常の賃貸借契約でも起こり得る問題です。

契約解除につながる行為として、次のような例が挙げられます。

  • 貸主に無断で物件を第三者へ又貸しする
  • 契約上認められていない人を無断で同居させる
  • ペット禁止の物件で動物を飼育する
  • 貸主の承諾を得ずに増改築する
  • 騒音や悪臭などの迷惑行為を繰り返す
  • 居住用の物件を無断で店舗や事務所として使用する

ただし、軽微な違反が1回あっただけで、必ず解除が認められるわけではありません。違反の内容や継続期間、貸主からの注意に従ったかなどを踏まえ、信頼関係が破壊されたかどうかが判断されます。

住み続けたい場合は、家賃の支払いだけではなく、契約書に記載された使用上のルールも改めて確認しておくことが大切です。

更新審査に落ちてしまった場合

賃貸借契約の更新時に家賃保証会社の再審査が行われ、保証契約の更新を断られる場合があります。特に注意が必要なのは、信販系保証会社を利用しているケースです。

信販系保証会社は、審査に際して信用情報を確認する場合があります。自己破産後は一定期間、信用情報に事故情報が残るため、保証契約の更新審査に影響する可能性があるでしょう。

ただし、保証会社の審査に落ちたからといって、貸主が直ちに賃貸借契約を解除できるわけではありません。普通借家契約では、貸主が更新を拒絶するために正当の事由が必要です。

家賃の滞納や契約違反がなければ、保証会社の変更や連帯保証人の追加によって契約を継続できることもあります。一方、保証会社との契約維持が必須で、代わりの保証会社や保証人を用意できない場合は、更新が難しくなるかもしれません。

更新時期が近い方は、賃貸借契約書や保証委託契約書を確認し、利用している保証会社の種類を把握しておくとよいでしょう。

毎月の返済が
不安になってきた方へ

いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です

  • 相談料は何度でも0円
  • 分割払い対応
  • 最短で即日取り立てストップ

自己破産をするときの賃貸物件に関する注意点

自己破産後も現在の物件に住み続けるには、家賃の支払い方法や保証人への影響も確認する必要があります。ここでは、手続き前後に注意したいポイントを解説します。

偏頗弁済に注意する

家賃を滞納している場合、住居を失いたくないからといって、滞納分だけを大家へ優先的に支払うのは危険です。このような支払いは「偏頗弁済」とみなされる可能性があります。

自己破産では、原則として全ての債権者を平等に扱わなければなりません。支払不能となった後に特定の債権者だけへ返済すると、他の債権者が受け取れる配当が減るためです。

偏頗弁済に当たると、破産管財人から返還を求められたり、免責の判断で不利に扱われたりする恐れがあります。ただし、偏頗弁済があれば必ず免責されないわけではなく、金額や経緯などを踏まえて裁判所が判断します。

また申し立て後も毎月発生する家賃を通常通り支払うことまで、偏頗弁済になるわけではありません。過去の滞納分と現在の家賃では扱いが異なるため、滞納がある方は支払う前に弁護士へ相談する必要があるでしょう。

家賃の支払い方法を確認しておく

家賃をクレジットカードで支払っている方は、自己破産後も同じ方法を利用できるとは限りません。カードが利用停止・解約となれば、家賃を決済できなくなるためです。

自己破産を申し立てる前に、口座振替や振り込み、払込票などへ変更できるか確認しておきましょう。変更が反映される時期や、保証会社を通じた支払いになっていないかも確認が必要です。

口座振替の場合は、引き落とし口座にも注意しなければなりません。預金口座のある銀行から借り入れがあると、受任通知の到着後などに口座が一時的に凍結されることがあります。

口座が使えなければ、残高があっても家賃を引き落とせない可能性があります。借り入れのない銀行口座へ変更するなど、支払いが途切れない方法を弁護士や管理会社へ確認するとよいでしょう。

保証人に請求が及ぶ場合がある

家賃を滞納したまま自己破産すると、連帯保証人に滞納分の支払いを請求される場合があります。自己破産によって免除されるのは原則として本人の支払義務であり、保証人の責任まではなくなりません。

実際にどこまで請求されるかは、賃貸借契約書や保証契約書によって異なります。滞納家賃がある場合は、弁護士と相談した上で、保証人へ事情や今後の見通しを説明しておくことが望ましいでしょう。

家賃保証会社が大家へ滞納分を立て替えた場合、保証会社は本人に支払いを求めます。その求償債権も破産手続の対象になり得るため、債権者一覧表から漏らさないよう注意が必要です。

手続き中の転居は許可が必要な場合がある

自己破産を申し立てる前であれば、原則として裁判所の許可を得ずに引っ越せます。ただし、住所の変更は申立書類や裁判所からの連絡に関係するため、依頼中の弁護士には事前に伝える必要があります。

破産手続開始決定後は、居住地を離れる際に裁判所の許可が必要です。特に管財事件では、転居前に申請書を提出し、破産管財人の意見を確認することがあります。

もっとも、自己破産中は一切引っ越せないという意味ではありません。家賃を下げるための転居や、就職・家族事情による引っ越しなど、合理的な理由があれば許可される可能性が高いでしょう。

裁判所によって運用が異なる場合もあるため、物件を契約したり引っ越し業者を手配したりする前に弁護士へ相談すると安心です。

自己破産しても引っ越しはできる?賃貸の入居審査への影響はどうなる?

自己破産後に新たに賃貸物件を借りられる?

自己破産をしても、新たに賃貸借契約を結ぶことは可能です。ただし、物件を借りるには、大家や管理会社、家賃保証会社などの入居審査を通過する必要があります。自己破産後は、信用情報や収入の状況によって利用できる保証会社が限られることもあるでしょう。

特に、先述したように信販系保証会社では信用情報に自己破産の情報が残っている間、審査へ影響する可能性があります。一方、全ての保証会社が信用情報機関へ加盟しているわけではなく、現在の収入や勤務状況を独自に審査する会社もあります。

そのため、1社の審査に落ちても、別の保証会社を利用できる物件なら契約できる可能性は残されています。

賃貸物件の入居審査でチェックされる主なポイント

入居審査では、自己破産歴だけではなく、現在の収入や勤務状況、希望する物件の家賃などが総合的に確認されます。ここでは、主な審査項目を解説します。

雇用形態や勤続年数

入居審査では、今後も継続して家賃を支払えるかを確認するため、勤務先や雇用形態、勤続年数などがチェックされます。一般的には、毎月一定の給与を受け取っている方や、勤続年数が長い方ほど、収入が安定していると判断されやすいでしょう。

ただし、アルバイトやパート、派遣社員、個人事業主だからといって、必ず審査に落ちるわけではありません。収入額や勤務期間、預貯金、家賃とのバランスなども含めて判断されます。

転職したばかりの場合は、雇用契約書や採用通知書、直近の給与明細などの提出を求められることがあります。無職でも、年金などの継続収入や十分な預貯金があれば、申し込める物件はあるでしょう。

収入と家賃のバランス

収入額に加え、毎月の収入に対して家賃が高過ぎないかも重視されます。収入が多くても、高額な物件を選べば支払い余力が少ないと判断されるかもしれません。

家賃の目安として、手取り月収の3分の1程度が挙げられることがあります。例えば、手取り月収が21万円であれば、家賃7万円前後が一つの目安です。

ただし、手取り月収の3分の1は法律で定められた基準ではありません。額面収入を基準とする場合もあり、また生活費や扶養家族の人数によっても家賃の負担感は変わります。

自己破産後は、急な出費を借り入れやクレジットカードで補うことが難しい時期が続きます。入居後の生活まで考え、無理なく支払える家賃の物件を選ぶことが大切です。

信用情報や滞納履歴

信販系保証会社の審査では、クレジットカードやローンなどの支払状況が登録された信用情報を確認される場合があります。自己破産の情報が残っている期間中は、審査へ影響する可能性があるでしょう。

ただし、大家や一般的な不動産会社が、申込者の信用情報を自由に閲覧できるわけではありません。信用情報を照会できるのは、加盟会員が本人の同意など所定の条件を満たした場合です。

また信用情報とは別に、家賃保証会社が自社で保有する滞納履歴を審査へ利用することがあります。加盟団体の仕組みによっては、家賃の支払状況が会員間で共有される場合もあるでしょう。

具体的な審査基準は公開されていません。同じ条件でも結果が異なることがあるため、審査に不安がある場合は、不動産会社へ事情を伝えた上で申込先を選ぶことが大切です。

保証人の支払い能力

連帯保証人を立てる場合は、保証人の収入や勤務先、勤続年数、年齢、申込者との関係なども確認されます。本人が家賃を支払えなくなったときに、代わって支払えるかを判断するためです。

安定した収入がある親や兄弟などの親族は、保証人として認められやすい傾向にあります。一方、高齢で収入が少ない場合や、希望物件の家賃に対して支払い能力が十分でない場合は、別の保証人を求められることもあるでしょう。

保証会社を利用する物件でも、審査結果によっては追加で連帯保証人を求められる場合があります。反対に、保証会社への加入が必須で、連帯保証人だけでは申し込めない物件も少なくありません。

毎月の返済が
不安になってきた方へ

いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です

  • 相談料は何度でも0円
  • 分割払い対応
  • 最短で即日取り立てストップ

自己破産後に新たな賃貸物件を借りられない場合の対処法

先述したように、自己破産後に入居審査へ落ちても、全ての物件を借りられないわけではありません。保証会社の種類や申込条件を見直すことで、契約できる物件が見つかる可能性があります。

独立系保証会社を利用できる物件を選ぶ

信販系保証会社の審査に通らない場合は、独立系保証会社を利用できる物件を探す方法があります。独立系保証会社とは、信販会社などの系列に属さず、独自の基準で審査する会社です。

信用情報機関に加盟していない独立系保証会社では、自己破産の情報よりも、現在の収入や勤務状況、家賃の支払能力などを重視する傾向があります。ただし、独立系であれば必ず審査に通るわけではありません。

過去に同じ保証会社で家賃を滞納していた場合は、自社で保有する履歴をもとに判断される可能性があります。物件情報だけでは保証会社の種類が分からないことも多いため、不動産会社に事情を伝え、独立系を利用できる物件を紹介してもらうとよいでしょう。

安定収入のある保証人を立てる

家賃保証会社の審査に通らなくても、安定収入のある連帯保証人を立てることで契約できる物件があります。親族などへ依頼できる場合は、保証人のみで契約できる物件がないか不動産会社へ確認するとよいでしょう。

連帯保証人は、契約者が家賃を滞納した際に支払義務を負います。依頼する際は、家賃や保証する範囲を説明し、十分な了承を得ておきましょう。

公営住宅に申し込む

民間の賃貸物件を借りることが難しい場合は、都道府県や市区町村が運営する公営住宅も選択肢です。

自己破産をしたこと自体は通常、公営住宅へ申し込めない理由にはなりません。家賃は世帯収入や住宅の規模、立地などに応じて決まるため、収入が少ない方でも負担を抑えやすいでしょう。

主な申込条件は次の通りです。

  • 所定の収入基準を満たしている
  • 現在、住宅に困窮している
  • 申込先の自治体に居住または勤務している
  • 申込者や同居者が暴力団員ではない

具体的な条件は自治体や募集区分によって異なります。応募者が募集戸数を上回ると抽選になる場合もあり、申込みから入居まで時間がかかることもあるでしょう。

UR賃貸住宅を選ぶ

UR賃貸住宅は、独立行政法人都市再生機構が管理する賃貸住宅です。連帯保証人や家賃保証会社が不要であるため、保証会社の審査に通らない方でも申し込めます。

礼金・仲介手数料・更新料がかからず、一般的な民間賃貸より初期費用を抑えられる場合がある点も特徴です。

一方、申込みには一定の収入基準があります。例えば、世帯で家賃8万2,500円未満の物件へ申し込む場合、原則として平均月収額が家賃の4倍以上であることが必要です。単身者は、家賃6万2,500円未満の場合に家賃の4倍以上が基準となります。

収入基準に届かなくても、家賃などの一時払い制度や貯蓄額による基準を利用できることがあります。申込条件と必要書類を確認した上で検討するとよいでしょう。

事故情報が削除されるまで引っ越しを待つ

現在の住居に問題なく住み続けられる場合は、信用情報機関から自己破産に関する情報が削除されるまで引っ越しを待つ方法もあります。信用情報の保有期間は機関や情報の種類によって異なりますが5~7年が目安です。

ただし、期間が経過すれば必ず入居審査に通るわけではありません。収入や勤続年数、家賃の滞納歴なども審査対象となるためです。

正確な登録状況は、各信用情報機関へ本人開示を申し込むことで確認できます。急いで引っ越す必要がなければ、情報の削除を待ちながら収入や家計を安定させることで、物件の選択肢を広げられるでしょう。

まとめ

自己破産をしたという事実だけで、現在の賃貸物件から追い出されることは原則としてありません。家賃を支払い、契約上のルールを守っていれば、そのまま住み続けられる可能性が高いでしょう。

ただし、家賃の滞納や重大な契約違反があれば、自己破産とは別の理由で契約を解除される恐れがあります。滞納家賃だけを優先して支払うと偏頗弁済に当たる可能性もあるため、返済前に弁護士へ相談することが大切です。

ライズ綜合法律事務所では、月間4,000件、年間5万件の相談実績があります。相談料は無料で、借金の返済や家賃の滞納に悩んでいる場合は、問題が深刻になる前にご相談ください。

【ご相談専用フリーダイヤル】

0120-657-001(9:00-21:00土日祝も受付中)

このページの監修弁護士

弁護士

久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)

東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。

弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。