債務整理
2026/08/17
代位弁済とは?デメリットと保証会社から請求が来た場合はどうする?

「返済が滞り、代位弁済の通知が届いた」「今後どうなるのか不安」と悩む方もいるかもしれません。どのように対処するべきか分からず困ってしまうかもしれませんが、仕組みを正しく理解していれば適切な対応を取れるでしょう。
本記事では、代位弁済の基礎知識やリスク、通知が届いたときの対処法について解説します。
【この記事で分かること】
- 代位弁済の概要や仕組み
- 一括返済の請求や信用情報への影響など代位弁済後のリスク
- 通知が届いた直後に検討するべき、返済交渉や債務整理などの対応策
代位弁済とは?
代位弁済とは、住宅ローンやカードローンの返済をできなくなった場合に、保証会社や保証人が債務者に代わって元の債権者へ返済を行う仕組みです。代位弁済が行われると、その後の返済先が元の債権者から保証会社や保証人へ切り替わります。
例えば、銀行の住宅ローンを滞納し続けた場合、保証会社が銀行へ残債を全額支払います。これにより銀行への債務は消滅しますが、代わって支払った保証会社が債務者に対して返済を求める権利を取得します。つまり、代位弁済が行われても借金そのものが消えるわけではなく、債務者は引き続き保証会社に対して返済義務を負い続けることになるのです。
代位弁済のリスクやデメリット
代位弁済が行われた場合、債務者の状況は一気に厳しくなります。ここでは、代位弁済により想定されるリスクやデメリットを見ていきます。
残債の一括返済を求められる
代位弁済が行われた後は、保証会社から残債の一括返済を求められるのが一般的です。銀行との契約は解除されているため、分割返済は原則として認められません。例えば、残りのローンが1,000万円ある状態で代位弁済が行われた場合には、保証会社から督促の通知が届きます。
もともと月々の返済に窮していた債務者に、このような多額の資金を即座に用意するのは現実的ではありません。しかし、資金を用意できないまま放置すれば、差し押さえなどの法的措置へ移行する恐れがあります。弁護士などの専門家へ相談するなどして、返済計画を立て直すことが急務となります。
遅延損害金が発生する
返済が遅れている期間については、利息とは別に遅延損害金が加算されます。代位弁済では保証会社が肩代わりした後も、完済するまで損害金は発生し続けるのです。
例えば、多くの消費者金融やカードローンなどの場合、年率20.0%を上限として高い遅延損害金が設定されています。代位弁済後は元本全額が一括請求の対象となるため、その高額な元本に対して毎日多額の損害金が積み上がっていくことになるのです。元本だけではなく負担総額が雪だるま式に増えやすいため、対応が長期化するほど自力での返済は困難を極め、最終的に返済不能に陥るリスクが非常に高くなります。
信用情報に傷が付く
代位弁済が行われた場合には、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆるブラックリストと呼ばれるもので、これにより金融面での社会的な信用が低下します。
例えば、事故情報が登録されてからの数年間は、クレジットカードの新規作成や更新、住宅ローン、マイカーローンなどの審査にまず通りません。それだけではなく、携帯電話本体の分割払いおよび保証会社の審査が必要な賃貸物件の契約なども難しくなるのが一般的です。さらに、自分自身の生活だけではなく、子どもの教育ローンの利用といった将来の家族設計にも長期にわたって深刻な影響を及ぼし続けることになります。
財産の差し押さえが実行される
保証会社からの一括請求に応じない場合は、最終的には裁判所を通じた法的手続きにより、差し押さえが行われる可能性が高まります。
差し押さえの対象は、給与や預貯金、不動産など多岐にわたります。給与が差し押さえられた場合には、勤務先に裁判所からの通知が届くため、借金トラブルが職場の同僚に知られてしまうかもしれません。また住宅ローンの場合は自宅が競売にかけられ、退去を余儀なくされることもあります。
このような強制執行の段階に進むと、もはや個人での対応は容易ではありません。資産を失う前に早期に弁護士へ相談するなどの対応が不可欠です。
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代位弁済の通知が届いた際の対処法
保証会社から代位弁済を行った旨の通知が届いた時点で、状況はすでに切迫した状態です。これを単なる事務的な通知だと思って放置すると、差し押さえなどの強制執行へ移行し、事態は悪化する一方です。債務者としては、現実的な対応策を早急に検討して、一刻も早く実行に移さなくてはなりません。
ここでは、具体的な対処法を紹介します。
資金を工面して一括返済する
親族からの借入や手持ちの預貯金、または資産を活用して残債を一括返済できれば、問題は早期に解決します。一括返済をすれば、それ以上の遅延損害金の拡大を防げるだけではなく、開始されようとしている法的措置も止めることが可能です。
具体的には、相続した土地の売却や、解約返戻金のある生命保険の解約によって資金を確保する方法が考えられます。また、親族に事情を説明し、代位弁済分の立て替えを依頼して返済を完了させることも一つの選択肢です。
ただし、これらは十分な資産や支援を得られる場合に限られます。生活資金を失うほどの返済や、闇金などの違法業者からの借入は大きなリスクを伴うため、無理のない範囲で検討しましょう。
保証会社と交渉する
一括返済が難しい場合には、自ら保証会社へ連絡を入れて今後の支払い方法について誠実に交渉しましょう。保証会社は原則として一括払いを求めますが、債務者に支払い意思があり、具体的な返済計画が提示される場合は、例外的に分割返済や条件変更に応じる可能性が残されています。
例えば、通知を受け取ってからすぐ電話を入れ「現在は一時的に収入が減少しているが、来月からは再就職が決まっていて、月々〇万円ずつなら確実に支払える」といった客観的な再建案を提示するケースです。連絡を無視し続けて交渉の余地なしと判断されてしまうと、法的措置へ移行してしまうかもしれません。現在の状況を正直に伝えて話し合いの場を持つことで、最悪の事態を回避できる可能性が高まります。
弁護士に相談する
自力での返済や交渉が困難だと感じた場合、できるだけ早い段階で弁護士へ相談することが有効な解決策となります。弁護士は債務者の状況に合った解決策を検討し、必要に応じて「任意整理」「個人再生」「自己破産」といった債務整理の手続きを代理人として進めます。
弁護士が介入して保証会社へ受任通知を送付すれば、その時点で督促や取り立てを一時的に止めることが可能です。
住宅ローンの場合は任意売却を検討する
住宅ローンの返済が滞り代位弁済が行われた場合、放置すると自宅は競売にかけられます。これに対する有効な回避策が任意売却です。任意売却とは、競売で強制的に売却される前に債権者である保証会社の合意を得て、一般的な不動産市場で自宅を売却する手続きです。競売は市場価格の5〜7割程度で安く売却されることが多いですが、任意売却は相場通りの価格での売却が期待できます。
任意売却を進めるには、保証会社や不動産会社との交渉や連携が必要です。こうした手続きに不安がある場合は、弁護士などの専門家のサポートを受けながら進めるとよいでしょう。
代位弁済の基本的な流れ
代位弁済は、突然何の予兆もなく実行されるものではありません。滞納の開始から最終的な法的措置に至るまで、いくつかの段階を経て進行します。各段階で適切な対応を取ることで代位弁済を回避したり、その後の被害を最小限に抑えたりできる可能性があるため、現在の自分がどの状況に置かれているのか正しく理解しておくことが重要です。
ここでは、代位弁済へ至るまでの一般的な流れを紹介します。
1.債権者からの督促が行われる
期日までに借金やローンの返済をしなかった、あるいは引き落としを実行できなかった場合、まず銀行やカード会社などの債権者から督促が届きます。初期段階では、電話確認や再引き落としの案内などの連絡が一般的です。この段階であれば、遅延損害金も少額で、すぐに支払うことで代位弁済を確実に防ぐことが可能です。
うっかり支払いを忘れていただけの場合は、即座に対応すれば大きな問題にはなりません。しかし、督促を無視して滞納が1カ月、2カ月と続くと、督促状の内容は少しずつ厳しいものになり、期限の利益の喪失(分割払いができなくなること)や保証会社への代位弁済請求などの強い言葉が含まれるようになる傾向にあります。書面や電話での連絡を放置せず、この段階で債権者へ相談し、一部返済や返済猶予の交渉を行いましょう。
2.債権者が保証会社へ一括返済を求める
督促を無視し、滞納が長期にわたり継続した場合、債権者は債務者が期限の利益を喪失したと判断します。
また契約内容に基づき保証会社に対して代位弁済の請求を行います。この手続きは、債務者への確認を挟むとは限らず、債権者と保証会社の間で事務的に進行します。銀行から「代位弁済の手続きを開始しました」という通知が届いた場合、すでに銀行との取引継続は困難であり、債権が保証会社へ移る準備が完了したということです。
3.保証会社による代位弁済が行われる
請求を受けた保証会社が銀行などの債権者に残債の全額(元本、利息および発生した遅延損害金)を支払います。これが代位弁済の実行です。保証会社が立て替えでの支払いを完了すると元の債権者は全ての資金を回収したことになります。
しかし、注意しなければならないのは、これで借金が消えたわけではないということです。保証会社が代位弁済を行ったことで、債権者が銀行から保証会社へと切り替わったに過ぎません。保証会社は支払った金額を債務者に請求する権利を取得して、新たな債権者となります。
4.代位弁済通知が送付される
保証会社による代位弁済が完了したときには、債務者の元へ代位弁済通知書や求償権取得通知といった名称が記載された書面が届きます。この書類には「保証会社が何月何日付でいくらを立て替えたのか、および今後は元の債権者ではなく保証会社へ支払いを行う必要がある」ことが明記されています。
この通知は法的に債権の移転が完了したことを示し、もはや元の銀行に相談しても「保証会社に話してください」と突き放されてしまうのです。通知に記載された内容を正確に確認して、請求額の内訳や支払期日を把握しなければなりません。
5.保証会社からの請求が始まる
代位弁済通知が送付されると、債権者は銀行から保証会社へ移り、ほぼ同時に本格的な督促が開始されます。代位弁済を行った保証会社への支払いは一括返済が原則となります。ただし、任意売却や債務整理を前提とした具体的な解決案がある場合には、条件交渉に応じてもらえる余地もあります。
督促は、電話や書面の送付を中心に行われ「期日までに支払いが確認できない場合は法的措置に移行する」といった通知が届くこともあります。状況によっては訪問が行われるケースもありますが、いずれにしても保証会社は債権回収を目的として対応するため「支払えない」という事情だけでは手続きの進行を止めることは難しいのが実情です。
代位弁済に至る前にできること
代位弁済は決して突然起こるものではありません。滞納初期の段階でいかに迅速かつ適切に対応できるかどうかがその後の結果を大きく左右します。返済が苦しいと感じたら、すぐ行動を起こすことが最悪の事態を回避して、将来の自分や家族の生活を守ることになるでしょう。代位弁済を未然に防ぐ主な対策を解説します。
早めに債権者へ相談する
返済が厳しいと感じた場合、滞納する前に早めに債権者へ相談しましょう。早めに相談をすれば、内容によっては返済条件の見直しに応じてもらえる可能性があるためです。
例えば「一時的な出費により今月だけ支払いが難しい」「来月から再就職が決まっているが、今月だけ利息のみの支払いに猶予してほしい」といったように具体的な事情と今後の見通しを示すことで、リスケジュールなどの提案が受け入れられる可能性があります。
一方で、滞納を放置したまま連絡をしない場合、債権者からの信頼を損ない、結果として厳しい対応に移行してしまうかもしれません。早期に誠実な姿勢で相談し返済の意思を示しましょう。
家計を見直し堅実に返済する
家計を見直し、返済に充てる資金を確保することも重要です。収支を細かく整理してみると、見落としていた無駄な支出が見つかることは少なくありません。
例えば、スマートフォンの料金プランを見直して通信費を下げる、利用していないサブスクリプションサービスを解約するといった方法が考えられます。こうした積み重ねにより、毎月数千円〜数万円の余力を生み出せる可能性があります。小さな無駄遣いでも、その分を返済に回すことで滞納の解消につながれば、信用情報への影響や代位弁済のリスクを回避できる可能性があります。無理のない範囲で支出を見直し、現実的な返済計画を立て直すことが大切です。
親族などに援助を頼む
自力での返済が間に合わない場合は、代位弁済が実行される前であれば、親族などに事情を話して一時的な資金援助を仰ぐことも有力な選択肢です。早めに周囲へ相談することで、状況の悪化を防ぎ、住まいや生活への影響を抑えられる可能性があります。
この際、親族間の貸し借りであっても、後のトラブルを防ぐために借用書を作成し、返済条件を明確にしておくことが望ましいでしょう。
おまとめローンを利用する
複数の金融機関から借入がある場合、返済日や残高の管理が煩雑になりがちです。そのようなときは、おまとめローンによって借入を一本化するのも良い方法です。返済管理が楽になる他、金利負担の小さい借入先1社にまとめることができれば月々の返済額を抑えられる可能性があります。
ただし、おまとめローンを利用するには一定の返済能力が求められるため、延滞が続いている場合や信用情報に大きな影響が出ている段階では利用が難しい点に注意が必要です。
さらに、返済期間を延ばすことで一時的に負担が軽くなっても、総返済額が増える可能性があります。そのため、利用する場合は完済までの見通しを立て、無理のない返済計画を組むことが重要です。金利負担と返済期間のバランスを意識しながら、着実に元本を減らしていくことが、状況の悪化を防ぐポイントとなります。
債務整理を検討する
家計の見直しや親族の援助を受けても返済が根本的に困難な場合、代位弁済が行われる前に債務整理を検討してください。債務整理とは、弁護士などの専門家に依頼し、法律に基づき借金問題を解決する手続きです。
任意整理を選択すれば弁護士が債権者と交渉して将来利息をカットし、元本のみを3年から5年程度の分割払いで再契約できます。借金額が大きい場合、個人再生や自己破産といった選択肢も視野に入ります。代位弁済が行われる前に着手することで、連帯保証人への影響を最小限に抑えるための対策を練る余裕も生まれます。早期に動くほど、選べる解決策の幅は広がるため、手遅れになる前に専門家へ相談し、再出発に向けた最適な手続きを選ぶことが不可欠です。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
まとめ
代位弁済は借金返済における重大な局面であり、放置すれば一括請求や財産の差し押さえなどの強制執行を免れません。しかし、通知が届いた後でも専門家の介入で、分割払いの再交渉や法的な借金減額が可能です。
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。