債務整理
2026/09/13
債務整理で口座凍結される影響は?解除されるまでの期間と対処法を解説

「債務整理をすると、銀行口座が凍結されて生活できなくなるのでは」と不安を感じている方もいるでしょう。給与の受け取りや家賃・光熱費の支払いに使っている口座が突然利用できなくなると、日常生活に大きな影響が出るのではないかと心配になるのも無理はありません。
ただし、債務整理をしたからといって、全ての銀行口座が凍結されるわけではありません。口座凍結は、主に借入先の銀行口座で発生する可能性があり、事前に仕組みを理解して準備しておくことで、生活への影響を抑えられる場合があります。
本記事では、債務整理による口座凍結の仕組みや影響、解除までの期間、生活への支障を防ぐための対策について分かりやすく解説します。
【この記事で分かること】
- 債務整理で口座凍結が起こる仕組みと対象になりやすいケース
- 給与振込や公共料金の引き落としなど、生活への具体的な影響
- 口座凍結によるトラブルを防ぐために事前に行うべき対策
債務整理で口座が凍結されることがある理由
債務整理における口座凍結とは、金融機関が対象口座の出金および送金機能を一時停止する措置です。銀行が口座を凍結する理由は、利用者の預金残高と貸付金を相殺するためです。債務整理の通知を受けた銀行は、貸し倒れ損失を減らすために口座内の資金を借金の返済に充てる処理を行います。相殺手続き完了前に債務者によって預金が引き出されるのを防ぐ目的で、一時的に機能を停止させます。
例えば、ある銀行のカードローンで50万円の借り入れがあり、普通預金に10万円の残高があるケースを考えてみましょう。弁護士から通知が届いた時点で、銀行は即座に口座を凍結して預金10万円を返済に充てる手続きを開始します。
債務整理で口座が凍結されるケース
債務整理では全ての銀行口座が使えなくなるわけではありません。凍結されるかどうかは手続きの対象とする貸金業者や銀行との契約関係によって分類されます。どのような状況で凍結されるのか、具体的な2つのケースを詳しく見ていきましょう。
借り入れのある銀行を債務整理の対象とした場合
ご自身名義の口座がある銀行からの借り入れを任意整理などの対象にすると、その銀行の口座は一時的に凍結されます。例えば、該当する借り入れには銀行のカードローンまたは住宅ローン、マイカーローンなどがあります。この場合は、借り入れを行った支店とは別の支店にある口座も含む同一銀行内の全ての口座が凍結の対象となるので注意が必要です。
東京の支店で、カードローンを借りて自宅近くの支店に生活費口座を持っていたとしても、銀行単位で情報が管理されているので全ての口座が一斉に凍結されてしまいます。また任意整理以外の自己破産または個人再生では、法的な制約によって全ての債権者を一律に対象としなければならず、銀行からの借り入れがあれば口座が凍結される可能性が高くなります。
保証会社が銀行グループに属している場合
銀行からお金を借りていなくても、口座を持つ銀行と同系列の消費者金融などを債務整理の対象にした場合には、口座が凍結される可能性があります。これは消費者金融が銀行の保証会社となっており代位弁済などで債権が移動するためです。多くの銀行カードローンでは、審査や債権保証をグループ傘下の消費者金融に委託しています。
例えば、地方銀行のカードローンを契約するとき、保証会社として大手消費者金融が指定されているケースです。銀行を外して大手消費者金融の借り入れだけ任意整理しようとしても、保証会社に通知が届いた時点でその情報が連携先の銀行へ共有され口座が凍結されます。そのため、事前に保証関係の確認が重要です。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
債務整理をしても口座が凍結されないケース
口座が凍結される条件が限定的であるのと同様に、一定の条件を満たしていれば債務整理の手続き中や手続き後でも口座は一切凍結されず通常通りに使用できます。
借り入れのない銀行の口座である場合
債務整理の手続きをした場合でも、借り入れをしていない銀行の口座であれば凍結されることはありません。これは銀行側に預金と相殺するための貸付金が存在しないため、口座の利用を制限する合理的な理由がないからです。
例えば、クレジットカードまたは消費者金融からの借金のみを整理する場合、一切の借り入れを行っていない預金口座であれば債務整理の開始通知が送られることもありません。借り入れのない銀行口座は、手続き後も給与の受け取りや光熱費の支払いなどの生活費を管理するメインの口座として問題なく使い続けることができます。
任意整理で借入先の銀行を対象外にした場合
任意整理では、整理の対象とする債権者を自由に選択できるので借入先の銀行を手続きから除外することによって口座凍結を回避できます。個人再生や自己破産では、全ての借金が整理対象となりますが借入先を個別に選べるのは任意整理ならではの特徴です。
例えば、消費者金融2社と住宅ローンの契約もしくは生活費などを預けているメインバンク1行から借り入れをしているケースを想定します。このとき、メインバンクを任意整理の対象から外し、消費者金融2社だけを相手に交渉を行えばメインバンクの口座は何の影響も受けずに済みます。ただし、対象外にした銀行と同系列の消費者金融を整理する場合は前述のように保証関係を通じて凍結リスクが生じる可能性があるという点に注意が必要です。
債務整理で口座が凍結されるタイミング
口座が凍結されるのは、弁護士が発送した受任通知が銀行に届いた時点であることが一般的です。銀行は、この通知を受け取った当日から数日以内に、相殺手続きの準備として出金機能を停止させます。
また個人再生または自己破産のように裁判所を通す手続きでは、裁判所からの手続き開始決定通知が届いた時点で改めて口座が凍結されるというケースもあります。この凍結措置は永続的なものではありません。保証会社による代位弁済などの内部処理が完了した場合は、通常約1~3カ月で解除されます。
代位弁済とは、保証会社が債務者に代わって銀行へ借金を全額返済する手続きのことです。代位弁済によって債権が銀行から保証会社へ移るため、銀行が預金を凍結しておく理由がなくなります。
債務整理で口座が凍結された場合の影響
実際に銀行口座が凍結された場合は、日々の金銭管理において多くの制限が生じます。口座凍結により生活できないという最悪の事態を避けるためにも、私生活に及ぶ影響を5つのポイントに分けて細かく確認していきましょう。
振り込みが制限される
口座凍結された場合は、他の口座への振り込み手続きができなくなります。インターネットバンキングやATMからの操作は全てエラーとなり、窓口での振り込み依頼も受け付けられません。入金自体は受け付けられる可能性もありますが、振り込まれたお金を自ら引き出したり送金したりすることは原則として不可能です。
例えば、離れて暮らす家族へ毎月仕送りをしている場合や、仕事上の取引先へ期日までに現金を振り込まなければならない場合、当該口座を使っていると即座に支払いが滞ります。外部への資金移動ルートが遮断されると、自身の信用問題や人間関係にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
各種料金の口座引き落としが止まる
口座が凍結された場合は、あらかじめ設定していた自動引き落としも停止してしまいます。銀行側が出金を認めない状態になることで、引き落とし日に残高がどれだけあっても決済が実行されません。具体的には、電気やガス、水道などの公共料金、携帯電話料金やインターネット通信費、家賃や各種保険料などの支払いが滞るリスクがあります。
例えば、引き落としができない状態が続いた場合、ライフラインの停止や通信が遮断されて日常生活を送ることが困難になります。また支払期日を過ぎることによって遅延損害金が発生したり信用情報に傷がついたりする可能性もあるため、自動引き落としを放置して滞納扱いになることを防ぐための対策が不可欠です。
給与や年金を引き出せなくなる
給与または年金などの振込先に指定している口座が凍結された場合は、振り込まれたお金を引き出すことができません。生活の基盤となる収入が手元に入らないことで、当面の家賃や食費の支払いに直結する深刻な問題となります。
なお、銀行が受任通知を受け取って口座が凍結された後に振り込まれた給与などは、相殺の対象にならないのが原則です。しかし、銀行のシステム上は口座全体が凍結されており、ATMからの引き出しはできません。凍結後に入金された分であっても、銀行窓口での特別な手続きや払戻請求を行わない限り自由に使うことはできないため、手続きが完了するまでは生活費の確保において深刻な状況に陥る可能性があります。
デビットカードが使えなくなる
デビットカードは利用代金が指定口座から即座に引き落とされる仕組みで、対象口座からの出金が停止している凍結状態では利用できなくなります。日々の買い物でデビットカードを多用している場合、生活費の決済手段を突然失うことになります。
例えば、日々のスーパーでの食料品購入やネットショッピングの支払いをデビットカードに頼り切っている場合、レジでの決済が全てエラーとなり買い物ができなくなります。債務整理を開始するとクレジットカードの利用も原則不可能となるため、凍結の恐れがない別の銀行で新たな口座を開設する、生活用としてデビットカードまたはプリペイドカードなどを用意するなどの速やかな対応が必要不可欠です。
口座が強制解約になる場合がある
凍結期間が終了した後に、元の口座として再利用できずにそのまま強制解約されるケースも存在します。特に、カードローン専用の口座である場合、信用金庫や信用組合で加入資格を失った場合、銀行の契約規約で強制解約が定められている場合は可能性が高いといえます。
例えば、銀行の取引約款に法的整理の開始を申し立てたときは通知なく解約できるなどの規定があるケースです。強制解約処分を下された場合、その口座や通帳を復活させて使用することはできなくなります。長年給与振込などで愛用していたメイン口座であっても閉鎖されるリスクがあるため、将来を見据えて新たな金融機関で口座を確保しておく必要があります。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
債務整理で口座が凍結された場合の対処法
万が一、事前の対策が間に合わずに銀行口座が凍結されたとしても、決してパニックになる必要はありません。正しい手順さえ踏んでおけば、生活資金を確保してトラブルを最小限に抑えることが十分に可能です。
凍結後に入金された分を出金できるか確認する
銀行が受任通知を受け取った後に入金された給与などは借金との相殺対象にはならないのが原則です。ATMからの引き出しはできませんが銀行の窓口へ行くことで出金できる可能性があります。そのとき、通帳、銀行印、本人確認書類などが求められることがあるため、必要に応じて持参しましょう。
ただし、弁護士の許可が必要になるなどのように、銀行によって対応が異なるので事前に電話で必要な手続きを確認しておくのが無難です。口座が凍結された直後でも慌てずに、まずは預金が残された口座がある金融機関の窓口に問い合わせをしてみましょう。凍結後に入金された財産を守るためにも、速やかな確認と丁寧な必要書類の準備が重要です。
凍結が解除されるのを待つ
口座の凍結措置は、永遠に続くわけではありません。一定の内部処理が終われば解除される一時的なものです。具体的には、保証会社が銀行の借金を肩代わりする代位弁済の手続きが完了した場合、再び口座を利用できるようになります。解除までにかかる期間は銀行や保証会社によって異なりますが、一般的には1~3カ月程度が目安です。
代位弁済が実行された場合は銀行側の債権は完全に消滅するため、口座を制限する合理的な理由が失われます。そのため、内部での書類審査や手続きが順次完了した段階で口座の出金機能や送金機能は、自動的に元の状態へと戻ります。強制解約にならない限りは再びメイン口座として日常生活で活用できるでしょう。
別の口座で生活費などを管理する
凍結中の口座が使えない間は、借り入れをしていない別の銀行口座を生活用のメイン口座として活用します。債務整理の手続き中であっても、対象としていない金融機関であれば通常通り口座を利用することができます。生活費の引き出しまたは振り込みなどの日常的なお金の管理は、全てこの安全な別口座に集約させるとよいでしょう。
例えば、給与の受け取り先を新口座へと変更し、公共料金やスマートフォンの通信費などの自動引き落とし設定も全て切り替えておきましょう。これによって一つの口座が一時的に凍結されても、私生活におけるお金の流れを維持できるため、精神的な不安や日々の暮らしへのダメージを抑えられます。
依頼した弁護士に対応を相談する
口座凍結に気づいた場合は、焦って銀行と直接やり取りする前にまずは債務整理を依頼した弁護士に状況を報告します。専門家に確認することで、現在の凍結の範囲や解除までの見通し、当面の生活資金の確保方法について冷静なアドバイスを受けられます。
窓口での出金を断られたような場合でも、専門家に相談して間に入ってもらえばスムーズに解決するかもしれません。法律のプロが介入することにより、銀行側に対して不当な相殺をけん制し、給与などの払い戻しを正当に要求できるようになります。自分だけで思い悩んで行動するよりも専門家の指示を仰ぐことが、生活の基盤を早急に安定させる最善の選択肢となるでしょう。
債務整理で口座が凍結される前にしておきたい対策
債務整理による私生活へのダメージを最小限に抑えるためには、弁護士が銀行へ受任通知を発送する前の事前対策が欠かせません。生活できないという最悪の事態を防ぐ4つの対策を確認しましょう。
生活費分の預貯金を引き出しておく
口座が凍結された場合、残高は借金と相殺されてゼロになる恐れがあるため、事前に当面の生活費を引き出しておく必要があります。対象となる銀行の口座は、同じ銀行の別支店にある分も含めて、事前に引き出しておくのが基本です。
ただし、引き出したお金を特定の借金返済に充てると偏頗弁済(へんぱべんさい)となり、手続き上の問題が生じるので使い道については弁護士とよく話し合わなければなりません。引き出しのタイミングが遅れると、受任通知が銀行に到達した時点で、借入残高の範囲内で預金が回収されます。直近で必要となる食費や家賃などの現金を確実に手元へ確保しておくことが、手続き初期の生活を守る大前提となります。
各種料金の引き落とし口座を切り替えておく
凍結による自動引き落としの停止を防ぐために、公共料金や携帯電話代、家賃などの支払先口座を事前に対象外の銀行へ変更しておきます。口座の変更手続きが間に合わない場合は、コンビニ払いや払込用紙での支払い、クレジットカード以外の現金支払いなどの代替手段を手配しておくと安心です。
自動引き落としを放置して滞納扱いになることを防ぎ、生活インフラの停止や遅延損害金の発生を回避することが不可欠です。手続きの切り替えには数週間を要することがあるため、債務整理を検討した段階で速やかに電力会社や通信会社へと連絡を入れ、支払方法の変更を完了させておくことが日常生活のトラブルを防ぐポイントです。
給与や年金の振込口座を変更しておく
凍結対象の口座を給与や年金の受取先にしている場合には、必ず借り入れのない別の銀行口座へ変更する手続きを行っておきましょう。会社の手続きには時間がかかる可能性があるため、債務整理を検討した段階で速やかに経理担当者などへ申し出ることが望ましいです。
どうしても振込先の変更が難しい場合には、勤務先に事情を相談して現金手渡しでの支給に切り替えてもらうのも有効な手段です。生活の命綱である毎月の安定した収入が凍結された口座の中に吸い込まれると、窓口での引き出し交渉が必要になり多大な労力がかかります。受任通知が届く日を逆算して口座の変更手続きを最優先で終わらせる意識が必要です。
必要に応じ新たな口座を開設しておく
債務整理の影響を受けない安全な口座を手元に持っていない場合には、対象外の金融機関で新たに口座を開設しておきます。債務整理をしたからといって銀行口座の新規開設が法的に制限されるわけではないため、通常通り手続きを行うことができます。
給与振込や各種料金の引き落とし先として速やかに移行できるように、受任通知が送られる前に新しいメイン口座を準備しておくのが理想的です。信用情報に事故情報が登録されても預金口座を作る行為自体は何の支障もなく行えます。今後の生活費を整理して管理するための受け皿として新しい口座を早めに一つ作っておくことが、手続きを円滑に進める秘訣です。
まとめ
債務整理にて借り入れのある銀行口座が凍結されるのは、預金と貸付金とを相殺するためです。凍結により引き落としなどが止まり生活に影響する可能性がありますが、事前に別の安全な口座へ切り替えれば回避できます。
どうすべきか分からずお悩みの方は、弁護士法人ライズ綜合法律事務所へご相談ください。電話だけではなくメールにも対応しており、また相談料は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
【ご相談専用フリーダイヤル】
0120-657-001(9:00-21:00土日祝も受付中)
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。