債務整理
2026/09/12
自己破産の分割払いはできる?弁護士費用が払えない場合の対処法を解説

借金の返済に悩み「自己破産を検討したいものの費用が用意できない」と感じていませんか。まとまったお金がない状況では、手続きを進めること自体が大きなハードルに感じられるでしょう。
しかし、自己破産の費用は一括で用意しなければならないとは限りません。分割払いに対応しているケースや、費用負担を軽減できる制度も存在します。
本記事では、自己破産にかかる費用の目安や分割払いの可否、具体的な手続きの流れについて解説します。
【この記事で分かること】
- 自己破産にかかる費用の目安と内訳
- 弁護士費用の分割払いをする方法や支払えない場合の対処法
- 分割払いで進める具体的な流れや準備方法、相談するべきタイミング
自己破産にかかる費用の目安と内訳
自己破産を検討する際、まず把握しておきたいのが費用の全体像です。手続きには一定の費用がかかるため、事前に内訳を理解しておくことが重要になります。一般的な費用の目安は30万~160万円程度とされていますが、手続きの種類や状況によって大きく変わるため注意が必要です。
費用は大きく弁護士費用と裁判所費用に分けられます。弁護士費用には次のような項目があります。
|
費目 |
費用の目安 |
|
相談料 |
30分5,000円前後 |
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着手金 |
依頼時に支払う費用で数十万円程度 |
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報酬 |
過払い金が発生した場合に返還額の2割(訴訟による回収は2割5分) |
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実費 |
郵送費や書類取得費など |
一方、裁判所に支払う費用は以下の通りです。
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費目 |
費用の目安 |
|
申立手数料 |
数千円程度 |
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予納金 |
1万~80万円程度 |
特に予納金は手続きの種類によって差が生じます。例えば、財産が少ない場合は同時廃止事件となり1万~2万円程度で済むケースが多いです。一方、調査が必要な場合は管財事件となり20万~80万円程度かかることがあります。
このように、費用は一律ではありません。自身の状況に応じて変動するため、早めに専門家へ相談することが重要です。
自己破産の費用は分割払いできる?
自己破産の費用について「一括で支払えない場合は手続きできないのではないか」と不安に感じる方も多いでしょう。しかし実際には、弁護士費用については分割払いに対応している法律事務所もあります。依頼者の状況に応じて、毎月一定額を支払う形での分割払いを認めてもらえるケースがあるのです。
一方で、裁判所に支払う申立手数料や予納金は原則として一括払いが求められます。ただし、一部の裁判所では予納金の分割払いに対応している場合もあります。
分割払いが可能かどうかは事務所や状況によって異なるため、自己判断せず早めに相談することが重要といえるでしょう。
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自己破産の費用を分割払いする具体的な流れ
次に、分割払いで自己破産を進める具体的な流れを順に見ていきましょう。
1.弁護士へ依頼し契約を結ぶ
まずは弁護士に相談し、自己破産の手続きを正式に依頼します。多くの法律事務所では無料相談を実施しており、費用や手続きの流れについて詳しく説明を受けることができます。
相談の結果、手続きを進めると判断した場合は委任契約を締結します。この段階では、まとまった費用を用意できなくても、分割払いをできる場合には依頼を受けてもらえるケースがあります。契約時には、分割払いの回数や毎月の支払額について具体的に取り決めを行います。
また契約前には費用の総額や支払い期間、途中で支払いが難しくなった場合の対応などを確認しておくことが大切です。納得した上で契約を結ぶことで、安心して手続きを進められるでしょう。
2.受任通知により返済がストップする
弁護士に正式に依頼すると、債権者に対して受任通知が送付されます。これは弁護士が代理人として手続きを行うことを知らせる重要な通知です。
この通知が届くと、債権者は債務者本人に対して直接の取り立てや督促を行うことができなくなります。その結果、これまで続いていた返済や督促は一時的に停止されることになります。
返済が止まることで精神的な負担が軽減されるだけではなく、家計にも余裕が生まれやすくなります。
3.弁護士費用を毎月積み立てる
受任通知によって返済が止まると、これまで借金の返済に充てていた資金を別の用途に回せるようになります。その資金を活用し、弁護士と取り決めた計画に従って毎月費用を積み立てていきます。
この方法であれば、一度に大きな金額を用意する必要がなく、家計への負担を抑えながら費用を準備することが可能です。ただし、収入や支出の状況によっては余裕が生まれにくいケースもあるため、無理のない支払い計画を立てることが重要になります。
分割払いは単なる支払い方法ではなく、生活再建の第一歩ともいえるでしょう。計画的に積み立てを行うことで、次の手続きへスムーズにつなげることができます。
4.積み立て完了をもって申し立てを行う
弁護士費用の積み立てが完了すると、弁護士が代理人として裁判所に自己破産の申し立てを行います。申し立てを円滑に進めるためにも、できるだけ早い段階で費用を準備することが望ましいです。
分割払いの期間が長引くと、手続き開始までの時間が延びてしまいます。その間に状況が変化する可能性もあるため、計画通りに支払いを進めることが重要です。
また途中で支払いが滞り、手続きの開始が難しいと判断された場合、弁護士に辞任されてしまう可能性があります。その場合、督促が再開されるリスクもあるため注意が必要です。最後まで計画を守り、確実に申し立てへ進むことが重要です。
自己破産の費用が払えない場合の対処法
自己破産を検討しているものの「費用が用意できない」という理由で手続きをためらっている方も多いでしょう。しかし、費用が払えない状況でも選択肢は複数存在します。対応を後回しにすると、督促や差し押さえといったリスクが高まる可能性があるため注意が必要です。
ここでは、費用面の不安を抱えている方でも取り得る具体的な対処法を紹介します。早い段階で適切な方法を選ぶことで、状況の悪化を防ぎやすくなるでしょう。
家族や親族に援助をお願いする
自己破産の費用を用意する方法として、家族や親族に援助をお願いする選択肢があります。親や兄弟など信頼できる相手に事情を説明し、資金面で協力してもらうことで、手続きを進めやすくなる場合があります。
ただし、手続き直前の借入や特定の相手のみを優先した返済は、自己破産において問題になることがあります。免責への悪影響を避けるためにも、事前に弁護士へ相談しておくとよいでしょう。
また親族に資金の相談をする際には、現状の借金状況や今後の見通しを正直に伝えることが重要です。曖昧な説明のまま資金を受け取ると、後々トラブルになる恐れがあります。事前に条件を明確にし、双方が納得した形で進めるようにしましょう。
財産を処分して費用に充てる
自己破産の費用を確保する方法として、自身の財産を現金化するという選択肢もあります。例えば、生命保険を解約して返戻金を得たり、不要な資産を売却したりすることで、必要な資金を用意できる場合があります。
しかし、財産の処分には慎重な判断が求められます。不適切な方法で財産を処分すると、財産隠しと判断される可能性があり、免責が認められなくなるリスクがあるためです。特に、申し立て直前に不自然な形で資産を減らす行為は問題視されやすい傾向にあります。
そのため、財産を処分する際には必ず弁護士に相談し、適切な手続きを踏むことが重要です。処分のタイミングや方法を誤らないようにすることで、手続きへの影響を最小限に抑えることができます。
法テラスの民事法律扶助制度を利用する
費用面の負担を大きく軽減できる制度として、法テラスの民事法律扶助制度があります。この制度を利用すれば、弁護士費用や手続きに必要な実費を立て替えてもらうことが可能です。
立て替えられた費用は、手続き終了後に月々5,000円~1万円程度で分割返済していきます。まとまった資金を用意する必要がないため、手元に余裕がない方でも利用しやすい制度といえるでしょう。
さらに、生活保護を受給している場合は返済が免除される可能性もあります。このように、制度を活用することで実質的な負担を大きく軽減できるケースもあります。ただし、利用には一定の条件があるため、詳細を次項で確認してください。
自己破産で法テラスの制度を利用する条件
法テラスの民事法律扶助制度は、誰でも利用できるわけではありません。一定の条件を満たす必要があり、主に収入や資産、手続きの見込みなどが判断基準となります。
ただし、条件を満たせば費用負担を大きく軽減できる可能性があります。自己判断で諦めるのではなく、まずは条件を確認し、必要に応じて専門家へ相談することが重要です。ここでは、主な利用条件について順に解説します。
民事法律扶助の趣旨に合っていること
民事法律扶助制度は、経済的に困窮している方を支援することを目的としています。そのため、制度の利用がこの趣旨に合致しているかどうかが重要な判断基準となります。
例えば、報復的な感情を満たす目的や、単なる利益追求のための利用は認められません。一方で、借金の返済が困難で生活に支障が出ている場合など、正当な理由に基づく自己破産であれば、制度の趣旨に合致すると判断されることが多いです。
制度の公平性を保つために設けられている条件ではありますが、通常の借金問題であれば多くの場合大きな問題とはなりません。不安がある場合は、事前に相談することで判断の目安を得ることができるでしょう。
収入や資産が一定基準以下であること
法テラスを利用するためには、収入や資産が一定の基準以下である必要があります。例えば、単身者の場合は手取り月収18万2,000円以下(大都市圏では20万200円以下)が目安とされています。
また資産についても基準が設けられており、自宅以外の不動産や預貯金、有価証券などの合計が180万円以下であることが条件となります。これらはあくまで目安であり、家族構成や地域によって多少の違いがある点に注意が必要です。
さらに、配偶者の収入や資産も考慮されるため、世帯全体の状況を踏まえて判断されます。詳細な基準については個別に確認することが重要です。
免責が認められる見込みがあること
法テラスの支援を受けるためには、自己破産によって免責が認められる見込みがあることも条件となります。免責とは、裁判所の判断により借金の支払い義務が免除されることです。
明らかに免責が認められないケースや、その可能性が低いと判断される場合は、制度の利用が難しくなることがあります。ただし、免責不許可事由がある場合でも、事情によっては裁量免責が認められる可能性があります。
そのため、自身で判断するのではなく、弁護士に相談して見込みを確認することが大切です。適切な説明や対応によって、結果が変わるケースもあります。
月々5,000~1万円の分割返済が可能なこと
法テラスを利用した場合、立て替えられた費用は手続き終了後に分割で返済していきます。返済額は収入状況に応じて決定されますが、一般的には月々5,000円~1万円程度が目安とされています。
この金額であれば、生活に大きな負担をかけずに返済を続けられるケースが多いでしょう。ただし、あくまで目安であり、個別の事情によって変動する可能性があります。
また返済期間中に生活がさらに厳しくなった場合には、返済の猶予や免除を申請できる場合もあります。無理のない範囲で継続できる仕組みが整えられている点も、この制度の特徴といえるでしょう。
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自己破産の費用を捻出するためにやってはいけないこと
自己破産の費用を用意する際、焦りから誤った行動を取ってしまうと、手続きに大きな悪影響を及ぼす可能性があります。費用を確保すること自体は重要ですが、その方法によっては免責が認められにくくなる恐れもあるため注意が必要です。
ここでは、自己破産の費用を捻出するためにやってはいけない行動について解説します。安易な判断をせず、適切な方法を選ぶことが重要です。
新たな借入をする
自己破産の費用を用意するためであっても、新たに借入を行うことは避けるべきです。特に消費者金融やカードローンなどを利用して資金を調達する行為は、大きなリスクを伴います。
自己破産の申し立て直前に借入を行った場合「初めから返済する意思がなかった」と判断される可能性があります。このようなケースは詐欺的な取引と見なされることがあるため注意が必要です。
またこうした行為は「詐術による信用取引」として免責不許可事由に該当する可能性が高くなります。その結果、借金の免除が認められにくくなる恐れがあります。
費用が不足している場合でも、新たな借入で対応しようとするのではなく、弁護士に相談して適切な方法を検討することが重要です。
クレジットカードを現金化する
クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を得る「現金化」は、自己破産の手続きにおいて重大な問題となる行為です。一見すると資金を用意する手段に見えますが、手続き上は大きな不利益につながります。
例えば、次のような行為が該当します。
- 商品やチケットをカードで購入し、すぐに売却して現金化する
- キャッシュバック付きの取引を利用して現金を受け取る
これらの行為は、形式上は売買であっても実質的には資金調達と評価されることがあります。その結果、免責不許可事由に該当する可能性があり、破産手続きにおいて不利に働くことがあります。
現金化は短期的な解決策のように見えても、長期的には大きなリスクを伴います。手続きに影響を与えない方法を選ぶことが重要です。
ギャンブルなどでお金を増やそうとする
費用を用意するために、ギャンブルや投資で資金を増やそうとする行為も避けるべきです。短期間で資金を得られる可能性がある一方で、損失が出るリスクも高く、状況を悪化させる恐れがあります。
特に、ギャンブルや過度な投資によって財産を減少させた場合、それ自体が免責不許可事由に該当する可能性があります。結果として、借金の免除が認められにくくなるだけではなく、裁判所の判断で管財事件となる可能性も高まります。
管財事件になると、破産管財人による調査が行われるため、手続きが複雑になるだけではなく、予納金などの費用が増える可能性もあります。
このように、ギャンブルなどで費用を用意しようとする行為はリスクが大きいため、冷静に判断し、専門家に相談することが重要です。
自己破産を弁護士に依頼する主なメリット
自己破産は個人でも手続きできますが、弁護士に依頼することで得られるメリットが多くあります。精神面の負担軽減だけではなく、手続きの正確性や費用面にも影響する場合があります。
ここでは、弁護士に依頼することで得られる主なメリットについて解説します。
債権者からの督促が止まる
弁護士に自己破産を依頼すると、債権者に対して受任通知が送付されます。この通知により、債権者は債務者本人に直接督促や取り立てを行うことができなくなります。
これまで頻繁に行われていた電話や郵送による督促が止まるため、精神的な負担が大きく軽減されます。日常生活への影響も抑えやすくなるでしょう。
さらに、返済が一時的に停止されることで、これまで返済に充てていた資金を弁護士費用の積み立てに回すことが可能になります。こうした点も、手続きを進める上で大きなメリットといえます。
裁判所費用が安く済む場合がある
自己破産を弁護士に依頼することで、裁判所費用が軽減される場合があります。特に、管財事件となるケースではその差が大きくなります。
本人申し立ての場合、通常管財事件として扱われることが多く、50万円以上の予納金が必要になるのが通例です。一方で、弁護士が代理人となる場合は、条件を満たすことで「少額管財事件」が適用される可能性があります。
少額管財事件では、予納金が20万円程度に抑えられるケースが多く、結果として全体の費用負担が軽くなる場合があります。弁護士費用は発生しますが、トータルで見ると負担が抑えられる可能性があるのです。
ただし、適用されるかどうかは状況によるため、事前に確認しておくことが重要です。
複雑な手続きや書類作成をサポートしてもらえる
自己破産の手続きでは、多くの書類を正確に作成する必要があります。陳述書や財産目録、債権者一覧など、さまざまな書類が必要となり、慣れていない方にとっては大きな負担となります。
弁護士に依頼すれば、これらの書類作成や裁判所とのやり取りを一任することができます。不備やミスを防ぎながら手続きを進められるため、安心感も高まります。
また浪費やギャンブルなどの事情がある場合でも、弁護士が適切に説明を行うことで、裁量免責が認められる可能性が高まります。さらに、状況に応じて他の手続きの提案や生活再建に向けたアドバイスを受けられる点も大きなメリットです。
まとめ
自己破産の費用は一括で用意する必要があると考えがちですが、実際には分割払いに対応しているケースも多く、状況に応じた対応が可能です。また費用が払えない場合でも、親族からの援助や法テラスの制度など、現実的な対処法が複数存在します。
一方で、新たな借入やクレジットカードの現金化、ギャンブルなどで資金を用意しようとする行為は、手続きに悪影響を及ぼす可能性があります。こうした行動は避け、正しい方法を選ぶことが重要です。
自己破産を進めるに当たっては、弁護士に依頼することで督促の停止や手続きのサポートといった多くのメリットを得られます。一人で悩みを抱え込まず、早い段階で専門家に相談することが、解決への近道となるでしょう。
ライズ綜合法律事務所では、月間4,000件、年間5万件の相談実績があります。電話・メール・LINEでの相談に対応しており、相談料は無料です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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いまは「どう対処すればよいか分からない」
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。