債務整理
2026/09/12
個人再生に失敗するとどうなる?原因や対策を事例や体験談を元に解説

借金の返済を続けながら「このままでよいのだろうか」と悩んでいる方もいるでしょう。特に個人再生を検討する際「手続きに失敗したらどうなるのか」と不安に感じるかもしれません。個人再生のような法的手続きに当たっては、慎重になるのも自然なことです。
個人再生は借金を大きく減額できる可能性がある一方で、一定の要件や手続きが求められます。そのため、進め方を誤ると途中で打ち切られたり、思うような結果が得られなかったりすることもあります。
本記事では、個人再生で失敗といわれる主なパターンや原因を整理し、具体的な対策について解説します。リスクを正しく理解することで、自分にとって適した選択ができるようになるでしょう。
【この記事で分かること】
- 個人再生で失敗といわれる主なパターンとそれぞれの具体的な原因
- 最低弁済額や返済期間など認可に必要な基準
- 失敗を防ぐために事前に押さえておくべきポイント
個人再生で失敗といわれる主なパターン
個人再生は借金問題を解決する有効な手段の一つですが、必ずしも全てのケースで成功するわけではありません。手続きには複数の段階があり、それぞれにおいて失敗といわれるパターンが存在します。
こうしたパターンを事前に理解しておくことで、回避できるケースも少なくありません。ここでは、代表的な失敗パターンについて順に見ていきましょう。
申し立てが棄却・却下される
個人再生は、申し立てを行えば必ず手続きが進むわけではありません。法律で定められた要件を満たしていない場合や、書類に不備がある場合には、裁判所から棄却されることがあります。
例えば、以下のようなケースでは申し立てが認められない可能性があります。
- 住宅ローンを除く債務総額が5,000万円を超えている
- 継続的かつ安定した収入を得る見込みがない
- 予納金などの手続き費用を納付できない
- 申し立ての目的が不当または不誠実と判断される
このような失敗は、書類の不備や事前確認不足によって起こることが多いといえます。裏を返せば、事前に要件をしっかり確認し、専門家と相談しながら準備を進めることで回避できるでしょう。
手続きが途中で廃止される
申し立てが受理され、手続きが開始されたとしても、その後の進行が途中で打ち切られるケースがあります。これを手続きの廃止といい、一定のルールに違反した場合に生じます。
主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 裁判所が定めた期限までに必要書類を提出しなかった
- 財産を隠すなどの不正行為が発覚した
- 小規模個人再生において一定以上の債権者が反対した
特に注意すべきなのは、書類提出期限の厳格さです。再生計画案などの提出期限は厳密に管理されており、わずかな遅れでも手続きが廃止される可能性があります。
スケジュール管理と誠実な対応が求められるため、専門家と連携しながら進めることが重要です。
再生計画案が認可されない
個人再生では、最終的に裁判所から再生計画案の認可を受ける必要があります。しかし、提出した計画の内容に問題がある場合には、手続きが進んでいても認可されないことがあります。
認可が下りない主な理由は以下の通りです。
- 最低弁済額や清算価値保障原則を満たしていない
- 履行テストで支払いが滞るなど返済能力に疑問がある
- 偏頗弁済(へんぱべんさい)など不誠実な行為が認められる
計画を提出すれば通るというものではなく、内容の妥当性が厳しくチェックされます。無理な返済計画を立てると、結果的に不認可となるリスクが高まります。
現実的な収支に基づいた計画を作成することが、認可を得るための重要なポイントです。
認可後に再生計画通り返済できなくなる
再生計画が認可された後も、個人再生が確実に成功するとは限りません。認可後は原則3年にわたって返済を続ける必要があり、この期間中に返済が滞ると計画が取り消される可能性があります。
例えば、以下のような事情が影響することがあります。
- 失業や病気による収入の減少
- 想定外の支出増加
- 家計管理の不備
返済が難しくなった場合でも、一定の救済制度が用意されています。
- 裁判所の許可を得て返済期間を最長5年まで延長する
- 一定条件を満たした場合にハードシップ免責を利用する
- 状況によっては自己破産へ切り替える
長期間の返済を前提とする手続きであるため、無理のない計画と早めの相談が重要になります。
個人再生が失敗するとどうなる?
個人再生が失敗すると、借金の減額が実現しないだけではなく、生活面にもさまざまな影響が生じます。経済的な負担だけでなく、督促や信用情報など複数の側面で不利益を受ける可能性があります。
ただし、失敗したからといって全てが終わるわけではありません。事前にリスクを理解しておくことで、適切な対処や別の選択肢を検討しやすくなります。ここでは、具体的にどのような影響があるのかを見ていきましょう。
借金は原則として減額されない
個人再生が途中で失敗した場合、借金は減額されず元の状態に戻ります。手続きが成立して初めて減額が認められるため、認可されない場合や途中で取り消された場合は、当初の債務がそのまま残ることになります。
さらに、手続きに時間を要している間も利息や遅延損害金が発生するケースがあります。そのため、結果として借金総額が増える可能性も否定できません。特に手続き期間が長引いた場合には、その分だけ負担が重くなる傾向があります。
また弁護士費用や裁判所への予納金などの費用は原則として返還されません。つまり、借金が減らないまま費用だけがかかる状況になることもあります。
このように、個人再生の失敗は経済的な負担を大きくする可能性があるため、事前にリスクを理解した上で慎重に進めることが重要です。
督促や返済が継続・再開する
個人再生を弁護士に依頼すると、受任通知の送付により一時的に債権者からの督促や取り立ては停止されます。しかし、手続きが途中で打ち切られると、この効力は失われます。
その結果、債権者からの督促や一括返済の請求が再開される可能性があります。状況によっては、返済を求める連絡が急に増えることもあるでしょう。
対応を後回しにすると、さらに不利益が広がるおそれがあります。例えば、返済が滞った状態が続くと、給与や銀行口座の差し押さえといった法的手続きに進む可能性があります。
こうした事態を避けるためには、督促が再開された時点で速やかに対応方針を検討することが大切です。専門家と相談しながら、次の手続きを早めに決める必要があります。
信用情報への影響が残ることがある
個人再生の手続きを行った事実は、成功や失敗にかかわらず信用情報機関に登録されます。いわゆるブラックリスト状態となり、一定期間は新たな借り入れやクレジットカードの作成が難しくなります。
この影響は一般的に5年から7年程度続くとされており、その間は金融機関の審査に通りにくい状況が続きます。例えば、カードローンや分割払いの利用が制限される可能性があります。
また個人再生に失敗した場合でも、この事故情報が取り消されるわけではありません。つまり、借金が減額されなかったとしても、信用情報への影響だけは残ることになります。
生活への影響を最小限に抑えるためには、手続きの結果だけでなく、その後の信用情報の扱いについても理解しておくことが重要です。
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再生計画案が認可されない原因
個人再生では、裁判所に提出した再生計画案が認可されて初めて借金の減額が実現します。しかし、一定の要件を満たしていない場合には、計画案が認められないことがあります。
認可されない原因は一つではなく、返済額の設定や手続きの進め方など複数の要素が関係します。ここでは、特に注意すべき代表的な原因について解説します。
最低弁済額を下回っている
個人再生では、借金の総額に応じて最低限返済しなければならない金額が定められています。これを最低弁済額といい、この基準を満たさない計画は認可されません。
主な基準は以下の通りです。
- 借金総額が100万円未満の場合:全額
- 100万円以上500万円以下の場合:100万円
- 500万円超1,500万円以下の場合:借金総額の5分の1
これらはあくまで基本的な基準であり、実際には他の要素も加味されます。返済額がこの基準を下回っている場合、どれだけ事情があっても認可を受けることはできません。
計画を立てる際には、自身の借金総額を正確に把握し、基準を満たしているかを確認することが重要です。
清算価値保障原則を満たしていない
個人再生には「清算価値保障原則」というルールがあります。これは、仮に自己破産した場合に処分される財産の価値以上は返済しなければならないという考え方です。
例えば、不動産や預貯金などの資産価値が高い場合、その評価額が最低弁済額を上回ることがあります。この場合、返済額は清算価値を基準に決められます。
申し立て時点では問題がなくても、資産の評価が見直された結果、想定以上に清算価値が高くなるケースもあります。その状態で返済額が不足していると、計画案は認可されません。
財産の評価は見落としやすいポイントであるため、事前に正確な把握と検討が求められます。
給与所得者等再生で可処分所得要件を満たしていない
給与所得者等再生を選択する場合、最低弁済額や清算価値に加えて、可処分所得要件を満たす必要があります。これは、収入から税金や生活費を差し引いた可処分所得の2年分以上を返済するという基準です。
この要件は、小規模個人再生と比べて返済額が高くなる傾向があります。そのため、収入に対して負担が大きくなりやすい点に注意が必要です。
例えば、安定した収入があるものの生活費の負担が大きい場合、可処分所得が少なくなり、基準を満たせないケースもあります。
制度ごとの特徴を理解した上で、自身の状況に合った手続きを選ぶことが重要です。
返済計画の実現可能性が乏しい
個人再生では、認可後に継続して返済できるかどうかが重視されます。そのため、返済計画の実現可能性が低いと判断された場合、計画案は認可されません。
裁判所によっては、認可前に履行テストが行われることがあります。これは実際の返済と同じ条件で一定期間支払いを行い、継続性を確認するものです。
このテストで支払いが滞ると、返済能力に不安があると判断される可能性があります。結果として、計画案が認められないことにつながります。
収入や支出を客観的に見直し、無理のない返済計画を立てることが不可欠です。
申し立ての進め方が不誠実と判断される
個人再生では、手続きの進め方そのものも重要な判断要素となります。不誠実な対応があると判断された場合、計画案が認可されない可能性があります。
代表的な例として、以下のような行為が挙げられます。
- 特定の債権者にだけ優先して返済する偏頗弁済
- 財産を隠したり虚偽の申告を行ったりする
このような行為は、裁判所からの信頼を損なう原因となります。その結果、手続き全体が不利に進む可能性があります。
正確な情報を開示し、誠実に手続きを進めることが、認可を得るための前提となります。
個人再生に失敗したときの対処法
個人再生に失敗した場合でも、状況に応じて取り得る対処法は複数存在します。重要なのは、問題を放置せず、できるだけ早く適切な対応を取ることです。
対応が遅れるほど、督促や差し押さえなどのリスクが高まります。ここでは、個人再生に失敗した際に検討すべき具体的な対処法について解説します。
依頼中の弁護士へ早めに相談する
個人再生の手続き中に返済が滞るなどの問題が生じた場合は、速やかに依頼している弁護士へ相談することが重要です。自己判断で対応を後回しにすると、状況が悪化するおそれがあります。
弁護士であれば、手続きが失敗した原因を法的な観点から分析し、次に取るべき対応を提案してくれます。例えば、計画の見直しや別の手続きへの切り替えなど、状況に応じた選択肢を提示してもらえます。
また早い段階で相談することで、手続きの継続や修正が可能となるケースもあります。問題が深刻化する前に対応できる点は大きなメリットといえるでしょう。
不安や疑問を抱えたまま進めるのではなく、専門家のサポートを受けながら進めることが、結果的に適切な解決につながります。
債権者への対応を早めに進める
個人再生が失敗すると、受任通知によって一時的に停止していた督促や取り立てが再開されます。その結果、債権者から一括返済を求められる可能性があります。
この状態を放置すると、状況はさらに悪化します。例えば、給与や預貯金の差し押さえといった法的措置に進むリスクが高まります。こうした事態を防ぐためにも、早めの対応が欠かせません。
具体的には、弁護士と相談しながら対応方針を決め、必要に応じて債権者との交渉や別の手続きを進めることが重要です。状況に応じた適切な対応を取ることで、不利益の拡大を防ぐことができます。
再申し立てをできるか確認する
個人再生には原則として回数制限がないため、失敗した場合でも再申し立てが可能です。ただし、同じ原因を解消しないまま再度申し立てても、結果は変わらない可能性があります。
例えば、書類の不備や提出期限の遅れが原因であれば、内容を修正することで再申し立てが認められるケースもあります。このような場合は、比較的再挑戦しやすいといえるでしょう。
一方で、過去に給与所得者等再生の再生計画を遂行した場合や、自己破産で免責許可決定が確定した場合は、原則として、その再生計画の認可決定または免責許可決定が確定した日から7年間は給与所得者等再生を利用できません。この場合は、小規模個人再生など別の制度を検討する必要があります。
再申し立てを検討する際は、失敗の原因を整理した上で、適切な手続き方法を選ぶことが重要です。
任意整理への変更を検討する
個人再生が難しい場合には、任意整理への変更を検討することも有効な選択肢です。任意整理は裁判所を通さず、債権者と直接交渉することで返済条件を見直す手続きです。
主な特徴として、将来利息のカットや返済スケジュールの見直しが挙げられます。借金額が比較的少なく、一定の収入がある場合には現実的な方法となることがあります。
また対象とする債権者を選べる点も特徴です。そのため、住宅ローンや自動車ローンなど、手元に残したい財産がある場合にも対応しやすい傾向があります。
ただし、全てのケースに適しているわけではありません。収入や借金状況を踏まえた上で、最適な方法を検討する必要があります。
自己破産への変更を検討する
収入の減少や多額の負債により返済の見込みが立たない場合には、自己破産を検討することになります。自己破産は裁判所の免責許可を得ることで、原則として借金の返済義務が免除される制度です。
個人再生では返済が前提となるため、返済能力が不足している場合には適していません。そのような状況では、自己破産が現実的な選択肢となることがあります。
ただし、一定価値以上の財産が処分されるなどのデメリットも存在します。手続きによる影響を十分に理解した上で、慎重に判断することが求められます。
個人再生で失敗しないためのポイント
個人再生は適切に進めれば借金問題の解決につながる手続きですが、準備や計画が不十分だと失敗するリスクがあります。逆にいえば、事前にポイントを押さえておくことで回避できるケースも多くあります。
ここでは、個人再生を成功に近づけるために意識しておきたいポイントを解説します。
債務整理に強い専門家へ依頼する
個人再生は裁判所を介する複雑な手続きであり、専門的な知識が求められます。そのため、自力で進める場合は失敗のリスクが高くなる傾向があります。
債務整理に強い弁護士であれば、これまでの経験やノウハウを生かして、認可を得るための適切なサポートを提供してくれます。書類の作成や手続きの進め方についても、的確なアドバイスを受けることができます。
また個別の事情に応じた戦略を立ててもらえる点も大きなメリットです。例えば、返済計画の調整や制度選択など、重要な判断をサポートしてもらえます。
専門家に依頼することで、手続き全体の見通しが立ちやすくなり、成功可能性を高めることにつながります。
必要書類を早めにそろえる
個人再生では、多くの書類を提出する必要があります。家計表や通帳のコピー、収入を証明する書類など、準備する内容は多岐にわたります。
提出期限は厳格に定められており、遅れると手続きが打ち切られる可能性があります。そのため、早めに準備を進めることが重要です。
特に、本人が収集しなければならない書類については、計画的に対応する必要があります。専門家に依頼している場合でも、書類の準備が遅れると手続き全体に影響が出ます。
書類不備は失敗の原因になりやすいため、専門家と連携しながら確実に準備を進めることが求められます。
無理のない返済計画を立てる
個人再生では、認可後に原則3年の返済を継続する必要があります。そのため、現実的な返済計画を立てることが不可欠です。
収入や支出を正確に把握し、無理のない範囲で返済額を設定することが重要です。将来的な収入の変動や支出増加の可能性も考慮する必要があります。
例えば、急な出費や収入減少があった場合でも対応できる余裕を持たせておくことが望ましいといえます。家計の見直しや支出の削減も、計画を維持するためのポイントになります。
無理のある計画は途中で破綻するリスクが高いため、長期的に継続できる内容にすることが重要です。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
まとめ
個人再生は借金を大きく減額できる可能性がある一方で、手続きの進め方や計画内容によっては失敗するリスクもあります。申し立ての段階から認可後の返済まで、それぞれの段階で注意すべきポイントがあることを理解しておくことが大切です。
また失敗した場合でも対処法は複数存在します。早めに専門家へ相談し、状況に応じた対応を取ることで、問題の悪化を防ぐことができるでしょう。
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。