債務整理
2026/08/20
個人再生すると住宅ローンはどうなる?家を残すことはできる?

借金の返済に悩み、個人再生を検討している方の中には「住宅ローンが残っている家はどうなるのだろう」「個人再生をすると家を失ってしまうのではないか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンが残っている場合、通常は金融機関によって抵当権が実行され、自宅が競売にかけられる可能性があります。しかし、個人再生には住宅ローン特則という制度があり、条件を満たせば住宅ローンを維持しながら他の借金のみを整理できる可能性があります。
個人再生は、自己破産とは異なり、生活基盤となる住宅を維持しながら生活再建を目指せる点が大きな特徴です。ただし、住宅ローン特則を利用するには複数の条件があり、状況によっては利用できないケースもあります。
本記事では、個人再生をすると住宅ローンがどうなるのか、住宅ローン特則の仕組みや利用条件、自宅を残すための注意点などを詳しく解説します。住宅ローンがある状態で借金問題に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- 個人再生をすると住宅ローンがどう扱われるのか
- 住宅ローン特則を利用するための条件やペアローン・代位弁済後など注意が必要なケース
- 個人再生後に新たな住宅ローンを組む方法
個人再生をすると住宅ローンはどうなる?
個人再生を検討している方の中には「住宅ローンだけはそのまま支払い続けたい」と考える方も多いでしょう。しかし、個人再生は原則として全ての債権者を対象とする手続きです。そのため、通常は住宅ローンも整理対象に含まれます。
住宅ローンが個人再生の対象になると、金融機関は住宅に設定している抵当権を実行する可能性があります。抵当権とは、住宅ローンの返済ができなくなった際に、金融機関が住宅を競売にかけて貸付金を回収するための権利です。
実際に抵当権が実行されると、自宅は競売にかけられ、売却代金が住宅ローンの返済に充てられます。結果として、長年住み続けたマイホームを失うことにもなりかねません。
ただし、個人再生には住宅ローン特則という制度があります。この制度を利用できれば、住宅ローンは従来通り返済を続けながら、その他の借金のみを減額できる可能性があります。
個人再生は、単に借金を減額するだけではなく、生活を立て直すことを目的とした制度です。生活基盤となる住宅を維持しながら再建を目指せる点は、大きな特徴といえるでしょう。
個人再生で利用できる住宅ローン特則とは?
住宅ローン特則とは、個人再生の中で利用できる特例制度です。正式には「住宅資金特別条項」と呼ばれています。
通常の個人再生では、住宅ローンも含めて全ての借金が整理対象になります。しかし、住宅ローン特則を利用した場合は、住宅ローンだけは従来通り返済を継続し、その他の借金のみを減額することが可能です。
この制度を利用することで、金融機関による抵当権の実行を防ぎ、自宅が競売にかけられるリスクを抑えられます。家族と暮らす住宅を維持しながら借金問題を整理できる点は、住宅ローン特則の大きなメリットです。
個人再生は、債務者の生活再建を目的としています。そのため、生活の基盤となる住宅を維持できるよう、このような特例が設けられています。
また自己破産の場合は、原則として高額な財産を処分する必要があります。一方、個人再生では住宅ローン特則を利用することで、住宅を維持できる可能性があるため、自宅を残したい方に選ばれるケースも少なくありません。
ただし、住宅ローン特則を利用するためには、法律上の要件を満たす必要があります。条件を満たしていない場合は利用できないため、事前に確認することが重要です。
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個人再生で住宅ローン特則を利用するための条件
住宅ローン特則は、自宅を維持しながら借金整理を目指せる制度です。しかし、誰でも利用できるわけではありません。
実際には、住宅の利用状況や抵当権の内容など、複数の厳格な条件を満たす必要があります。条件を一つでも満たさない場合、住宅ローン特則が認められない可能性もあります。
また住宅ローン特則を利用する前提として、継続的な収入があることなど、個人再生自体の要件を満たしていなければなりません。
ここでは、住宅ローン特則を利用するための代表的な条件について解説します。
住宅の購入・建築・リフォームを目的とした借入であること
住宅ローン特則の対象となるのは、住宅の購入や建築、リフォームなどを目的とした借入です。法律上は「住宅資金貸付債権」と呼ばれています。
例えば、住宅を新築するためのローンや、中古住宅の購入資金、住宅の改良工事に必要なリフォームローンなどが対象になる可能性があります。
また住宅ローン特則を利用するには、一括払いではなく、分割払いで返済する契約であることも必要です。
一方、以下のような借入は原則として対象外になります。
- 事業資金として借り入れたローン
- カードローンやフリーローン
- 車の購入資金
- 住宅以外の用途を含む借入
例えば、住宅を担保にして事業資金を借り入れている場合は、住宅ローン特則の対象外になる可能性があります。
住宅に関連する借入であっても、用途によっては対象にならないケースがあるため、契約内容を確認することが重要です。
申立人本人が所有・居住している住宅であること
住宅ローン特則を利用するには、個人再生を申し立てる本人が所有し、実際に居住している住宅でなければなりません。制度の目的は、生活の基盤となる住宅を守ることです。そのため、投資目的のマンションや別荘などは対象外になります。
また家族名義のみの住宅ローンで、申立人本人に所有権がない場合も、原則として住宅ローン特則は利用できません。ただし、単身赴任などの事情で一時的に住宅を離れている場合は、将来的に居住する予定が明確であれば、例外的に認められるケースもあります。
このようなケースでは、実質的に「生活の本拠」といえるかどうかが重視されます。状況によって判断が分かれる場合もあるため、自己判断せず専門家へ相談した方がよいでしょう。
床面積の2分の1以上が居住用に使われていること
住宅ローン特則を利用するには、住宅の床面積の2分の1以上が居住用として使われている必要があります。例えば、1階を店舗、2階を自宅として利用している店舗兼住宅の場合、事業用部分の割合が大きいと要件を満たさない可能性があります。
事務所兼住宅についても同様です。住宅としての利用より事業用スペースの方が広い場合、住宅ローン特則が認められないケースがあります。また二世帯住宅でも注意が必要です。家計や住居スペースが完全に分離している場合は、本人の居住部分が全体の半分以上あるかどうかが問題になります。
実際には、建物図面や登記事項証明書などをもとに判断されるケースもあります。店舗兼住宅や二世帯住宅に該当する場合は、早めに専門家へ相談した方が安心です。
住宅ローン以外の抵当権・担保権が設定されていないこと
住宅ローン特則を利用するには、住宅ローン以外の担保権が設定されていないことも重要な条件です。
住宅ローン特則は、住宅ローンによる抵当権のみを前提とした制度です。そのため、他の借金を担保する抵当権が設定されている場合は、原則として利用が難しくなります。
例えば、以下のようなケースでは注意が必要です。
- 不動産担保ローンを利用している
- 住宅を担保に事業資金を借り入れている
- ペアローンにより配偶者側の抵当権が設定されている
このような担保権が実行されると、結局は自宅を失う可能性があります。そのため、住宅ローン特則の制度趣旨に反すると判断される場合があるのです。
実際には、登記事項証明書などを確認しながら判断されます。住宅を担保に追加借入をしている場合は、特に注意してください。
代位弁済後6カ月以内に再生手続の申し立てを行うこと
住宅ローンを滞納すると、保証会社が債務者に代わって銀行へ一括返済を行う場合があります。これを「代位弁済」といいます。通常、代位弁済が行われると、住宅ローンは分割払いではなくなり、保証会社から一括請求を受けることになります。そのまま放置すると、競売へ進む可能性も高まるでしょう。
しかし、代位弁済後であっても、一定期間内であれば住宅ローン特則を利用できる可能性があります。具体的には、保証会社による代位弁済から6カ月以内に個人再生を申し立てる必要があります。期限内に申し立てを行えば、法律上は代位弁済がなかった状態に戻す「巻き戻し」が認められる場合があります。
一方、6カ月を過ぎると、原則として住宅ローン特則は利用できません。住宅ローンを滞納している場合は「まだ大丈夫だろう」と放置せず、早めに専門家へ相談することが重要です。
住宅ローン特則を利用した場合の返済方法の種類
住宅ローン特則を利用する場合でも、返済方法は1種類ではありません。住宅ローンの滞納状況や収入状況に応じて、複数の返済パターンが用意されています。
個人再生では、単に借金を減額するだけではなく、現実的に返済を継続できるかどうかが重視されます。そのため、状況に応じて返済方法を調整しながら、自宅維持を目指す仕組みが設けられているのです。
ここでは、住宅ローン特則で利用される代表的な返済方法について解説します。
期限の利益回復型
期限の利益回復型とは、住宅ローンを滞納し、一括請求を受けている状態から、元の分割払いへ戻す方法です。
「期限の利益」とは、毎月の分割払いで返済できる権利を指します。住宅ローンを長期間滞納すると、この権利を失い、金融機関や保証会社から残額の一括返済を求められる場合があります。
しかし、個人再生で期限の利益回復型を利用できれば、再び分割払いへ戻せる可能性があります。具体的には、個人再生の再生計画期間である原則3〜5年の間に、通常の住宅ローン返済額へ加えて、以下のような滞納分を上乗せして支払います。
- 延滞していた元金
- 未払い利息
- 遅延損害金
この方法によって、住宅ローンの一括請求を回避しながら返済継続を目指せます。
ただし、毎月の返済負担は通常時より重くなりやすいため、安定した収入が必要です。滞納後でも直ちに自宅を失うとは限りませんが、放置すると競売リスクが高まるため、早めに専門家へ相談した方がよいでしょう。
リスケジュール型
リスケジュール型とは、期限の利益回復型では返済継続が難しい場合に、住宅ローンの返済期間を延長して毎月の負担を軽減する方法です。例えば、滞納分を上乗せした返済額では家計維持が難しい場合、そのままでは再生計画が認められない可能性があります。そのようなケースで利用されるのがリスケジュール型です。
この方法では、住宅ローンの返済期間を最長10年延長できます。ただし、返済期限は原則として債務者本人が70歳になるまでとされています。
返済期間を延長することで、1カ月当たりの返済額を抑えやすくなります。生活費とのバランスを取りながら返済を継続できる点は、大きなメリットといえるでしょう。一方、返済期間が長くなる分、利息負担が増え、結果的に返済総額が高くなる可能性もあります。
そのため、単に返済額を減らすだけではなく、長期的に無理なく返済できるかどうかを踏まえて検討することが重要です。
元本猶予期間併用型
元本猶予期間併用型とは、リスケジュール型を利用しても返済が難しい場合に、一定期間は元本返済を猶予してもらう方法です。
この方法では、個人再生の再生計画期間である原則3〜5年の間、住宅ローンの元本返済を停止し、利息のみを支払います。例えば、他の借金の返済負担が大きく、住宅ローンまで通常通り支払う余裕がないケースでは、一時的に住宅ローン負担を軽減することで生活再建を目指します。特に、個人再生による返済と住宅ローン返済が重なり、家計が厳しくなる場合には、有効な方法となることがあります。
ただし、元本返済が免除されるわけではありません。猶予期間終了後は、残っている元本を改めて返済していく必要があります。また返済期間が長期化しやすいため、最終的な返済総額が増える可能性もあります。利用する際は、将来的な返済計画まで見据えて検討することが大切です。
同意・合意型
同意・合意型とは、法律上定められている返済パターンでは対応が難しい場合に、金融機関との個別交渉によって返済条件を調整する方法です。
住宅ローン特則には一定のルールがありますが、事情によっては標準的な返済方法では再建が難しいケースもあります。そのような場合に、金融機関の同意を得た上で柔軟な返済計画を定めるのが同意・合意型です。
例えば、以下のような調整が認められる可能性があります。
- 返済期間を10年以上延長する
- 70歳を超える返済期間を設定する
- 個別事情に応じた返済方法へ変更する
ただし、これらは金融機関が必ず応じるわけではありません。実際には、債務者の収入状況や返済可能性などを踏まえて判断されます。
また金融機関との個別交渉には専門的な知識が必要です。現実的な返済計画を提示しなければ合意に至らないケースもあるため、弁護士へ相談しながら進めることが一般的です。
住宅ローン特則が使えない場合の選択肢
住宅ローン特則は、自宅を維持しながら借金整理を目指せる制度です。しかし、全てのケースで利用できるわけではありません。例えば、住宅以外の担保権が設定されている場合や、住宅ローン特則の条件を満たしていない場合は、利用が難しくなることがあります。
ただし、住宅ローン特則が使えない場合でも、状況に応じて検討できる方法は存在します。自宅を残すことを優先するのか、借金問題の整理を優先するのかによって、選択肢も変わってくるでしょう。
ここでは、住宅ローン特則が利用できない場合に検討される主な方法を紹介します。
任意整理で住宅ローン以外の返済条件を交渉する
任意整理とは、裁判所を介さず、債権者と直接交渉して返済条件の緩和を目指す手続きです。
個人再生とは異なり、整理対象とする債権者を選べる点が特徴です。そのため、住宅ローンを対象から外し、その他の借金だけを整理することもできます。
例えば、消費者金融やカードローンのみを任意整理し、以下のような条件変更を交渉するケースがあります。
- 将来利息のカット
- 遅延損害金の減免
- 分割返済期間の延長
住宅ローンをそのまま支払い続けながら、他の借金負担を軽減できる点はメリットです。
一方、任意整理では原則として元金そのものを減額できません。そのため、借金額が大きい場合や、毎月の返済負担が重い場合には、根本的な解決にならないケースもあります。また任意整理後も継続的に返済を続ける必要があるため、安定した収入が求められます。自分の返済能力に合った方法かどうか、慎重に検討することが大切です。
任意売却で競売を回避する
住宅ローン返済が難しくなった場合、任意売却によって競売を回避できる可能性があります。任意売却とは、金融機関の同意を得た上で、不動産を競売にかける前に売却する方法です。
競売の場合、市場価格より低い金額で売却されるケースも少なくありません。一方、任意売却であれば、市場価格に近い条件で売却できる可能性があります。
また任意売却には以下のようなメリットがあります。
- 引っ越し時期を調整しやすい
- 周囲に知られにくい
- 売却価格が競売より高くなりやすい
売却代金は住宅ローン返済へ充てられます。ただし、売却後もローン残債が残るケースは珍しくありません。その場合は、金融機関と分割返済を交渉したり、状況によっては自己破産など他の債務整理を検討したりする必要があります。
住宅ローン問題を放置すると競売へ進む可能性もあるため、返済が厳しくなった段階で早めに相談することが重要です。
リースバックを行い賃貸として住み続ける
リースバックとは、自宅を不動産会社や投資家へ売却した後、賃貸契約を結んでそのまま住み続ける方法です。通常、自宅を売却すると引っ越しが必要になります。しかし、リースバックを利用すれば、生活環境を大きく変えずに済む可能性があります。
例えば、以下のようなメリットがあります。
- 子どもの学校を変えずに済む
- 近隣へ事情を知られにくい
- 売却資金を借金返済へ充てられる
住宅ローンや他の借金を整理しながら、住み慣れた家に住み続けられる点は魅力です。
ただし、注意点もあります。リースバックでは、通常売買より売却価格が低くなる場合があります。また家賃が相場より高めに設定されるケースも少なくありません。さらに、将来的に家を買い戻す場合、売却時より高額になるケースもあります。
契約内容によっては、更新拒否などで退去を求められる可能性もあるため、条件を十分確認した上で利用することが大切です。
金融機関と交渉して別除権協定を結ぶ
住宅ローン以外の担保権が問題になる場合には、金融機関などと個別交渉を行い「別除権協定」を結ぶ方法もあります。別除権協定とは、担保権者と個別に合意を結び、競売を行わない代わりに、滞納分などを分割返済していく取り決めです。
例えば、以下のようなケースで検討されます。
- 不動産担保ローンが設定されている
- マンション管理費を滞納している
- 先取特権による競売リスクがある
マンション管理費を滞納すると、管理組合が「先取特権」を行使し、競売を申し立てる可能性があります。そのため、個人再生とは別に、滞納分の支払い方法について個別に協議する必要があるのです。
ただし、別除権協定には高度な専門知識や交渉力が求められます。相手方が合意しなければ成立しないため、必ず成功するとは限りません。権利関係が複雑になるケースも多いため、弁護士へ依頼しながら進めるのが一般的です。
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個人再生で住宅ローン特則が認められないケース
住宅ローン特則は、自宅を維持しながら借金整理を目指せる制度です。しかし、一定の条件を満たしていなければ利用できません。「個人再生をすれば必ず家を残せる」と考えてしまう方もいますが、担保権の状況や税金の滞納などによっては、住宅ローン特則が認められないケースもあります。
また税金やマンション管理費の滞納が問題になる場合もあるため、事前確認は欠かせません。ここでは、住宅ローン特則が認められにくい代表的なケースについて解説します。
ペアローンやダブルローンの場合
ペアローンやダブルローンを利用している場合、住宅ローン特則が認められにくくなるケースがあります。
ペアローンとは、夫婦がそれぞれ別々に住宅ローンを契約する方法です。この場合、自宅には夫婦双方の抵当権が設定されます。そのため、一方だけが個人再生を申し立てると、配偶者側の抵当権が「住宅ローン以外の担保権」とみなされ、住宅ローン特則を利用できない可能性があります。
またダブルローンにも注意が必要です。例えば、以前住んでいた家のローン残債を、新居の住宅ローンへ上乗せして借り入れているケースでは、純粋な住宅取得資金ではないと判断される場合があります。このような場合、住宅ローン特則の対象となる「住宅資金貸付債権」に該当しない可能性があります。
ただし、ペアローンであっても、夫婦が同時に個人再生を申し立てることで、例外的に認められるケースもあります。ローン契約の内容によって扱いが変わるため、自己判断せず専門家へ確認した方がよいでしょう。
税金やマンション管理費を滞納している場合
固定資産税や住民税などの税金を滞納している場合、住宅ローン特則が利用しづらくなる可能性があります。
税金などの公租公課を滞納すると、自治体によって自宅へ差し押さえ登記が行われるケースがあります。差し押さえが実行されると、自宅を失うリスクが生じるため、住宅ローン特則の制度趣旨に反すると判断される場合があるのです。
またマンションに住んでいる場合は、管理費や修繕積立金の滞納にも注意しなければなりません。マンション管理費を滞納すると、管理組合が先取特権を行使し、競売を申し立てる可能性があります。特に、管理費滞納は見落とされやすいポイントです。住宅ローンだけ支払っていても、管理費滞納が原因で問題になるケースがあります。
住宅ローン特則を利用できても注意したいケース
住宅ローン特則の要件を満たしていても、自宅の資産価値によっては、返済額が想定より大きくなることがあります。ここでは、特則自体は利用できるものの、返済計画に影響するケースを解説します。
アンダーローンで清算価値が上がる場合
アンダーローンとは、自宅の査定額が住宅ローン残高を上回っている状態を指します。
例えば、住宅ローン残高が2,000万円で、自宅の査定額が2,500万円だった場合、差額の500万円分は資産価値があると判断されます。
個人再生には「清算価値保障原則」というルールがあります。これは、自己破産した場合に債権者へ配当される財産以上の金額を返済しなければならないという考え方です。
そのため、アンダーローン状態では、自宅の資産価値が清算価値へ加算されます。結果として、毎月の返済負担が大きくなり、個人再生を利用するメリットが薄れてしまうケースもあるのです。
なお、アンダーローンだからといって、直ちに個人再生できないわけではありません。ただし、返済計画が現実的かどうか慎重に検討する必要があります。
個人再生後に新たに住宅ローンを組むには?
個人再生をすると、信用情報へ事故情報が登録されるため、一定期間は住宅ローン審査が厳しくなります。そのため「もう二度と住宅ローンは組めないのではないか」と不安になる方もいるでしょう。
しかし、個人再生をしたからといって、一生住宅ローンを利用できなくなるわけではありません。信用情報が回復し、収入状況などの条件を満たせば、将来的に住宅ローンを組める可能性があります。
ここでは、個人再生後に住宅ローンを組むために意識したいポイントを解説します。
事故情報の登録が解除されるのを待つ
個人再生をすると、信用情報機関へ事故情報が登録されます。事故情報が登録されている間は、住宅ローン審査へ通ることは非常に難しくなります。
主な信用情報機関には、以下のようなものがあります。
|
信用情報機関 |
主な加盟業者 |
|
CIC |
クレジットカード会社・信販会社 |
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JICC |
消費者金融・信販会社 |
|
KSC |
銀行・信用金庫 |
事故情報は、個人再生の開始決定や完済からおよそ5〜7年程度で抹消されるとされています。ただし、登録期間には差があるため「そろそろ消えているだろう」と自己判断するのは危険です。
住宅ローンへ申し込む前には、各信用情報機関へ開示請求を行い、事故情報が削除されているか確認した方が安心でしょう。事故情報が残っている状態で申し込むと、審査落ちの記録が増える可能性もあるため、焦らず準備を進めることが大切です。
頭金を多めに用意する
個人再生後に住宅ローン審査を受ける場合は、頭金を多めに準備しておくことも重要です。事故情報が削除された直後は、クレジットカード利用履歴などが少ない「スーパーホワイト」と呼ばれる状態になるケースがあります。
信用情報に履歴が少ないと、金融機関から「過去に債務整理をしていたのではないか」と判断されかねません。そのため、住宅ローン審査では、返済能力や計画性を別の方法で示す必要があるのです。
ただし、頭金が多ければ必ず審査に通るわけではありません。生活費とのバランスも考慮しながら、無理のない範囲で準備を進めることが大切です。
安定した収入と勤続年数を確保する
住宅ローン審査では、安定した収入があるかどうかが重視されます。金融機関は、住宅ローンを長期間返済できるかを確認するため、年収だけではなく、勤務状況や雇用形態もチェックしています。
例えば、以下のようなケースでは、審査が厳しくなる可能性があります。
- 転職したばかりで勤続年数が短い
- 毎月の収入変動が大きい
- 雇用が不安定な働き方をしている
一方、正社員として長期間勤務している場合は、継続的な返済能力があると判断されやすくなります。
また年収だけではなく、家計管理の安定性も重要です。個人再生後に再び返済困難へ陥らないよう、無理のない生活設計が求められます。
配偶者収入が考慮されるケースもありますが、基本的には申込者本人の返済能力が重視されます。住宅ローン審査へ向けては、信用情報の回復だけではなく、長期的に安定した収入基盤を整えることも大切です。
毎月の返済が
不安になってきた方へ
いまは「どう対処すればよいか分からない」
という状況でもご相談いただけます。
ご家族や職場に知られずに解決する方法も
ご提案可能です
- 相談料は何度でも0円
- 分割払い対応
- 最短で即日取り立てストップ
まとめ
個人再生をすると、原則として住宅ローンも整理対象になります。しかし、住宅ローン特則を利用できれば、住宅ローンを維持しながら他の借金のみを整理できる可能性があります。
住宅ローン特則を利用するためには、住宅の利用状況や担保権の内容など、複数の条件を満たさなければなりません。またペアローンや税金滞納など、利用が難しくなるケースもあります。一方、住宅ローン特則が利用できない場合でも、任意整理や任意売却、リースバックなど、状況に応じた選択肢を検討できる場合があります。
借金問題は、一人で悩み続けるほど状況が悪化しやすくなります。特に、住宅ローンを滞納している場合は、競売や代位弁済へ進む前に早めに対応することが重要です。
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このページの監修弁護士

弁護士
久松亮一(弁護士法人ライズ綜合法律事務所)
東京大学法学部、及び法政大学法科大学院卒。
2012年弁護士登録。
弁護士歴10年以上の知見を活かし、法律の専門家として、債務整理・慰謝料請求・立ち退き問題など、同事務所が取り扱う幅広い法律問題に従事している。